仲間だけでも良いのでは?
レニのタンクとしての素晴らしさはよくわかった。
次はダリルとの連携か。
「あの様子ならダリルとの連携は言わずもがな、ね」
ルインの言う通り、ブルーウルフ3匹に遭遇したが堅実という言葉を表現しているかのような戦いぶりだった。
序盤は王道タンクとして3匹の攻撃を引き受け、完封していた。
ダリルが1匹仕留めると、また盾を使ってウルフを騙し仕留め、残り1匹は短弓で仕留めるという、アタッカーも顔負けの働きを見せていた。
「あの感じだと前衛はあの二人で完結できそうじゃない…?」
「戦争レベルならまだしも、ダンジョンぐらいなら私たちの出番なさそうよね?」
ティエルとルインが会話しているが、そうなると、戦争レベルで君たちが出て俺の出番がほとんど無いように思える。
あれ、俺っている…?
「いやぁ、久々にレニと戦闘したがヘイトの取り方が上手くなってたな!」
「ダリルさんに鍛えられたおかげですよ!」
「俺は基本的なことしか教えてないからな?あそこまで出来るようになっているのは最早、才能とも呼べるものさ」
あの連携の練度で久々の共闘なのか。
世界って広いんだな…。
「ルインさん、我々も少しは良い所を見せないとですよ。」
「私は戦闘じゃ頼りにならないからね?本領は終わった後だから、戦闘はティエルが頑張りなさい」
本当にルインは戦闘には参加しないんだなぁ。
まぁ、最低限の冒険者装備であとは回復用のバッグの方が多いくらいだし、後方支援なんだろう。
さっき、屋敷で聞いた時には援護くらいは出来るとか言ってたけど、気になるな。
「とりあえず、先に僕がやりましょう!」
最初に出会った時の大人しい青年の感じはどこへやら。
テンション高めのティエル。
「あの子…こういう時以外は本当に興味なくて静かなのに、一度スイッチ入ると子供みたいにはしゃぐのよねぇ…」
「そういうタイプなのか」
「すっごい冷静に敵を倒してそうなのに」
「人は見かけによらないっすねぇ」
意外な一面にびっくりの3人だった。
しかし、それは戦闘が始まってからの方が驚きだった。
「こ、これは…後衛職というか…」
「どう見ても前衛…っすよね…」
「し、しいて言えば中衛…?」
僕らのセリフは彼の戦闘スタイルによる凄惨な戦闘後の状況を見てだった。
彼はモンスターの群れを見つけるや否や。
「あ、あそこにいる奴らがちょうどいいですよね!」
と、駆けて行った。
身体に何重もの強化魔法を掛けて。
ひとっ飛び。
からの、広範囲魔法で相手を足止めまたは致命傷を負わせた上で…。
「きっちりとトドメを刺さないと戦いは何が起こるか分からないですからね。」
と、魔力を剣の形にして扱う魔力剣を片手に首を切り落としていく。
容赦のなさ。
とてもぱっと見では後衛職の人間がやった人間と思えない。
「ちょっと気合い入りすぎちゃったかな…?」
「気合いっていう言葉で片付けていい状況じゃないとは思うのは…僕だけかな?」
誰も声を出さないので代わりにみんなの気持ちを代弁する。
おそらくこの気持ちで間違いないだろう。
げんに頷いて聞いている。
「いやぁ!確かに戦闘が始まっちゃうとテンション上がって!どんどん行きたくなるんですよね!」
アハハ!と豪快に笑っているその片手には魔物の首を持っている。
他の3人見ると、なんとも言えないような冷たいような視線を投げている。
きっと、俺と考えていることは一緒だろう。
隠れ問題児がいた…。
このパーティーどうなるんだろうか…と天を仰いだ。




