剣の道と魔法の道
「アレン、魔術師団長を呼ぶから来たときにもう一度見せてもらっても良いかな?」
「はい」
いつも通りの優しい声で父さんが聞いてきたので、問題があるわけではなさそうなので肯定しておく。
この領地の人たちは皆、良い人たちなので気にすることはないだろう。
ありがちなのは、誰かしらよからぬことを考えてがちな気がするが、ここに関しては人格者が集まる良い土地のようだ。
テンプレ的には良いような悪いような…。
程なくして父さんの領地で魔法師団長を務める人が来た。
「お待たせして申し訳ございません。何やらご子息様についての事だとか?」
「急な呼び出しで済まない。アレンの魔法を見て欲しくてな」
「見る限り剣の練習のように思えるのですが…」
フード付の外套姿のその人は魔法師団長のルインだ。
ぱっと見は綺麗な男の人のように見えるが、声の高さ的に女性のようだ。
ルインの疑問ももっともだ。
魔法の様子をいて欲しいと言われて来てみれば、騎士団長と練習用の人形と子供用の剣を握っている俺。
この世界の常識に当て嵌めれば不思議でならないだろう。
「アレンが剣の練習に魔法を使っているようでな、ルインにも来てもらったのだ。」
「俺は剣に関してしかわからないからな、感覚的に魔法は感じれても確証がないから報告して呼んでもらったのだ」
「なるほど、確かにダリルだけでは分からないか…しかし、魔法と剣の両立など出来るものなのか?」
「俺としては信じられないと言うのが率直な感想だが…」
「私もある程度は長い期間、領主として色々な世界を見てきたが聞いた事がなくてな」
大人同士で話し合いが始まってしまったが、俺としてはつまらないので魔法で斬撃を飛ばすと言う定番ができないか、木の人形に軽く剣を振ってみる。
お、少しできたか?
剣が届いていないはずの人形の表面に線状のへこみがついた。
もっと鋭くふればできそうだな。
「とりあえず、見ないことには何も言えません。良ければお見せいただいても?」
「そうだな、アレン。もう一度やって見てもらえないかい?」
「はい、なんかいかやります。」
まずは身体強化を使って切る。
ズバァッ!
先程より本気で強化して切ったので、深めに切れた。
そして、二度目は感覚強化を使ってより鋭く振る。
ズシャッ!
横薙ぎ一閃、人形の首が飛ぶ。
その勢いを使って後ろに飛び退く。
少しばかり集中して、さっきできそうだった斬撃飛ばしをやってみる。
シュパッ…!
人形をんsん目に切り落としてその後ろの壁にも斬痕を残してしまった。
「あ、かべが…ごめんなさい…」
父さんに謝るが返答がない。
「ダリルよ…剣をちゃんと教えたわけではないよな…?」
「は、はい…アレン様にあったのも今日が初めてでございます。それにあの技は…陶器を用いてのものでしたら師範代がよく使っていたものに似ているもので誰にも教えたことは…。」
「ルイン…そうなると魔法か何かを使ってのことになるが…」
「信じ難いですが…あれは間違いなく身体強化、感覚強化使っていました…最後は魔力を感じはしましたが、何を行なったのか…」
三人揃って、目を見開いたまま唖然としている。
やっぱり魔法剣士は今までいなかったからなのか、最後の技は未知のものとして扱われるのか。
「僕としても君がその歳でそこまで、魔力制御できるようになっているなんて驚きだよ…」
神様としても驚きポイントはあったみたいだ。
「暇に見えるかもだけど、四六時中君のところに遊びに来ているわけではないんだからね!?」
そうだったのか。ただの暇人ならぬ暇神かと思ったが違うみたいだ。




