神童の片鱗
加筆修正を行なっていくので内容が少しばかり変わっています!
一歳の時の失敗をして無難に二歳を過ごし三歳を迎えたとき、両親にお願いをしてみた。
「ぼくもけん、ならいたい」
「ん?剣を振りたいのか?」
「あらアレンも、男の子になってきたのね」
母さんの腕の中にはもうすぐ二歳になる妹がいる。
両親は俺が魔力を持っている事には気づいているようだが、まさか剣を習いたいと言い出すと思わなかったのか、
少し驚きながらも受け入れてくれた。
翌日、早速両親が治める領地で騎士団長を務めるダリルが来てくれた。
「お父上から聞きましだが、アレン様も剣を収めたいとのことですが…私が聞き及んでる範囲ではアレン様には魔法の才がおありとの事ですが…?」
「まほうできてもさいきょうじゃないでしょ?」
ダリルが気になるのはこの世界の習慣というか一般的な流れとしての話だろう。
この世界では魔法か剣どちらかに才能を見せることが多い。
大抵はどちらかの片鱗が見えた時点でもう片方は才能なしとして捨てるものらしい。
確かに剣の才がある人は魔力がない場合が多いので魔法の道を諦めるのは分かる。
闘気というもので魔法もどきのようなことが出来るらしいが。
しかし、魔力があるなら当然魔法はできるだからと言って剣ができない訳がない。
むしろ、魔力を使えば剣を扱うことは出来るはずなのだ。
俺が思いつくだけでも、魔法剣や魔力による身体強化で剣を振るうなど思いつくのにこの世界の人間はやろうとしない。
ロマン溢れるこの世界でやらないなんてどうかしてるだろう。
「それはね、魔力を持つ人はほとんどが体力無いからだよ。まぁ、中には鍛えれば扱える人もいるんだけど気付かないのがほとんどだね。」
僕の頭上、ふわふわと浮かびながら神様が答えてくれる。
ステータスわかるならやれば良いのに。
魔法剣士をできる可能性を秘めてるから希少なのかと思ってたのに。
まぁ、この世界でいないのなら第一人者として思う存分暴れてやろう。
「アレン様もやはり最強には憧れるのですね!私も幼い頃に憧れて色々と挑戦した記憶がございます。」
「ダリルもなの?」
「そうですね、残念ながら私には魔法の才がなかったので剣士最強の剣聖へと憧れは変わっていきましたが。」
それはそうだな。
魔力に関しては器が生まれたときに決まってしまうらしいからね…。
その点、魔力ステータスの上限を限界までにしてくれた神様には感謝だな。
「アレン様も賢者を目指すことになるとは思いますが、護身レベル程度ならば出来るでしょうしやって損はないですな!」
俺の外見は線の細い三歳児だからな。
そういう考えになるのも仕方ないだろうな。
しかし、舐められちゃ困る。
生まれてから三年間、魔力制御などに時間を費やしてきたのだ。
身体強化を用いてならば成人したてくらいの人間ぐらいの動きなら出来る。
少し、ダリルの度肝を抜いてやろう。フフフ…
「まずは、剣を持ってみましょう。最初に剣の重さを知ってから目標を知ることが大事ですからね。」
ダリルは自分の腰についている一般的な片手長剣を外す。
いつもは大剣を振っているそうだが、今日は俺のために長剣にしてきたのだろう。
流石に俺もこの体では大人用は重い。
少し浮かせるだけで限界だった。
「も、持てるのですか!?この感じだと身体強化を使っているのでしょうか?」
「うん、してるけどおとなのはふれないみたい」
「持てる事がすごいのですが…これならば、学生用レベルなら振れるでしょうか?」
一緒にいた使用人に急いで用意させるダリル。
持ってきた剣は先程より一回り短い剣だった。
騎士からすれば物足りないくらいの長さだった。
うん、これくらいなら振り回しても大丈夫だな。
見よう見まねで訓練用の木の人形に袈裟斬りを振ってみるとあっさり切れる。
「ほ、本当に初めて剣を持つのですか?いきなり袈裟斬りが出来るとは…」
「でも、ちいさいきずしかできない」
「いやいや!?失礼ながら、三歳で、しかも魔法の才を見せている子供でそれが出来るのは今までみた事ございません!りょ、領主様に報告を…!」
急に慌ただしくなる。
俺としてはもう少し色々とやってやろうと思っていたのだが…。
どうやらこれ以上は、父さんが来るまでは待っていた方が良いみたいだ。
「ダリルよ、アレンが剣を扱えたと使用人から聞いたが本当か?アレンには魔力が宿っていたはずだが?」
「はい、私もそう認識していたので見間違いかと思ったのですが…そこの人形についている傷が現実だと…。」
「この切り傷をアレンが…。魔力を使って付けたのではなく剣で?」
「私の見解では身体強化はしていましたが、切り傷自体は剣で付けたものであります。」
厳密には身体強化や感覚強化も使って振るったので半分魔法のお陰であるのだが。
「それが出来る人間がいないのがこの世界なんだよねぇ…。もう少し、自分が規格外だと自覚して欲しい所なんだけどなぁ」
相変わらず、俺の頭上で浮かびながらぼやいている神様だった。




