ラスボスも教育材料ですッ!2
さっきから先生に講義をしていると言うのにぎゃあぎゃあと竜(仮)がうるさい。
この状態で力の差がわからないような雑魚が竜な訳が無い。
幼い頃に一度会った事のある竜はキチンと礼儀を弁えていたし話し合いもできて頭も切れるものだった。
それこそ人よりも上位の存在だ。
それがこんなものと一緒にされていては悲しいな…。
「とりあえず、魔術であいつを攻撃します。その後に魔法で黙らせるんできちんと見ていてくださいね?」
「分かった、分かったから、早くっ!!!!」
ワイバーンだと風属性は使えるだろうし耐性もあるだろうな。
あの見た目だと闇魔法にも耐性がありそうだけど滅多のことで闇魔法の耐性などつかないのにそこだけは気になるがまぁいいか。
僕の周囲に掌サイズの五つの術式を横一列に展開する
「まずは激流一穿」
展開された術式のうち一つが目の前で止まり、発動する。
魔術で生成された水がビームのように竜(仮)にぶつかるが押しとどめる程度で全く効いている様子がない。
しかし、やっぱり知能は低いみたいだな。
「次は紫電一閃」
紫電が竜(仮)にぶつかる。
気にせず突っ込んでこようとするがその前に受けていた水属性のせいで感電してしまう。
これで足止め第一段階だな。
「お次は地五月雨」
本来であればそこまで大きくはないが今回は大きめに作っているのでどちらかと言うと土槍の乱れ打ちに近いかもしれない。
まぁ、使ってる術式が同じだからいいか。
とりあえずそれでさらに身動きができないようにしていく。
「そんで火炎放射を起動しつつ…」
前に伸ばした左手の先に火炎放射の術式を待機しつつ、右手側で最後の術式を起動する。
「仕上げに風刃嵐を添えてと…」
即興の複合魔術を作り上げる。
割といい具合で合わさっているんじゃないだろうか?
今後この組み合わせも候補に入れておこう。
「とりあえず、術式はこんなもんですね…足止め程度が精一杯だなぁ」
「いや、そんな初級の組み合わせだけでどうやったら竜を足止め出来るんですか…」
先生が呆れているが、あくまでこれは足止め程度だ。
これからが本番なのにこれくらいで驚かれてしまっては終わらない気がする。
「せ、先生?これから魔法を使うんですよ…?いいですか?」
「あ、あぁそうかこれからが本番か…」
先ほどと比較しやすく魔力の塊を五つ浮遊させる。
さっきと同じ順番で使う事にしよう。
「まずは水属性から。先ほどは濡らす程度でしたけど魔法として使うと…水刃」
青色の魔力球か薄く広がった水の円盤が三つほど作られて高速回転を始める。
ぱっと見はただ浮いているだけかもしれないが、近づくと耳の奥に響いてくるような高音を聞き取れる。
触れようものなら切られたことすら分からずにその部分を失う事になるだろう。
未だに身動きが取れていない竜(仮)に狙いを定める。
「本来なら順番に放つべきなんですがここに雷属性を加えます。雷種」
紫色の魔力球が細かく分裂してそれぞれが時折紫電を迸らせながら円盤の中心に埋め込まれる。
中心に点ができた。
それだけで特にこれといった変化は見られないが、こいつが恐ろしいのは的に当たってからだからな。
とりあえず撃っとくか。
「まずはこの組み合わせで撃ち込みます。」
その一言で待機していた円盤が竜(仮)の翼を3枚下ろしのように食い込んでいく。
一枚だけは背中から体内に食い込ませた。
「あんな、紙のように切り裂いていくなんて…流石に最後まではいかないにしても凄まじすぎる…」
「あ、いや、わざと止めただけで本来なら一枚だけでも細切れにできますよ?」
余剰の魔力で作った小さい水刃を浮かべながら先生に見せる。
「ひっ…」
「それにあの複合魔法はこれからですよ」
ハテナマークを浮かべるの先生。
先生に対して振り返るようにしていた俺の後ろで咆哮と共に紫の光が瞬く。
「これがこいつの姿ですよ」




