大事件もフラグ回収の一つ
人(神?)知れず、魔族が動き出した頃。
地上ではアレンたちの実技試験の説明の真っ最中だった。
「よーし、お前ら!これから実技試験をやってくからさっき教えたグループに分かれて
各試験官に指示を待て!」
モブハゲ試験官の号令を聞いた受験生達が散らばり各々の担当してもらうところへ向かう。
が、しかし俺は動かなかった。というか動けなかった。
「何その指示…?」
周りを見ながら惚ける俺。
そう何を隠そう俺は自分の測定が終わった後は会場の隅で寝ていたからな!
さてどうしたものかと思っていると俺の袖を引く感触。
この会場で俺に関わってくるような奴いたか…?
少し疑問に思いながら振り返ると誰もいない。
「あれ?いじめ?」
「…いじめじゃ無いです…」
「声がするだと!?」
「アレンさんの方が意地悪ですよ…」
「俺の名前をどこで…!?」
すると、お腹辺りに軽い衝撃。
視線を落とすと昔ながらの木の杖が添えられていた。
その持ち主は俺の胸の高さに届いているかいないかくらいの少女。
「おぉ?迷子か?こんなところで何してるんだい?」
「あなたの試験官ですよ…」
「またまたぁ〜」
そんなまさかと思いつつモブハゲ試験官に目線をやると頷いている。
あいつ、魔力測定の時から俺に対してなんか期待しているかのような目線を送ってくるんだよな…?
「ちなみに、他の仲間は…」
「あなたのレベルについて来れる人がいなかったので必然的に私と二人です…」
「ハハハ…冗談がうまいですね……え、マジで?」
誰もつっこんでくれないので若干焦る。
この空気感…久々に感じるな…。
この、何言ってんだこいつ感。
神様にもう修行する事がないと言われたときに、まだ隠してるものがあるだろうと思って聞いたときにめちゃくちゃ白い目で見られたなぁ…。
だって魔法教えてくれる時も下級や中級をすっ飛ばして上級からだったし、最上級、極級、神級と続いてどんどん教えられたらそう感じるだろ!
…感じるよね?
「えっと…俺と先生のペアでどこのエリアの担当ですか?」
「攻略です」
「…ん?はい?コウリャクなんてエリアありましたっけ?」
「いやエリアではなくて、このダンジョンそのものを攻略するのが私たちの担当です」
あれ、噂によるとここってまだ未踏破のダンジョンのはずじゃないの?
最前線だって聞いてたけど聞き間違いかな?
「聞き間違いでも勘違いで手違いでも無いですからね」
「先読みされたぜ…幼女先生なのに…」
「だっだれが、幼女ですか!?」
ちょっと涙目になりながら抗議してくる。
おっとこれは触れちゃいけないものかフラグ以外では触れないようにするとしよう。
とりあえず、できる準備はしないとな。
「先に聞いておきたいんですけどいいですか?」
「なんでしょう?」
「なんで今までクリアされていないのか、攻略するからにはダンジョンボスを倒していいのか、あと…何が起きても俺には責任はない」
「なっ…!」
周りがざわつく。
大方、二つ目の質問に驚いているんだろうけど重要なのは最後だ。
これに気付けない時点でこいつら上に行く資格ないな。
「なるほどそう来ましたか…」
おぉ、幼女先生は気づいたみたいだ。
「一つずつ答えましょう。なんでクリアされていないのか。それは、単純にこのダンジョンが上級者にとっては美味しくないから嫌われているからです。そもそも、敵が強いのもありますが大きいのはどちらかと言えば報酬面でしょう。」
「なるほど、そこそこ難しいダンジョンなのに金にならないから来たくないのか…」
「そういう事です。次のダンジョンボスに関してですが攻略するならそこは構いません手前で帰ってきてもそれはそれで攻略ですからね」
「採点とかどうなるんですか?」
「ここだけの話、あなたはそもそも一次試験でおかしい数値を叩き出してるのでもすでに合格済みです」
お、そりゃよかった。
最後の問いに満足する答えが返ってくれば、全力で遊びに行くとしよう。
「最後についてですが…全部、上に投げましょう」
そう言うと、幼女先生は似合わない悪そうな笑みを浮かべた。




