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短編作品

三つ巴の最終決戦(最終話)

作者: 水樹 皓

――紙VSペンVS石……か! ククッ何とも面白い3者が残ったじゃあねぇかッ! 熱いぜッ!


「あっしは絶対に紙の姉さんが勝つって信じてるでやんす!!」

「セイセイセイッ! ユーが何をセイしても、マイブラザー・ペンがチャンピオンになるディスティニーなのサ!」

「……石。勝。必」


 今日この日のためだけに特設されたスペシャルリング。

 それを取り囲む観客席から、割れんばかりの声援と熱気が飛び交う。


 一方、リングの中央で睨みあう決勝進出者(ファイター)達は、試合開始のゴングが鳴るのを今か今かと待ちわびていた。


「ペンはん。御宅の家来、少々煩いどすえ?」

「フン。石の所みたいに静か過ぎるよりはましサ」

「……紙。珍☆妙」


 そして、三つ巴の最終決戦が……今、幕を開ける。


「先手必勝どすえっ!」


――真っ先に動いたのは紙だァ! 石を全方位から包み込もうと、その身体を目いっぱいに広げて襲い掛かる! 彼女は職人の手作業で作られた最上級の和紙だ! 動きも軽いぜッ!


「……甘。回☆避」


――おっと、しかァし! 石は華麗に転がり、紙の先制攻撃を難なく回避! 彼は川の上流から下流まで孤独な一人旅をしてきた石だ! そんじょそこらの石とは丸まり具合が桁違いだぜッ!


「フッ。ボクの事を忘れてもらっちゃあ困る――ゼッ!」


――クール・スマート・ペン! 紙の攻撃が空振りに終わるのを見計らっていたかの様に颯爽と登場だァ! 何と、彼はそのスマートな風貌の影に、切れ味抜群の刀身を隠し持つペン型ハサミだったッ! そのベールを脱ぎ去り、紙へと豪快に刺突を繰り出すッ!


「ふっ、ペンはん……甘いどすえっ!」


――しかししかししかァし! 紙は何とその身体を巧みに変化させ……こ、これは兜だァ! その見た目の豪華さとは裏腹に、僅か8工程で出来上がってしまうお手軽さが魅力的ッ! ペンの攻撃が届く前に身体を見事に作り替え、難なくガードしたァ!


「……今。必☆殺」


――ここでぇ! まさしく路傍の石の如く身を潜めていた石のローリング☆スマッシュ! 紙に弾かれ、地面に落下したペンの刃先を狙う! 小さいからと侮ることなかれ、彼の旅してきた川は日本で最も長い――そうッ信濃川だッ! 367キロメートルを転がってきた彼は、もはや回☆転マスター! 目を回して標的を見失う事等あり得ないのだッ! 


「この俺様に盾突く気カ! いいゼいいゼいいゼッ! しかし――フッ、僕は無敵サ」


――か、カバーだ! ペンがカバーを付けたァァ! うっかり無くしてしまう物ランキング上位に食い込むペンのカバーだが、彼はその身に紐と連結されているタイプだったァ! これなら絶対に無くさない! ありがとうッ!


「今度はこちらから行かせてもらう……ヨ!」


――カバーで刃を守り、見事石の攻撃を真正面から受けきったペン! 何と、そのまま果敢にも不利対面である石へと攻撃を仕掛けるようだァ!


「……(´-`*)」


――石は待つッ! 待つッッ! 待つッッッ! 有利対面であるペンを相手にして、もはや転がる必要すらないとばかりに、まるで石の様にジッと待つッ!


「わ、妾を無視するなっ!」


――おっとォ! ここで紙も突撃ッ! 仲間はずれで拗ねたのか、職人の手でプンスカ赤く染め上げられたァ! まさかのツンデレかァ!? 今ので読者の株がググッと上がったに違いないッ! もはや、勝負の行方は分からなくなってきたァ!!! どうなる、どうなるんだこの試合ァ!!!!!






紙VSペンVS石。この熱い勝負(あいこ)に終わりは……永遠に来ないだろう。


――俺達の戦いはこれからだァッ!

ご愛読ありがとうございました!

水樹皓先生の次回作にご期待ください!!

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