消えぬ君への追慕
時よ止まれ、汝は美しい
しかし時は止まることはなく
ただ無情にも流れ行くのみ
あの素晴らしく咲いた花
今は無惨にも枯れ果てて
嘗ての美しい姿の見る影もなし
また頑張って咲かせよう
どうせ種はあるだろう、と
君は軽く言うのだろうか
そうして種を植えたとて
同じく美しい花が咲くと
いったいどうして言えようか
私が恋したあの夢は
愛を知ったあの花は
今はどこにも存在せずに
心の中にしこりとなって
ただ静かに私を苦しめるのみ
その花が綺麗に咲いて
確かに私は幸せだった
しかし時が過ぎ去って
その幸せは牙をむく
知らない方が良かったろうか
育てぬ方が良かったろうか
花を失った花園は
ただ孤独に震えるのみ