トーストの町、チェンジで‼
ようやく人との会話が……これからはまともになると思います。
「さてと…何から聞いたものか」
目の前に座っている、この中で一番偉そうな人が、聞きたい事が一杯あります、という顔で呟いた。顔が怖い。
暫く考えていたようだが、長い沈黙後、漸く何を聞くか決まったみたいだ。
「どうして服を着ていない?」
先ずはそこかららしい。
「えっと、気が付いたら裸で寝てまして・・・」
「気が付いたら!?酔っ払って、門の外で寝ていたのか!?」
(なんか、高圧的だな)
「まぁ、そうですね、でも酔っ払ってでは無いです」
「誰かに襲われて、身ぐるみ剥がされたのか!?」
(ひぃ~怖い)
「ぃ…いえ、襲われて無いです、気が付いたら本当に、裸で森の中に居たんです」
ぎろりと周りに目配せする偉そうな人。
「では・・・そう言うことにしておこう。それでは何の用が有って、この町に来たんだ!?」
「えっと・・・その、えーっと「うだうだと面倒だな‼ハッキリ喋らんか!」
(アカン、めっちゃ苦手やこの人)
「そ、そ、その森で迷ってまして!助けを求めに!」
「なる程・・・っで!お前の名前は!?」
「日野翔と言います」
「ヒノ・カケルか」
「名前は言えるらしいな!で!何処の町の出身だ!?」
「町・・・ですか?わかりません、ここら辺では無いのは間違いないです」
「はぁ・・・何処の町かも分からんのか!?」
そのまま黙ってしまい、また何かを考えている偉そうな人が暫くして。
「何が有ったかは知らんが、そんな格好で町を出歩かれても困るし・・・臭い。とっととコイツに身体を洗わせて、何か着せてやれ!話はそれからだ!」
そう言うと、偉そうな人は、部屋を出て行った。
「おい!カケルとか言ったな?命令だついてこい!」
後ろに立っていた兵隊さんが、付いて来いと言い、部屋から出て行くので、その兵隊さんに付いていった。
案内されたのは、風呂場の様な場所だった。
石鹸らしき物や入浴道具があるので、間違っては無いと思う。
そこで、身体も洗い、ボロいけど服も貰って着た。
久しぶりに身体を洗えてサッパリとした気分だ。
ただ、久々のお風呂は冷たかったとだけ言っておこう。
それから、さっきと同じ部屋へ連れてこられて、まだ調べる事が有ると言われたので、待っている状態だ。
(腹減ったな~、昨日から何も食べてないや)
とか色々考えていたら扉が開き、さっきの高圧的な偉そうな人とは違う、別の人が入ってきた。
高圧的な人とは違い、何かモテモテオーラが出ていそうな、眼鏡のイケメンだ。
「では、色々と聞きたい事が有りますので、今からする質問に、答えて頂けますか?」
向かいの椅子に座り、ハニカミながら聞いてきたイケメンの笑顔がとても眩しい。然り気無く、眼鏡をクイっとする格好が、かっこ良く見える。
(優しそうな人やぁ)
「えっと…はい!」
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ、何点か確認をとるだけですので」
それからは、眼鏡のイケメンスマイルのお陰も有ってか、緊張も溶け色々質問に答えていった。
聞かれた内容は、森のどの辺りから、何日かけて、どうやって森から抜けてきたか等の質問と、常識的な簡単な質問だけだった。
「では、最後にどの町にも登録されていないようなので、こちらの水晶板に触れていただけますか?」
「これは?」
「この町の来訪者リストに登録するための物です、何も心配は要りませんよ」
そう聞いて安心したので、触れてみると。
ー水晶板情報ー
登録場所:トースト
登録者:カケル ヒノ
年齢:21
職業:無し
ー以上ー
っと水晶板に情報が浮かび上がってきた。
(凄いやっぱ異世界だ!)
これには本当に驚いた、触れるだけで情報が登録されるとか、ファンタジー小説で読んだ物語みたいだ。
「さて、これで手続きは終了です。行く宛が無いと隊長から聞いていますので、今日の所は、場所は悪いですが、此処に泊まっていって下さい」
(屋根つきの、安全な所で寝れるのなんて久しぶりだ!何処でも良いよ!隊長?あの上司っぽい人かな?怖い人だと思ってゴメン!顔と喋り方は怖いけど)
その後、簡単な食事を頂くことになった。
硬めのパンと野菜のスープ、それにハム・・・。
肉です、肉ですよ!この世界に来て初めて食べる、まともな食事に思わず泣いてしまった。
食事も終わり、寝れる場所に連れていって貰うと牢屋だった。空いている場所が無いということで、一時的に犯罪者を入れておくための牢屋に、野営用の寝具を借りて寝ることになりました。
(ごっつぅええ所やzzZZ)
読んでいただきありがとう‼
名前が出てきたので次からは名前で行きます
次は町に入れそうです
屋根つき食事付き(牢屋)に泊まれて嬉しいカケル感動して泣いていたとかw
装備更新
:ボロい服(隊長のお下がり、ブカブカ)
:皮の靴(後ろにいた兵隊が捨てる所だった)
:ズボン(眼鏡のイケメンがくれた)