此処どこ?小さな住民
まだまだ森で迷子しています
あまり眠れなかった…すげーダルい
一晩中あんな声が響いてたら怖くて寝れないやん。
もう、勘弁してほしい(泣)
「あ"ぁ~だる~」
「ねみ"ぃ~」
溢れてくる不満が口からこぼれる
昨日は1日森をさまよって、夜は変な鳴き声が怖くて全然寝れなくて、疲れが全然とれなかった。
「これ、無事に森から出られるのか?」
また、不安や不満がこぼれる
ちょくちょく、リンゴ擬きを見かけるので食べるには困らないだろうが、俺が食べた以外にも食べ終わった芯が落ちているので生き物が居るのはわかるが、それが昨日の夜の鳴き声の主かと想像するだけで、身体が震えてくる。
それから宛てもなく移動していると、新しい何かを埋めた様な跡と人の足跡を見つけた。
これは、人の足跡だけどこっちは何の足跡だ?それに…所々に更に大きな足跡まで有るし……
やっと見つけた人?の形跡なので辺りを調べて見ると、力任せにへし折られた木や、何かが乾いた跡、大型の獣の足跡や爪痕が辺りに見つけられた。
獣と争ったのか?
素人が見てもそんな感じに思える様な跡だった
木を折るような獣は気がかりだけど、人?の形跡を見つけたのは良かった、足跡を見つけただけでも、人が居た後を見つけたことで不安が減り、これをたどっていけば助かるかも知れないと思えるだけでも活力が沸き上がる
気を直して、新たに歩き始めて数時間、
近くで例の鳴き声が聞こえた……それとガサガサと草を分けながらどんどん近付いてきている音が聞こえる。
「ギャッギャ」
「ギーギー」
夜に聞こえてた声だ!
近くで複数の声が聞こえるので、複数居るのは確かで、声を聞く限りまともに話せそうもないし意思の疎通も難しそうに思える。
それに声がめっちゃ醜悪で野蛮だ
これが、さっき見つけた足跡の正体で無いことを祈りたい。
隠れて過ごそうと近くの茂みに移動しようとするが、遅かったらしく………
現れたのは、ボロ布を着ていて、こん棒を持った、緑の肌をした醜悪な小人三人組だった。
「ギ?」
「ギーぃ?」
「ぎギャギャ!」
小人も気付いて無かったのか最初は驚いていたが、俺が1人でビビっていると分かると、見つけた獲物を逃がさない様に取り囲むように移動してきた。
(ヤバイ…コイツらの晩御飯になるのは嫌だぞ)
初めての敵意に身体が硬直し変な汗が出る
少しづつ小人も自分を逃がさないように包囲を狭めて来ている
(どうやって逃げる……っぐ!!)
焦って考えている内に、後ろに回り込んできた小人が一人殴りかかって来たらしい。
幸い身長差が有ったので、頭は殴られ無かったがよろめいてしまい、残りの二人も襲い掛かってくる
(・・・死・・・)
一瞬そんなことを思ったが、
何とか転がって避けることが出来た。
転がりながらも何とか体勢を直して
「くっそ!ヤられっぱなしもムカつくんだよ!」
叫びながら小人の頭を思いっきり殴った。
「ギィーーーー!」
運よく上手く当たり、威力も有ったらしく
小人の一人が頭から血を吹き出させながら倒れていく、それを見た小人は、思わぬ反撃に驚き少し後ずさっていく
一撃で倒せて少し心に余裕が出来たので構え直して次の相手に構える
「ぎゃーぎゃ?」
「ギィギィギィ!」
二人の小人は何かを言い合ってるが、そんなに隙だらけだったら狙いたい放題なので、もう一匹の頭を狙って横から殴りつけた。
バギ!っという音と共に小人が吹き飛び、もう一匹の小人がしまった!みたいな顔をして逃げ出そうとしたので、後ろから頭を殴り付けて絶命させた。
「はぁはぁはぁ……勝った?」
死ぬかと思ったけど何とかなるもんやな、この小人ってゲームに良く出てくるゴブリンかな?ゲームのより凶悪そうな顔してるけど……
それよりも、今はゴブリン?が着ていたぼろ布が着れないか試すほうが先だ、ゴブリンより貧相な格好してたみたいでこの格好が恥ずかしい。
試しに一番大きなゴブリン?の服を脱がせて着てみるが、かなり小さくて、滅茶苦茶痒くなったので着るのは諦めることにした。
そして、残るゴブリン?の死体を見ると久々に生でも新鮮な肉だから食ってみたい衝動と食べると危険!本能が警報を鳴らすのでで少しの間、考えていたが食べないことにした。
「肉でも人みたいなの食いたくもないしな・・・」
考え終わって、興奮が落ちついてくると初めて命を奪った時の生々しい感触と罪悪感が来て、少し埋めようか悩んだが襲い掛かって来たのは向こうなんだしと理由を付けて、そのまま放置して人の足跡が向かった方向に移動を再開した。
読んでいただきありがとう‼
原住民かもしれない小人を殺して放置するなんて、なんて鬼畜な主人公なんだかw