トーストの町、大家族ゴブ次郎一家、殺ゴブ事件!後編!
こんにちわ‼
一般的なゴブリン一家のゴブ次郎一家と、カケルの勝負です
「ぐぎゃ!」
「ぎゅぎゅぎゅ」
入り口の方からかなりの数のゴブリンの鳴き声が聞こえてきた。脱出は不可能で、こっちは戦えるのが俺だけ、せめてもの救いはここの入り口が狭くて人が一人が通れる位しかなくて、抜けられ無かったら囲まれる心配が無いこと、裏を返せば槍が殆ど振れない。
(逃げる場所も無いし…負ける事は許されない!)
戦う覚悟を決めて武器を構える、後ろを見ると一人で戦っても勝てるわけが無いと絶望した人達がいる。
(絶対!生きて帰ってやる!)
さっき出会った人達だけど、守るものが有るだけで何時は怖がりな俺でも恐がる事無く戦える気がする
何匹かのゴブリンが楽しもうと来たみたいで、数匹分の足跡が近づいて来る。
外には大量のゴブリンが聞こえるので、今来たゴブリンだけでは無いのは分かってるから正面から待ち受ける事にする。
「ギュゲゲゲ」
今から女をいたぶるのが楽しみなのか、何時もより下品な声で話ながら来るゴブリンの姿を見つけた瞬間に
「りゃぁぁ!」
と声を上げながら突きを放つ。自分達の棲みかに襲撃者が居ると思わなかったゴブリンが間抜けな声を出しながら倒れる、後ろのゴブリンもビックリして動けていない隙に連続で見えていた2匹を突いて後ろのゴブリンに備える
5匹来ていた内の1匹を不意打ちで刺し殺し、直ぐに残りの2匹も倒して残り2匹!1匹が仲間を呼ぼうと叫び、もう1匹が素手で飛びかかってくる
槍と素手ではリーチ自体が違いすぎるので、刺し殺して仲間を呼んでいるゴブリンの首を手首のスナップを効かせて振った槍で切り裂く
足元に転がっているゴブリンを入り口に重ねて、入りにくい様に壁がわりにすると同時に大量のゴブリンが来た。
最初に来た大型のゴブリンが俺の足元で重なっているゴブリンを見ると、怨みの籠った目で睨み付けてきて叫びながら突撃してきた。
「グガーー!」
叫びながら間合いが近づいてくる、大型ゴブリンの体格だとこっちが負けるので石突きを地面に当てて斜めに構えて衝撃に備える
自分の体重と突進の威力で槍に刺さりに来る形になった大型ゴブリンは虚しく胸を刺されて絶命した
それを見ていたゴブリンは、更に怨みを込めた目で狭い通路に身体を削られながらも必死に攻撃しようと、こん棒を振り上げて次々に突撃してくるようになった。
どれだけ時間が経ったかは分からないが、ゴブリン達も自分の棲みかで良いように仲間を殺されて退くに退けないのか、仲間の死体を回収しては突撃してを繰り返してくる。
今もゴブリンが死体を回収しているので、少し隙が有る時に槍の状態を確認してみる。ゴブリンの血がベッタリと付いて、刃の部分は殆ど刃零れしてまともに斬るのは期待出来そうもない
(あぁくそ!どんだけ居るんだよ軽く30以上は倒した筈だぞ!)
疲れも出てきて肩で息をしているのがゴブリンにも分かったのか、ゴブリンの方が勢いが強くなっている気がする
「ギャギャギャ」
「ギェギェ」
「ギョガーー!」
弱ってきていると判断したのか、ゴブリン達がさっきまでと違い、一気に襲いかかろうと10匹位で突撃してきた。先頭の一匹の胸を突き破り、次の標的に狙おうとするが近すぎて突けないので頭を殴るが疲れで勢いが弱いのか倒しきれていないが気絶はしたはず、次のゴブリンが眼前に迫ってきていたので槍を回転させて石突きで股間を強打する、強打されたゴブリンを蹴り飛ばして後ろの一匹を転がすが、そこでゴブリンに横から飛びかかられて押されてしまいゴブリンが安全地帯に入って来てしまった。
(チクショウ、ここまできて殺られてたまるか)
急いでゴブリンを引き剥がして、牢屋の入口までダッシュで下がる、入口と違ってそれなりのスペースがあるので槍を振り回せるが、まだ残っていた8匹のゴブリンが半円状に取り囲むように迫ってきている。
これ以上ゴブリンが増えたら今でも勝てるか分からない、それが絶望という現実に変わる前に一番端のゴブリンに向かって突撃する、こん棒で弾かれるが運良く肩に刺さったので、抜く反動を使って横殴りに頭を殴り、その流れで隣のゴブリンを下から掬い上げるように腹を縦に無理やり切り裂く
(クソ!クソクソクソ!死にたくない)
後ろから殴り付けてくるのを無視して、振り向きながら後ろのゴブリンを叩き斬る
「殺られて、たまるかー!」
叫び!気合いをいれて、全力で横に凪ぎ払い二匹を吹き飛ばす、残り3匹が一瞬怯んだ所を連続で突き殺し、吹き飛ばした2匹に止めをさす。
急いで、まだ気を失っているゴブリンと股間を強打して悶絶しているゴブリンを倒す。
これで一端ゴブリンの波が収まったみたいで、後から来るゴブリンに備えて入口で警戒することにした。
「ハァ、ハァ、ハァ、まだ来るか?」
暫く待ってもゴブリンが来ないので、入り口の方へ行ってみることにした、入り口の方にはゴブリンが運んだ死体が並べられていて、他にゴブリンの姿は見つけられなかった。
「全部、やったのか?」
物音がしなくなった洞窟の入口でようやく生き残れたのを実感した。
読んでいただきありがとう‼
次回は解決編ですw
戦闘描写を書くときにイメージ通りに動けるか、実際に試してみたら結構簡単に動けたのでそのまんま書いてみました。
ーとある一家の終わりー
「父ちゃん!助けて!」
「ん?ゴブ士郎帰ってきてしまったのか?」
「違うよ!川で人間に襲われて兄ちゃん達が!」
「何だと!……息子達がピンチだ!全員行くぞー!」
「「「「おーー!」」」」
………
「くそ!自慢の息子達がもう二人しかいない?」
「あ、ああ兄ちゃん、おりらの為に…」
「やっちまえーー!仇討ちだ!」
「「「おう!!!」」」
「アイツ、家の猛者のゴブ時さんを撒いて森に逃げ込みやがった」
「探せ!ネズミ一匹逃がすな!相手は1匹だ!」
…………
「仇が討てなかった、腹いせに女で遊ぶか」
「アニキのいいですね~最近入った手付かずのがまだ何匹か居たはずですぜ」
「そりゃいい"?…」
「アニキ!?」
「あ、あ、こんな所に居やがった」
「敵襲!さっきの人間が居やがギャーーー!」
「大丈夫か?、くそ!息子たちに続いて弟までも」
「父ちゃん!やってしまえー」
「任せろ!家族たちよ!うぉぉぉお!…ごふ!」
「「「親父ーーー!」」」
「家、族たち、よ、後、はたの、ん、」
「どれだけ犠牲が出ようが、あの人間だけは生かして返すな!家族の誇りの為に!」
「「「家族の誇りの為に!」」」
…………
「俺たちで最後になっちまったが、あの人間は疲れている、全員で特攻して止めを、仇をとるぞ!」
「「「我らが家族にかけて!」」」
「うぉぉぉ!ゲッハァ!」
「すまん!ゴブ時さん」
「ギャフュ!」
「あぁ、、ご隠居」
「うっぉぉぉ!」
「クソ!まだ力を残してたのか…小汚い人間め!」
「ダメだ!殺られる」
「ひぃ、グゥ……」
………fin………