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目覚めたら全裸で森でした  作者: マッタ・LI
これが俺の新生活
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トースト町、ゼリーと泥沼

こんにちわ、来てくれてありがとう


今回は訓練回です、初めての戦闘があります。「最強の力を持ったカケルはどう戦うのか」(棒読み)

あの後、エイリスのパーティーメンバーと合流して俺の歓迎会を開いてくれた。

冒険者登録の事件が話題になったときは、笑われて恥ずかしかった、笑いのネタになっているらしい。

エイリスのパーティーは聖明の星というパーティー名で活動しているらしい、回復師のエイリス、剣士のダレン、魔法使いのリケット、斥候のノイという4人だ、年はエイリスと同じくらいで若く地球でいう高校生位に見える。

皆、気さくな人達で直ぐに仲良くなれた、慣れてきたら一緒に近場に狩りに行く約束もした。


そして次の日、帰る時にウェーグさんが、五の鐘がなった頃にロビーで待ち合わせということで、早めに起きたので鐘がなった時から待っている。


この世界では、日時計が使われていて、一日に12回、約2時間毎に鐘がなり、時計の12時を始点として1回毎に鐘を打つ回数が増えて、12時の所でまた一回とリセットされる仕組みらしい。

なので今は大体、朝の8時頃になる


「おう、おはよう!よう眠れたか?」


そんな事を言いながらウェーグさんがやって来た朝から相変わらず元気な人だ


「おはようございます、久々にベットで寝れたので快調です」


「ハハハ!そうか、そうか、朝飯食ってから稽古を付けちゃるから、ほれ!いくぞぃ」


「はい!」


昨日、歓迎会を開いてくれた酒場で朝食を食べる事になった、他にも冒険者風の人もけっこう居るので、ここで朝食を食べるのが冒険者の日常のようだ。


朝はセルフサービスになっていて、トレイに好きな物を乗せていくシステムになっている、値段も銅貨5枚と激安らしい


俺は、クルミのパンとベーコンエッグ、野菜スープを選んだ、ウェーグさんは雑穀のお粥、パン数個、野菜の炒め、目玉焼き、野菜スープ、ハムを山盛りにして持ってきた。朝からどんだけ食べるつもりだ!


それからウェーグさんは同じものをお代わりしてから町の外へ向かう事になった。

依頼へ向かう者、外の農場へ向かう者等がゾロゾロと門へ向かって歩いていく。


「よう!カケルか、腕は治ったみたいだな」


門の所でハインツさんと会った、今日は門番をしているらしい。


「置いていくなんてヒドイですよ、焦ったんですから」


「わりぃわりぃ、余りにも恥ずかしくてな」


冗談混じりで言っているのが何と無く伝わってくる、朝から酒場でもロビーでも「あ、昨日のブッスシ野郎だ」とか「間抜けな新人発見……」とか言われて恥ずかしかったのに……


会話はそこそこにギルドカードを見せて出発した


来た時は周りを全く見ていなかったが、門を出て直ぐに農地が広がり、その周りを木の柵で囲って有る、その向こうからは街道と草原が続いている。


「しばらく歩行っとたら、スライムなんぞが居るじゃろうし、そこまで行くぞぃ」


「え、はい!」


一時間、程の歩いた頃だろうか、ウェーグさんが町に来る時に見かけた、謎生物を指差していた


「あれがスライムじゃ」


「へぇーあれがスライムなんですね」


「スライムも知らんかったのか?」


「はい、町に来るときにも見かけたんですが、何か分からず避けてました」


「ハハハ!スライムも知らんか、強い癖に本当に何も知らんのじゃの」


「えぇ、まぁ」


「この辺りのスライムはな脆いんじゃよ、農家の親父でも倒せる位じゃな」


「危ない事、無さそうですね」


「そうじゃな、身体が溶解液で出来ておるから直接触れなければ何ともないわ、倒すにはコアを潰してやれば一発じゃ」


そう言いうとウェーグさんがスライムに近寄って行き草でも切り払うかのようにスライムを切った。

するとスライムがビクッ!と一瞬膨らんでから、溶けるように消えていった。


「本当に一発ですね」


「そりゃ、スライムじゃしのぉ、彼処にも居るしカケルもやってみるとええ、コアは持って来るんじゃぞ」


「はい!」


(あんなに簡単そうなら、迂回せずに倒してこれば良かった)


ウェーグさんから剣を借りて、スライムと対峙する、青いゼリーの中にゆっくり動き回る野球ボール位のコアが見える。


思いきって、縦に切りつけてみるが弾力があり少し軌道が逸れて、外してしまった。

するとスライムが此方に気づいたみたいで、俺の方へゼリーのような身体の一部を意外と早いスピード伸ばしてきた。

咄嗟の事だったので思わず腕で受けてしまい、スライムの身体に触れた所が〈ジュウ!〉という溶けるような音がして熱くなった。


(痛い!痛い!溶けてるのか?)


直ぐに飛び退いて、熱くなった腕を見ると赤く爛れている。


(簡単そうに見えたけど、強いじゃん!)


もたもたしている内に、どんどんこっちへ近付いて来るスライムはコアを後ろにして、ウネウネと触手の様に何本も伸ばした身体で近寄ってくる。


(すいませんでした!スライムさん!調子乗ってました!)


そう思いながらも、触手を何回も切り落としていくが、スライムもその度に新しい触手を生やし、必死に触手を動かして此方にダメージを与えようとウネウネする。


切った触手から跳ねた溶解液や、たまに避け損ねて触手が当たるので身体中が焼けるように熱い!身体全体が火傷したように感じるが、自分の身体を見ている余裕は無くて俺も必死に斬りかかる。

どれだけ切っただろう、次第に体積が減ってきて、小さくなってきたスライムが逃げようと逆の方へ動き始めた。


(よし!今だ!)

すかさず距離を詰めて、残り少ないゼリーの中にあるコアを目掛けて剣を振りおろす。

コアを切る硬い感触と共に、ビクッ!と膨らんだスライムが溶けて消えた。


「ハァハァハァ、、やりました、倒しましたよ!」


「ハハハ!ようやった!中々の激戦じゃったの」


赤く爛れた傷口に薬をかけてもらい治して貰ってから、改めてスライムを倒すコツなどを聞いた。それから昼頃まで聞いた事を復習するために数匹のスライムを倒した。

異世界の薬は効き目抜群だ。


お昼ご飯はウェーグさんが持ってきた、サンドイッチと水を頂き、昼からは魔力の使い方を教えて貰えることになった。


「まずわの、身体の中にある魔力を感じるため魔力を動かす様にイメージしながら、集中するんじゃ」


(えっと、あの時と一緒かな?)


目を閉じて、身体のなかにある、前は無かったものを感じようと集中する、すると前の様に何かを直ぐに感じるようになった。


「あの、何か感じます!」


「それじゃぁ、そいつを掌の方へ動かしてみんしゃい」


意識して動かそうとすると難しい、身体の芯から中々の動か無いのだ、前は感じたまま動いたからあんなに飛べたけど、あの後上手くいかなかった。


しばらく、粘り続けると徐々にだが、魔力と思われる物が掌へと少しずつ動き始めた。しかし手首の辺りまで来たときに(もう少しだ!)と思って集中が途切れてしまい、魔力と思われる物が散ってしまった。


「ハァハァ、手首の辺りまでは来たような気がしたんですが、そこで集中が切れてしまいました」


「最初でそこまで行けたなら大したもんじゃ、慣れるまでが大変なんじゃ」


それから、体感で2時間位たった時にようやく、掌まで動かせる様になった。


「あ…あの……きま……し…た……」


「お!そうか、そいじゃぁ、火をイメージして出すようにしてみんしゃい」


「……………」


(火をイメージ………指先からライターみたいに…)


すると、ポ!という音と共に指先からライターの様な火が灯ったが、(出来た!)と思った瞬間、火が消えてしまった。


「中々のものじゃの、本当は子供の頃に何ヵ月もかけて、ゆっくり覚えて行くものじゃし、一日でできるようなもんじゃ無いんじゃが、カケルは意外と早く使える様になるじゃろうな」


「ハァハァ、そうですか、がんばります」


「ハハハ!それで良いんじゃ、今日はこのくらいにして、町に戻るかのぉ」


それから少し休憩してから、町へ帰った。

読んでいただきありがとう‼


情報更新


スライム(草原に現れる個体):個体によるサイズの違いが大きい、数十センチの個体から数メートルの個体まで様々。基本的に大人しくゆっくり活動しているが、攻撃された場合、外敵から身を守るために多数の触手を伸ばし攻撃する。農地へ侵入して作物を荒らすため領地からギルドへ、常設依頼として駆除の依頼をしている。


聖明の星:エイリス、ダレン、リケット、ノイの新人4人パーティーで、バランスも良く人当たりの良いパーティーなので、周囲から期待されている。

特に回復師のエイリスの回復魔法が強力な為、少し強力な敵でもゴリ押しで倒せてしまう。

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