トーストの町、カード
ギルドへ登録完了するところです。
人物も色々でてきて賑やかになるといいんですが
ハインツが帰るのを見届けたウェーグとエイリスは、カケルを空き部屋に寝かせ、汚れてしまったカウンターを掃除しながら、これからどうするか話し合っていた。
「部屋はあそこを使わせるとしてじゃ、誰か面倒を見れそうな奴は居らんかったか?」
「そうですね、面倒を見るとなると私達のパーティーでは厳しいかもしれません」
「新人同士で組ませようにも、なかなかおらんしのぉ」
「まずは、生活に慣れて貰ってからではどうですか?遭難してたみたいですし…常識も無さそうなので……」
と、申し訳なさそうにエイリスは言った
「それもそうじゃな、思いっきり!いきよったしのぉガハハハハ」
つられてエイリスも笑ってしまう
「フフフ、もうウェーグさんヒドイですよ」
そういう感じに二人は話し合っていた頃、カケルが目を覚ました
(此処どこ?)
タンスのような物とベット、木で出来た窓があるだけの見慣れない部屋のベットで寝かされていたので自分がどうなったか理解できない。体にも異常は無いので順を追って思い出してみることにした。
(たしか…冒険者ギルドに行ったら筋肉がやって来てナイフでグサッ!って)
腕の事を思いだし慌てて確かめてみるが、何も無かったかのように綺麗に治っている
「おかしいな?確か…ここに刺さってたはずなんだけど魔法ってやつかな?」
部屋から出ようと立ち上がろうとした時、ドアが開いて筋肉が入ってきた。
「げ!筋肉!」
咄嗟に身構えてしまう
「ハハハ!目が覚めたか、腕は大丈夫か?と聞こうと思ったが、その調子じゃ大丈夫そうじゃの」
「えっと、お陰さまで」
「それとじゃな、ワシは筋肉じゃなくてウェーグじゃからの」
「すいません」
「良いってことよ」
さっきから此処が何処だか分からないから不安なので聞いてみる
「あの、すみません…ここは何処ですか?」
「ここは、ギルドの二階にある寄宿舎じゃよ」
知らない所じゃなくて少し安心できた
「それで…ハインツさんは何処にいますか?」
「あやつなら帰りよったぞ、ギルドでお前さんの面倒をみることにしたから頑張るんじゃぞ」
(え!?置いてかれたの?ギルドで面倒を見るってここに住むって事?)
「えっと、ここに居ても良いって事ですか?」
「あぁ、この部屋を使うとええぞ、食事は裏にあるギルドの酒場で食べるんじゃが、有料じゃから後でつれていってやる…金無いじゃろ?」
「お願いします」
「そいじゃぁ、下にお前さんを治してくれた嬢ちゃんを待たせてあるから、嬢ちゃんの仲間も一緒に歓迎パーティーといこうかのぉハハハ!」
筋…じゃなくてウェーグさんと下に降りて、俺を治してくれた人に会う事となった。
降りたところを見つけたらしく一人の少女が走ってくる
薄い金髪で活発そうなショートヘアー、身長は低めの女の子
「あ!目が覚めたんですね、腕の方は大丈夫ですか?」
「大丈夫です、治して頂きありがとうございます」
「ちゃんと治って良かったです、私はエイリスといいます宜しくお願いします!」
「あっと、すいません…日野 翔といいます」
「ハハハ!自己紹介も終わったみたいじゃの、
エイリスよ、お前さん所の仲間を呼んで来るとえぇカケルにカードを渡したら裏の酒場で歓迎パーティーじゃ!」
「ヤッター!ご馳走になります、それでは行ってきますね」
そう言って手を振りながら駆けていく後ろ姿を見ていていると、元気一杯だなって思える
「では、こっちに来て貰えるかの?」
そう言われ、奥の部屋へと付いていった。
部屋の中は、真ん中に高そうなテーブルが有り
両側にフカフカのソファーが置いてある。
調度品も飾られていて、重要な話や依頼をするような場所だとわかる。
何故カウンターじゃ無くて、わざわざ個室なんだろう?とキョロキョロしていると、ウェーグさんが真剣な顔でこっちを見ていた。
「これが、お主の冒険者カードじゃ」
そう言って出してきたのは、鉄で出来たようなトランプ位のカードで、名前と登録したギルド、ランクが書いてあった。
「それに魔力を通してみい」
「魔力ですか?」
「そうじゃ魔力じゃ」
「魔力ってなんですか?」
「魔力は魔力じゃ!」
「すいません、魔力の使い方が分からないです」
「なんじゃと!?お主の魔力は……」
何かを言いかけた後、ウェーグさんが人差し指を出してきて一言
「ライト!」
そう言った瞬間、ウェーグさんの指から光の玉が出てきた。
「凄い!明るいですね!これが魔力ですか!?」
「これは光を灯す魔法じゃ、子供でもできるぞ?」
「初めてみました!皆使えるなんてすごいや!」
(皆使えるなら俺も使えるのかな!?教えて貰えないかな!?)
「仕方がない、明日、教えてやるからカードを貸してみぃ」
「ホントですか!?絶対ですよ!」
(っしゃーー!キタ!)
「わかった、わかった、それでじゃな魔力を込めるとカードの持ち主の情報が見れるんじゃよ、こういう風にな」
ーカード情報ー
名前 日野 翔
種族 ハイ・ヒューマー
レベル 100
魔力値 999
評価 見評価
ーーーーーーーー
(凄い!ゲームみたいだ!レベルはゲームと一緒だ!魔力値は999ってなんだよ!攻撃力とかはゲームみたいに表示されないんだな)
カードから浮かび上がるように表示された情報を見て興奮してしまう、ゲームや小説みたいに攻撃力とか防御力とかあったら面白かったのに、そこは残念だけどこういう風に見れるだけでも楽しくなってくる。
「こういうもんじゃ、わかったか?」
「はい!」
「所でじゃ、お前さんの種族も初めてみるが、それ以上にレベルと魔力値が異常じゃ」
「異常といいますと?」
「レベルは一般の大人で5~良くても10じゃ、冒険者でも一般的なやつじゃと15じゃ」
「大変低いですね……」
「ワシ等みたいな上級者で25じゃな最高でも30じゃった」
「はぁ」
「魔力値の方はじゃな一般の大人で平均が50、魔法の専門家でもよくて200じゃ……これの意味がわかるの?」
「えっと、強すぎる?」
「そういう事じゃな」
「何か問題があるんですか?」
「そうじゃな、これが広まったら利用されるか殺されるかじゃな」
「こんなに強いのにですか?」
「そうじゃの、簡単に殺されるじゃろうな」
「そんなー!死にたくないです!」
「じゃろうから、生活に慣れるまでここに居るとええし、身の守りかたも、魔力の使い方も教えてやるから安心するとええ」
「よろしくお願いします」
「さてと、こんな話は終わりにして飯でも食って寝るとするかのぉ、あやつ等も来とる頃じゃろハハハ!」
話は終わり、ギルドのロビーへ出ると、エイリスと他の3人が居たので、歓迎会へ行くことにした
心配は残るが、俺一人じゃどうにもならないので、ウェーグさんから色々教えて貰って、それからどうするか考えなきゃな
読んでいただきありがとう‼
ギルド登録編終了です
次回からは、ウェーグ先生に色々教えて貰おうと思います。カケルが寝坊しなかったらw
最強の力を持っていても簡単に殺されちゃう世界って何か理不尽ですね
情報更新
ギルドカード:門の所で使われてい物よりも正確に情報がわかるようになっている、カケルの魔力値が999と表示されていたのは、そこまでしか想定されて無かった為であるが、実際はそれ以上に有ると想定される。過去歴史上で記録された最高値は600台であり勇者となった者が全盛期に出した記録である
魔力値:この世界では攻撃力、防御力などは存在せず。生活や戦闘行為を行うのに魔力値と体力が消費される。結果、魔力値を多く使える者は岩をも砕く力を持ち、どの様な攻撃にも耐えうる壁になりえる。人により魔力値が扱いやすい方向に偏りが有り、魔法に使う者は魔法へ魔力値を使いやすくなり、剣を使う者は身体へと使いやすくなる
(例エイリス)回復魔法を使い続けているので癒しの魔法は得意だが攻撃魔法は苦手、活発な性格で良く動くので身体能力は高い
(例ウェーグ)自慢の体を生かしての近接戦闘が得意だが、魔法は得意ではない。面倒見が良い性格なので魔力値を分け与え味方を強化することができる
魔力値を使っていない状態だと、元の身体能力しか発揮できないので地球の人間と大体同じである