トーストの町、ブシャーー!
こんにちは、冒険者登録はちゃんとできるんでしょうか?
ちょ、、!おま!って所から始まります
「お!おぬし!……」
グサッ!!
「へ………?」
何故か長く感じる時間………
腕がとても熱く感じる………
ウェーグさんを見ていた視線を恐る恐る、熱くなっている自分の腕へ向ける
腕を貫通しているナイフ、流れ落ちる血液
「へ……あ"……ぎょ……ぎょあ"ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
いきなりの事に新人担当をしていて登録は慣れている、ベテランのウェーグも固まってしまっていたが、叫びに呼び起こされる様に、ハ!っとして我に帰った。
「落ち着くんじゃカケル!」
叫び続けるカケルを落ち着かせようとするが、パニックになってしまったカケルには聞こえていないようだ。
何事かと思い集まってくる他の冒険者達。
荒行事にも慣れてはいるが、まさかベテランとして有名なウェーグさんの目の前で自分の腕にナイフを突き刺すバカが居るとは思わず呆れてしまう。
「おい!お主らの中に中級以上の回復魔法を使える奴はおらんか?」
「ハイ!私が出来ます!」
ウェーグの声に、この前研修で付いてきていた新人の一人が声を上げる
「よし!エイリスなら大丈夫じゃな、ワシがナイフを抜くから、回復魔法を頼む!」
「わかりました」
「ひぃ!ぬ…抜く!」
「安心せいカケル!そんなに痛くない……そいじゃぁいくぞ!」
「い"や"…!」
ズボ!っと抜いた瞬間に吹き出す血が周りを汚すが、傷口にすかさず回復魔法を当てるエイリス
「あ"ーーーー!」
抜いた瞬間、痛みと恐怖で叫びながらカケルは気絶してしまった。
ーカケル気絶中ー
「本当にご迷惑をおかけしました」
ハインツはウェーグとエイリスへ頭の下げる
まさか新人登録でバカ騒ぎを起こすとは思ってなかった。この町では小遣い稼ぎに登録する人も居るためちょっと怖いけど無事に登録するものが殆どのため、想像すら出来ないのは仕方がないと思う
「ハハハ!ワシ等もビックリしたが大丈夫じゃから、顔を上げんしゃい」
「そうですよ、しっかり治しておきましたので怪我の方は大丈夫だと思います」
「所であやつは何者じゃ?あんな奴は初めてじゃ、カケルはこの町の者では無いじゃろ?」
先程の確認したカケルのカードで気になったことが有るので質問するウェーグ
「アイツは昨日から、うちで預からせて貰ってるんです。何故か、森で遭難していたとかで…今は調査中なんですが」
その後、事情を話していくと、カケルが休憩したと話していた場所とウェーグ達が休憩していた場所、ルートがほぼ一致していた事から。カケルの話が真実だったということが分かった。
「なるほどのぉ、そういう事じゃったか
ウェアウルフも出てきておったのに良く無事じゃったわい」
「えっと、カケルさんがウェアウルフって事は無いですよね?」
森での事を思い出してしまい恐怖するエイリス
「ガハハ!エイリスにはカケルのカードは見せれんからのぉ個人情報じゃしな、安心せいウェアウルフじゃぁ無かったワイ。心配なら後で見せてもらうと良い」
「そうですか、それなら良いんです」
「そうじゃハインツさん、カケルはギルドで面倒を見るから安心せい、ワシ等が連れて来たようなもんじゃしの」
「そうですか、ありがとうございます。それでは後の事はお任せしますので自分はこの辺で失礼します」
そう言うとハインツは帰っていった。
読んでいただきありがとう‼
情報更新
・ウェーグ:元冒険者のベテラン職員、新人教育を担当している、所々雑なところはあるが実力は本物、上級冒険者や武人の稽古にも付き合うほどでトーストの町のみならず様々な町で頼れる存在として知られる
・エイリス:冒険者になって半年程の新人、回復魔法をを得意としており幼い頃から使っていた。
そのため回復魔法は上級冒険者並ではあるがその他の経験が足りないため新人として頑張っている。治癒院で働くか冒険者になるかで悩んだ事があるらしい
・ハインツ:トーストの町の衛兵、少年の頃に冒険者として活動していたが、成人してからは衛兵に転職した。彼女が居て、カケルに町を案内していた日は実はデートの日だった。昇格する噂も出ており昇格後、彼女にプロポーズする予定