トーストの町、受付と筋肉と
読んで頂けてるみたいで嬉しいです!
今回から町へ入っていきます。
門の入り口でストップはありませんの頭上に気をつけて通行下さい
「・・・ろ」
「お・・きろ」
「にょう、ちょとょ~zzZZ」
バシ!!「起きろと言っているだろうが!!」
「はい!起きました!目が覚めました!」
突然の衝撃にビックリして起きると、はぁ~っとため息をついている、私服姿の後ろに付いていた兵隊さんがいた。
ツンツン頭のクールなお兄さんだ。
「お前は子供か…」
「えっと、すいません」
「今日は、町で問題でも起こされては困るから案内してやれと命令があったんだ。ホントは今日、休みだったんだぞ」
「重ね重ねすいません」
「とりあえず、顔を洗ってこいよ酷い顔だぞ」
「はいぃ!行ってきます」
顔を洗って、朝食を貰い、町に出ることに。
「ここがトーストの町だ、案内はするが今日か明日には働いて自立してもらうぞ」
門の衛兵用の裏口から出て初めての町に出ると。
なんと言うか中世ヨーロッパというより、ゲームで出てくる中世の町という方がしっくり来る町並みが広がっていた。
町を歩くのは、皮鎧や金属鎧、さらにはローブやよく分からない物まで様々なものを着た人々。服だけではない、ここが地球とは違う世界なのだと知らしめる様に、動物やその他生物の特徴を持った人々が歩いている。
「うわぁー凄い!」
驚きのあまり思わず声が出てしまった。
「お前なぁ…普通だろ?何処に驚くことがある」
この世界ではこれが普通らしい。
「いや!ね、ほらあそこの人なんか……」
「ハィハィ、俺が付いてきて正解だったよ。とっとと行くぞ、恥ずかしい」
「え!?あ、すいません」
それから、町の事を色々教えて貰った。
加治屋や食料品店、その他色々ゲームの中に有るような店から、初めての聞く店まで教えて貰った。
余裕が出てきたら、色んな店を回ってみたいものだ。
聞いた話によると、ここはローグルという国のトースト辺境伯という人が治める町らしい。
森の事も聞いた、あそこは深緑の森と言って、豊かな森だがその分魔物も沢山いるらしい。
ついでに名前も聞いた、この兵隊さんはハインツという名前だ。
昼食をご馳走になった後、働き口を見つける為に何が良いかと話していると、冒険者という職業が何も持っていない自分にはオススメと言うことで連れてきて貰った。
「ほれ、ここが冒険者ギルドだ。一応保護者として付いていくから行くぞ」
「おぉ!これがリ・ア・ル・ギルド!」
「お前、さっきからテンションおかしいぞ?」
「へへへ~それほどでも無いですよぉ」
中はいかにもって感じに入り口の正面にはカウンターが並び、右手の方には掲示板があり依頼書と思われる紙が貼り付けられている。
左手の方には秤や何かの道具が並んだカウンターが有る。
二階にも行ける階段や奥の方へ続く扉があるが、見ていないのでそこは未知の領域だ。
「ほら、あそこのカウンターで登録やら依頼とかできるから早くしてこい」
「はい!行ってまいります!」
「オイオイ大丈夫かよ」
(早速登録して俺の英雄伝説を始めるんだ‼)
そう意気込みカウンターへ向かった。
「いらっしゃいませ、どの様なご用件でしょうか?」
受付のカウンターはお姉さんの居るところを選びました!
「登録をお願いします!」
「はい、かしこまりました、担当の者をお呼びしますのでお待ち下さい」
「はい!」
(どんなお姉さんが担当してくれるんだろうか、血が必要だとかで怖がってる自分を慰めてくれたりとか…一目惚れされて「貴方の専属になります!」だなんって……)
いらない妄想を考えていたら先程の受付のお姉さんと、犀の特徴を持った筋肉の塊がやって来た。
「お待たせしました、こちらが新人担当のウェーグさんです。私は失礼させて頂きます」
一礼するとお姉さんと妄想は去って行った。
残されたのは筋肉と自分の二人……
(まさか!入団試験とかで、実力を試すとか言ってボコボコにされるとか!?)
そう思うと変な汗が流れてくる。
「ハッハッハ!緊張しておるのか?安心せい!とって食ったりなんぞせんよ」
「ははは…よろしくお願いします」
「そいじゃ先ずは名前を聞かせて貰おうかの」
「日野っ翔と言います!」
「そうかそうか、カケルというのか、ワシはウェーグじゃ、よろしくのぉ」
そう言い手を出してきたの握手をする。
(ゴッツイ!)
分厚い皮膚に覆われた手は、まるで岩の様に固くゴツゴツしていた。
「そいじゃ、まずは説明をしよう!ここは冒険者ギルド!来る者拒まずの冒険者の城じゃ。それでじゃな、問題は起こすな!生きて帰れ!強くなれ!………説明はそんな所かのぉ?、問題は起こした奴の自己責任じゃから気をつけるんじゃぞ!」
(めっちゃ簡単じゃん!ゲームのギルドの方がもっとしっかりしてたぞ!って説明に疑問計って大丈夫?)
なんて思いながらも返事はしっかりする。
「はい!わかりました!」
「よしよし、分かって貰えたようじゃし登録するとしようか、こっち来い」
そう言うと機嫌が良さそうに肩を組まれ、奥の方にあるカウンターへ一緒に着た。
(俺は筋肉に押し潰されそうだよ)
そこには丸い水晶が有り、水晶の中には淡い虹色の炎のような光が灯っていた。
(とってもファンタジーだ)
「よし!では此処に血を少し垂らしてもらうが大丈夫じゃの?このナイフを貸してやるからやるとええ」
「血………ナイフ………………はい……」
「なんじゃ?怖いのならワシが手伝ってやろうか?あんまり痛くせんぞ?」
「いっいえ!結構でしゅ、きょりぇきゅりゃい、いきぇまふしゅ!」
(これが出来なかったら英雄にはなれないんだ!)
そう思い、思いっきりやってしまった。
読んでいただきありがとう‼
情報更新
・トーストの町:深緑の森から出てくる魔物を監視するために作られた町、町とはいっても外から見ると巨大な城壁のような見た目をしている。
主な産業は、林業、農業、冒険者である
特産物は、深緑の森固有の植物や魔物素材
・ローグル国:比較的大きな国で緑が豊かな国と知られている、内陸部ではあるが、大きな淡水湖と山脈があり山から採れる水は現地の名産でもある