第21.5話
安否確認踏まえ、久しぶりに投稿します!
湿った風が枯れた地面をなでるように吹く
どんよりとした空の下で、生き物を拒むように鋭い岩石があちこちに転がっている
その中でもひときわ大きな岩の上に男はいた
全身真っ黒な服に黒髪のその男の姿は、灰色の大地の上では実によく目立っていた
上半身を覆うマントから伸びた手には真っ赤な林檎が握られており、それを男は再び口へと運ぶ
林檎をかじる音が風に流されていく
静かに、ゆっくりと、時が過ぎていく―
ふと、先程とは違った方向から風が吹いた
男は林檎をごくりと飲み込み、ゆっくりと口を開く
男「どう思う?最近の流れを」
男の背後に立つ者は口を開こうとしない
男は構わず続けた
男「何かが動き始めてる。鍵は…誰が握ってるんだろうな」
背後に立つ者はまっすぐに、地平線を指差した
男「こりゃ、大きいのが来そうだ」
男は深くため息をつくと、にんまりと笑った
男「久しぶりに遊びにいってやるか。お前も来いよ」
途端に強い風が吹き、背後にあった気配は消えた
男は舌打ちし、ゆっくりと立ち上がる
男「俺もあそこはあんまり好きじゃないんだがなぁ…」
そう呟くと、ぐしゃぐしゃと頭をかいた
そのぼさぼさの黒髪には、一掴みほどの赤髪が混じっていた
男「あー、めんどくせえ」
そう言うと、男は岩から飛び下り、姿を消した
残された真っ赤な林檎は、灰色の大地の上では実によく目立っていた
彼らが現れるのは、もう少し先の話―




