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Hacking・to・the・world  作者: 阿多田佐助
It is easy to attach a clor to colorlessness.
11/12

超小型電脳

うっわ。ヒロインどころかまるまる説明回に……。次回はたぶん……いやもう自信ないや。

 『超小型電脳』(ディティールブラスト)――――。



 通称『ブラスト』と呼ばれるそれは、小型とは名ばかりの大きさだが、実際に小型なのは見た目ではなく中身だ。



 もともとこの元となった機械は、2036年に作られた『脳信号変換装置』と呼ばれる機械で、今では壱式、初期型とよばれるそれは高さが三メートル、幅五メートル、縦四メートルという巨大なマシンだった。

 開発者は今、この世で電脳世界の創造者と呼ばれる『來伊岳三方』(くるいだけみかた)



 二十一世紀最優の科学者であり、最も現世から離れた人物だったと言われている來伊岳が開発した『脳信号変換装置』は人の脳の電気信号の回線を解析し、それを一時肉体より遮断。

 別の回路とつなぎ合わせ、脳信号により体ではなく別の物を動かすという簡単なものだった。

 その構造は二十一世紀初期から存在したもので、『BIC』、ブレインインターフェイスと呼ばれる頭に命令を思い浮かべるだけで機器がそれに反応するというもの。



 それを更に一段階先へ昇華させたものが脳信号変換装置だ。



 だが、それには大きな問題があった。

 脳とは数十億のニューロンで形成されたものである。そのニューロンが互いに作用したとき起こる化学反応、それが脳信号、計測可能な微弱電気信号だ。

 その構造の多くは脳の表面に集中しており、そのため表面積をできるだけ多くするために脳には、皺が刻み込まれている。

 が、この皺が脳の信号を読み取る上で大きな障害となるのだ。



 大脳の皺は人によって、全て異なる。それにより電気信号の位置も違ってくるのだ。

 そうなると、全てが個人個人専用となり、その汎用性は格段に下がってしまう。

 歴史曰く、來伊岳はそれでいいと言ったらしいのだが、周りの研究員たちがそれを断固反対したらしい。



 そんなことがあり、作られた問題解決策がパターンの学習システム。すなわち疑似AIだ。

 後に全ての同系種に搭載されることとなったこの技術は、『装置内に自動学習システムを搭載。その働きにより、頭に数分間つけ、プログラムに脳の皺をインプット。それを元来、皺のない脳の形から予測変換することになり、脳の形を完全に理解する』というものだ。



 この技術により、問題は解決。後の世の最新機『超小型電脳』(ディティールブラスト)に繋がることとなる。



 そして、過去のこの技術の応用により作られた超小型電脳が搭載した史上初の機能。



 それが、ネットダイブである。



 脳内で電気信号の送受信を行うというこの機能は、開発当初、脳が電圧に耐えられず焼け死ぬと言われ危険視されていた。

 その機能を搭載したブラストは、当然社会的非難が続出。一時発売停止まで追い込まれたが、その発売の権利を買い取ったのが、後のダイブマシン最大手と言われる『ブレイン社』だ。



 ブレイン社社長ジャック・ミラーは、社内全社員千二百人にブラストの使用を命じさせ、一年の生活を行わせた。

 自分の社員で人体実験をするようにも見えたが、社員は一人と社長の命令を拒まなかった。

 当時から今まで、失われていないジャックの圧倒的カリスマの形だ。



 結果、この実験による死亡者はゼロ。世界にブラストの安全性を知らしめた。

 それでも最初は売り上げは伸びなかった。が、皆口では危険危険言っていても、ネットダイブという未来技術に憧れていたのか、一人、また一人と購入者を増やし、最終的には店頭に行列ができ、品切れが相次ぐようになった。



 ブレイン社は世界最大の企業となったのだった。



 これが、『超小型電脳』、ディティールブラストの構造と歴史である。その技術は社会の多くに使われ、今や世界に欠かせないものとなっている。

 民間企業、ゲーム会社に至っても。



 そのゲームの一つ、最も世界を揺らしたゲーム。それがラスト・ソルジャーだ。




『Hacking・to・the・world』episode10:超小型電脳ディティールブラスト





介錯は人それぞれということで。あくまで小説上の話です。

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