安定と安心の夢落ち
今回は間章的なものなので読まなくても問題ありません。
そんなものを書くのにすごい苦労して1週間以上かかってしまった赤ホルです…
「それでな。一緒のパーティーを組んだフィーネちゃんが、なんか心に闇を抱えているっていうか、ヤンデレっていうか、もう手遅れっていうかだな…」
結局徹たち一行は、隠し部屋のあと、順調にダンジョンを巡り予定道理10層まで行くと引き返してきた。
帰りにギルドに寄り、換金すると金貨6枚と銀貨40枚の稼ぎになったために、経費である金貨1枚分を分けた後に残りの5枚と銀貨40枚を分けた。
それぞれ金貨1枚と銀貨35枚ほどを利益として手に入ったために、打ち上げと称してフィーネやエッカルトの所属するクランの酒場で飲み明かした。
そこの酒場は、クラン員が二人しかいないため、クラン内部だけでの酒場ではやっていけず、一般開放している所だった。
そのため、久しぶりの乗客ということでかなり喜ばれた。
「おいおい、カーマ。手遅れってのはひどいだろう。仮にもパーティーメンバーなんだから、見捨てるんじゃない」
そんな打ち上げも昨日のこと、いま徹とゾネはカウンターでのんびりと二人で酒を飲んでいる。
徹のパーティーでの打ち上げの後、次の迷宮探索は2日ほど休暇を置いてからということになった。
そのために、暇になった徹は、ゾネを誘って呑みに繰り出している。
会話の内容は主に徹の新しいパーティーの愚痴だ。
「そうなんだけどさ。もうエッカルト君は、気づいてないし。フィーネちゃんもところどころで怖いだけだからはっきり言えないしさ。どうしたらいいのさ」
「あまったれるな!少女というのはだな、人間におけるもっとも輝ける時期である。それにもともと、子供というだけでただそれだけで、守られる権利があり、尊いものだ。その上、女子だぞ!もう無敵じゃないか!はぁはぁ。つまりだな、幼女とは、愛でる、守る、喜ばせるものであって見捨てるようなものじゃない!いいか?つまりはだな…」
「いや…いいからさ。ゾネが少女好きてことは分かったから…」
「きけえ!」
ゾネの怒鳴り声に、徹は言葉を詰まらせた。
「カーマはわかってない!全く分かっていない。あれは至宝だぞ!すべての全人類が、あがめたとしてもそれは行き過ぎた行為ではない。考えてもみろ…(中略)…今の世界を支えているのは、俺たちだ。だがな、次の世界を支えるのは下の世代だ。そして、また次に世界を支える子供造るのは少女だ。つまり、俺たち人間における生命線といっていいものが少女だ。それを、面倒だ?ああん?なめてんのかお前は…(後略)…だからな、男の浮気ってのはロマンでしかないのだがな。女の浮気は、より優秀な種を後世に残すための選別手段といっても過言ではない。なにが言いたいかというとだな…(もうなんだかよくわからない略)…ということで、俺が何人と関係をもとうが人類全体としては何の損もないということであってだな………」
(あ゛あ゛あ゛あ゛…もう、こんなゾネやだ…話し終わってよお…)
「…ということで、ゾネは最低な変態だと思うんだ」
徹は迷宮探索の次の日。
徹、ゾネ、ゲオルグの三人で少し高級な飲み屋に顔を出していた。
ゾネやゲオルグが仕事関係以外で呑みに来る隠れ家的な店らしい。
そこで、丸いテーブルを囲んで呑んでいた。
「なにを言っているんだお前は?」
そう返したのはゾネだ。
まるで、身に覚えがないという顔をしている。
「なにって、お前が昨日俺の夢の中に出てきてまで言ったことだろうが!俺の安眠を妨害しやがっ…」
徹は最後までセリフを言わせてもらえず、ゾネによって顔面から机に無理やりキスさせられていた。
「そ・う・い・う・くだらないことを言う口はこれかあ?ああん?」
「あばばばばば。やめてよお。単なる茶目っ気じゃないか~。ちょいそろそろ、唇がスプラッタになってるからやめれええ」
徹は机越しのくぐもった声で必死に反論する。
木製の机にぐりぐりされていたために、徹の唇はちょうどおろし金に卸されたようになっていた。
「それぐらいにしておいてやってくれ」
そんな二人を先ほどからニコリともせずに見ていたゲオルグさんが呟いた。
琥珀色の液体の入ったコップに大きな氷を遊ばせながら手の中でもてあそんでいる。
表情には憂いが浮かび上がり、深い影を落としていた。
余りの迫力にゾネは無意識的に徹の頭から手を放してしまう。
その隙をついて脱出した徹は、痛む唇にポーションを付けてさすっていた。
「それで、ゾネ。お前は幼女趣味なのか?」
「「…………」」
徹とゾネの視線が、さっきまでと180度変わって何かかわいそうなものを見る目になっていた。
「おい、ゾネ。俺は聞いているんだ。貴様は、成人するかしないかの女性に対して性的興奮を覚えるのか?どうなんだ!」
(おい、カーマどういうことだ?なんでゲオルグはあんなにむきになってるんだよ?)
ゾネは、徹の首根っこを押さえて問いただす。
(あー、ゾネは、ゲオルグの娘さんのこと知ってる?)
(ああ、知っているぞ。ゲオルグそっくりの娘さんだろ?この前ちらっと見かけたけど、そろそろ15だっけか?なんだ?30以上の男を旦那に迎えよとでもしたのか?)
(うんうん。だいたいあってる)
「俺はそんな子供はさすがに相手にしないな。さすがに子供はちょっとな…だが、世の中にはそういう人間もいるらしいとは聞くが…だいたいそれってカーマの事じゃないのか?」
「ちげーし!排卵来てないような子供は範囲外です!ほら言うじゃないか。YES幼女NOタッチって」
「しらねーよ」
「カーマの事なんてどうでもいいんだ。ゾネ、本当に興味ないんだな?そうだな?」
「お、おう。そうだぞ?」
その言葉に、ゲオルグは心底安心したように肩を落としてため息をついた。
「ん?どういうことなんだ?」
かみ合っている様でかみ合っていない一方的な会話にゾネは戸惑いを隠せない。
「んむ。説明しよう」
「なんだそりゃ?」
「教えて、徹先生にきまっているだろ?まあいいや。それで、事情説明だけどゲオルグのとこの娘さんが、ゾネと結婚したいってずっとゲオルグに言っているんだってさ。それで、心配性のお父さんは、娘がいつの日かゾネを家に連れてこないか怖がっていたというわけさ」
「はあ?んな無駄な心配をまた…」
「そんなことはないだろう。考えてもみろ、ゾネが仮に結婚して娘がいたとしよう。それで、ある日成人した娘が、旦那にってカーマを連れてきてみろ」
「あ、あ、あ、あ、世界の終わりだわ。カーマを殺して迷宮に捨ててくるわ」
「言いすぎじゃね?俺のピュアなハートがガラス並みにガッシャン逝くよ?」
話がひと段落したところで、ちょうど酒が切れていたので3人はつまみと、酒樽を1つ追加で頼んだ。
「それでさっきのわけのわからないカーマの夢が、話の振りなのか?あんなことでっち上げて、そんなにあのパーティーが不満だったのか?」
酒が追加されたことで、無駄に乾杯をしたゾネは、ちょっとイラッとしたのだろうさっきの話を蒸し返してくる。
「あー、あのパーティーは予想以上に良かったよ。明後日もまた一緒に潜るからな」
「ほう。そうなのか?マルコさんの話だと、今回だけの臨時パーティーということだったんだけどな。エッカルト達みたいな弱小クランはともかくカシアは気難しいから大丈夫か?」
「えっ?そおか?かなり協力的だったけど?普通にまたねってわかれたし。俺たち普通に仲良しじゃよ」
「カシアってたしかあの目つきの悪い狩人だろ?」
「知ってるの?」
「結構有名だからな。腕はいいんだが、たまにわけのわからんことを言ってトラブルになるとかなんとかね」
「んー?隠し扉とか?」
「そんな話だったな。あと視線を感じるってよくいうんだけど、その割には、モンスターがいないとか結構あるらしいぞ」
「そうだな。腕はいいから、野良パーティーではそれなりに需要があるが、問題を起こしやすいな。前なんか、パーティー内でのいざこざが高じて、奴隷として売り飛ばされそうになったこともあるらしいからな。俺が、ギリギリのとこでかっこよく助けたけどな」
「それは、ゲオルグの業務内容じゃねーか。ぎりぎりじゃなくて余裕を持って助けろ。もっとちゃんと仕事しろ。それとあの子の名誉のために言っとくけど、隠し扉なら普通にあったぞ」
「「えっ?」」
徹のセリフにゲオルグとゾネが目を丸くした。
無理もない。
ゾネもゲオルグも、迷宮に関わる仕事について20年弱になるが、実際に隠し扉を発見したという報告はなかったのだ。
「あれ?一応ギルドの方には報告しておいたんだけど、聞いてない?」
「いやあ。全く聞いてないぞ。誰に報告したんだ?」
「カミラちゃんだよ?俺の専属スタッフじゃないか」
「馬鹿野郎カミラちゃんはみんなのアイドルだ。しかしそれは問題だな。また明日確認してみる」
「それで、隠し扉の向こう側に何があったんだ?」
報告受けていないということに考え込んだゲオルグを置いておいて、ゾネは詳細を聞いてきた。
「普通にモンスターハウスがあっただけだよ。あー、モンスターハウスって、モンスターの異様に集まっているとこね」
「ほう。それだけか?」
「いや、その中にもう一つ扉があって、下の階に続く縦穴があったよ」
「なんだと!?どこだそれは、どれくらい下までつながっているんだ!」
ゾネは興奮した。
その理由は迷宮探索に時間がかかることにある。
低階層なら往復の時間は大したことないのだが、20層などになれば、片道だけで半日以上使うことになる。
そうすると、移動の往復だけで1日そのうえ狩りもあるために、一度迷宮に潜ると何日か出てこれないということになるのだ。
「33層くらいまで続いているけど、あれ開けるだけで疲れ切ると思うぞ?もともと開かないような構造になっていたから壁破壊しないとだからな」
「ちっ、そんなうまい話はないか…だけど、よくカーマたちは開けられたな」
「そりゃあ俺の超絶無敵な魔術でぱぱぱぱぱーんて開けたに決まってんだろ?どやあ」
「あー、はいはい。そんなにいいパーティーなら、文句いうな。俺がせっかく貴重な女性訪問者を探し出してやったっていうのに。ふつういねえぞ。パーティーに2人も妙齢の女性がいるとこなんて」
「あー、その件に関しては感謝しております。でも、フィーネちゃんが心の闇を抱えているっぽいのは、マジの話だぞ」
こうして、オヤジたち三人の飲みは中盤戦へと突入していくのだった。
そうそう、PVが10万超えてました。超ありがたいです。
これを糧に明日から頑張って生きていきます。
リアルサーバーがつらいけど生きていきます。
がんばって、これを完結まで書きます。




