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人生諦めが肝心

あきらめました!

物語を進めようと会話を削る作業をあきらめました

精神にクール―なので更新が遅れる原因にもなりました

なのであきらめました!


あと5万Pvに6千ユニーク達成してまして、ほんとにありがた!

目の前にいるのは、右から順番に、目つきの悪い女、筋肉デブ、小僧、地味な少女となっている。


「俺が、今回の野良パーティのリーダーをやる香山徹だ。よろしく」

「素朴な疑問なんだけどなー。そのいい匂いのする大量の荷物はなんなんだなー?」

「ああ、これ?商店街でもらったもの。いる?」

「いる!」


コランドの余りの剣幕に徹は若干引いた。


「そ、そうか、ならあげるよ」


現在、徹は、ギルドで、これから迷宮攻略に向かって組む野良パーティのメンバーと顔合わせをしている。

どいつもこいつも、クラン内で問題があり、ちゃんとパーティを組めない人間ばかりだ。

それでもいいかと思っているのは、いいや思わされているのは、ゲオルグさんの手腕だった。

最初に、犯罪者名簿を渡し、その上で、このメンバーを見せれば、人間ならイメージがよくなるのが当然だ。


「なあ、おっさん。それを配るために俺たちを集めたわけじゃないんだろ。さっさとしろよ」

「おっさんていうな!お兄さんと呼べ!」

「うっせ。俺はあんたのこと知ってるぜ。たしか祭りの後に、訪問者(ヴィジター)になった初心者だろ?それがなんで俺たちのリーダーなんだよ」

「それなら私も聞いたことがあるな。期待の新人かと思えば、普通以下のステータスだったとか。正直、私もあなたをリーダーとして認めるのは難しいな」

「そおかー?おでは、カーマはいいやつだから、リーダーでもいいと思うぞー」


反対2票に餌付けされた賛成1票、だんまりの少女で、やや形勢不利な徹だった。


「世の中にはな、年功序列という制度があってだな。小僧は16、嬢ちゃんは26、俺は三十路…」


何気に、自分の言葉で、ピュアなハートに大ダメージを受けていた。


「はん。年功序列っていうなら、訪問者(ヴィジター)歴の長いコンラドさんがやればいいじゃないか」

「おでかー?おではいいよー。おでよりカーマさんの方が強いしー」

「ほらな、わかる人にはわかるんだよ。それにこのパーティは俺が集めたんだろ?正確にはゲオルグ(ハゲ)に集めてもらったんだけどさ。責任の所在は俺にある」

「はぁ…わかったわ。私もゲオルグさんには借りがあるから、あなたがリーダーでいいわ。ただし、次にもぐる迷宮だけってことにしてもらうわ」


目つき悪女であるカシアが、ゲオルグの名前によって折れてくれた。今回だけという限定つきだが。


「俺は嫌だ。別にギルド長に借りがあるわけじゃないし、こんな奴に命を預けるわけにはいかない。フィーネもそう思うだろ?」

「うんう…頑張ろう、エル君。二人でやってくのも限界があるし、この話もゲオルグさんが私たちに気を使って持ってきてくれたんでしょう?」

「う゛…そうだけどさ…わっわかったよ。今回だけだからな」

「ほう。エッカルトは尻に敷かれるタイプか。ええのう、嫁がいる奴は」


徹はニヤニヤが止まらない。いや、カシアも悪い顔してニヤニヤしている。

一人だけコンラドは、微笑ましいものを見ている顔をしていた。


「ばっか、そんなんじゃねーよ。なんで俺がこんな…」

「はい。ストーップ。俺はそんな言いかえしの後に、女の子が泣きだすなんて面倒なお約束いらねーから。もう面倒だからお前らくっついちゃえよ」

「なんでそんなナゲヤリなんだよ!」

「はーい。文句はゲオルグ(ハゲ)の方でお願いしまーす。それではエッカルトくんは今日宿に帰ったらフィーネちゃんとちゃんとにゃんにゃんするように。してこなかったら、明日からあだ名は『ピーナッツ野郎』な」


フィーネは顔を真っ赤にさせてうつむいてしまう。まんざらでもないようだ。

一方、エッカルト君は抗議の声を上げているが、ここは無視(スルー)するのが大人のマナー。


「それじゃあ、みんながこのパーティに参加することに賛同してもらえたようなので、自己紹介しよう。まず、俺からするよ。名前は、香山徹。職業、魔術師。訪問者(ヴィジータ)歴1週間です。よろしくぅ!」

「む。次は私か。私は、カシア・ラレナだ。職業は、狩人。訪問者(ヴィジータ)歴は11年になる」


この狩人とは、スカウト、斥候といった方がいいかもしれない。主に、迷宮内のマッピングや罠の見破りなど戦闘面ではやや劣るが迷宮攻略で欠かせないポジションだ。


「聞いたことあるぞ」


声を上げたのはエッカルトだった。


「なんだっけ、迷宮がおかしいとかいってる残念な奴ってうわさの…」


徹が、指に魔力を集めて空中に文字を書く。

『水』

バッシャーン


「て、てめえ何すんだよ!」


エッカルト君が水をかぶってびしょ濡れになりブチ切れてしまった。

何をしたかというと、徹が昨日覚えたての魔術を使って水と書いたところ、予想以上の水が出てしまいエッカルト君がぬれねずみになったのだ。


「残念なのはお前だ。糞ガキ」

「だめよ…そんなこと言っちゃ…カシアさんが気を悪くするでしょう」


徹が驚いたことに、フィーネがエッカルトを注意している。

フィーネは口下手ではあるが、しっかりと自分の意見を持ち、それを言うだけの勇気がある人間だった。

この時、徹は、ゲオルグさんが将来のある二人を徹に預けてくれたことを感謝した。


「いいのよ。そんなこと言われ、慣れているから」


その反面、カシアは言葉通り冷静というわけではない。

その口調からにじみ出る怒りは、鈍感なエッカルトをおびえさせるほどであった。


「おい、謝っとけ。全力で、謝れ。明日まで生きてたかったらな」


その言葉に、首をガクガクさせながらカシアに謝っている。


(地雷ってやつは日常生活のどこに埋まっているかわからないよー。気を付けてね!)


「カシアもエッカルトがちゃんと謝っているから許してやってくれよ。ほら、これぐらいの年頃って怖いもの知らずじゃない」

「別に気にしないといっている。大丈夫だ」


カシアの口調は先ほどと比べてだいぶ落ち着いている。

彼女はこの件で、だいぶ苦労してきたのだろう。

眉間深く刻まれた縦ジワがそれを物語っていた。


「それに、迷宮がおかしいのは事実だしな」

「良いといっている。そんなに私に気を遣わなくていい。同情されるのは不快よ。頭がおかしい人間の妄言だと思っていてくれても構わない」


この問題はかなり根が深いらしく、カシアは吐き捨てるように言う。


「ん?ならまず一つずつ行こうか。まず迷宮ってなに?んじゃ、エッカルト君。答えられたら、その濡れた服を乾燥させてあげよう」

「それくらいわかるわ!ディーナ・シーが、宝物を守るために作った迷宮で、侵入者を撃退することを目的としてるんだ!」


エッカルトは自信満々に答える。

それは、ゲオルグが言ったことと大きく変わらない。

このあたりでは一般的に浸透している迷宮に対する理解だ。


「はい、よくできました。花丸を上げよう~」


『乾』

―ブワン

エッカルト君が一気に乾燥してしまった。若干髪の毛がチリチリ天パーに、肌がカサカサ乾燥肌になっているのはご愛嬌だろう。


「すごい…それは、魔術なんですか?」

「そだよん。俺のオリジナル(嘘だけどね)」


紋章魔術は中国語―漢字と相性がいい。

それは、紋章魔術における法則として、

書いた文字にの意味により魔術が発動する。

文字の数が少なければ少ないほど、魔術の威力が上がる。

文字が持つ歴史が長いほど、魔術の威力が上がる。

文字の持つ“格”が高いほど魔術の威力が上がる。

このために、自分に都合がいい文字を作って、この魔術を使っても、威力が低いどころか、発動すらしない。

そして、英語のようにアルファベットを並べて意味を表す言語では、威力が低い。

その分、漢字は、4000年以上の歴史を持ち、一文字で多彩な意味を表すこの表記は印章魔術向きなのである。


「それで、エッカルト君の言っていることだけど、一般的にはそういわれているらしいね。でもね。それだと、矛盾する点が出てくる。一つは、1~10Fに罠がないこと、二つ目は1Fから下に潜るにつれてモンスターが強くなることだ。そして三つ目、魔石が取れること…」

「そんなの当たり前だろ。1Fから強いモンスターが出てきたら、強い人しか迷宮に潜れないじゃないか」

「そう!いい相槌入れるねえ。若干早漏気味だけどいっか。そこで出てくるのが、ディーナ・シーが侵入者を撃退することを目的としているってことなんだ。じゃあ、カシアさん。あなたが、迷宮で宝物を守っているとして、どういう風に迷宮を作る?」

「呼び捨てでいいわ。そうねえ…私だったら入口にわなを仕掛けるかな?しばらく一本道でずっとわなを仕掛けておくの」


(わおー、この人、結構えぐいよ…)


「それも手だね。じゃあコンラドさんは?」

「おでも呼び捨てでいいどー。おでだったら、1Fから強いモンスターをおぐがな(置くかな)

「エッカルト君は…脳筋ぽいからいいや。フィーネちゃんはどうする?」

「えっ、私ですか…あっと…入り口を人目につかないところにします…」


エッカルトが騒いでいるがみんなに無視されている。

みんな、徹がいっている『迷宮がおかしい』ということに気づきだしたようだ。


「だんだんわかってきたみたいだね。罠も10Fから。迷宮の敵はだんだん強くなる。極め付けには町の中に堂々と迷宮の入り口がある。全く持って“異常”さ」


約一名だけわかっていないが…


「今の迷宮の状態は、お世辞にも侵入者撃退を目的にしているとは考えづらい。むしろ、俺たち訪問者(ヴィジター)を誘っている。それどころか、ある程度鍛えさせようとすらしている気配がある」

「つまり、迷宮の…ディーナ・シーは、宝を守っていないっていうの?」

「さあ?それはわからないよ。もともと、ディーナ・シーと呼ばれるものがいったい何であるかわからないんだからね。でも、チェイサーが特殊武器を落とす時点で、宝がないとは言い切れないと思うけどね」


徹の一言一言に、パーティメンバーは一喜一憂している。

彼らは、迷宮で一獲千金を夢見ているのだ。

苦労して迷宮を制覇した後に、何もありませんでしたではおさまるものも収まらない。


「でも、私の感じたのはそういうのではないんだ。なんだか、迷宮に入ると違和感があるというか、気持ち悪くなるというか…」

「それには心当たりがあるよ」

「本当か!」


カシアは目に期待の色をいっぱいにして立ち上がる。

その顔には、深く刻まれていたはずの額の縦ジワもなくなり、幾分かやさしい顔になっていた。


「ああ。ところで、迷宮の通路の幅と高さはわかる?」

「えっ?あっと、幅がだいたいこれ位?あと高さが、ちょうどあの(はり)のところまでかな?」


さすがに職業狩人としているだけあって、カシアは正確に迷宮の幅と高さを把握していた。


「そうそう。それであっているよ。迷宮は、どこを調べてもその幅でその高さなんだ。それも髪の毛一本分の狂いもなくね」

「ん?そういう風に作ってあるんだったらそうだろ?何言ってんだ、あんた」

「うんうん。エッカルト君は(馬鹿丸出しで)かわいいねー。この街を見てみなよ。この街を取り巻く壁にしたって、道にしても、家屋にしても、人工物である以上、多少のゆがみや凹凸がある。それは、眼で見てわからなくても、実際に計測すれば必ずあるものなんだよ。カシアみたいに、鋭い感性を持っている人間は、不自然にまっすぐな道が気になってしまうのさ」

「じゃあ…私の感じていたものは、大したことじゃないの?」

「いいや、逆だ。これが一番おかしい。あんなものを作れる文化レベルなんて、考えられない。地上に立っているならまだしも、あれは地下建築物だ」

「魔法でパパパーンって作っちゃたんだろ?」

「魔術はそんな便利なものじゃないさ。エッカルト君は…無理だろうな。ほかに魔術を使える人はいるか?」


カシアとコンラドはそろって首を振る。

ただ、フィーネだけが小さく手を挙げた。


「あの…初級魔法と一部の中級魔法ぐらいなら…」

「おお、優秀、優秀。フィーネちゃん的には、あの迷宮が魔術でできると思う」

「無理です…そんなことができるのは…神様くらいしか…」

「まあそんなところだよね」

「カーマさんわー、迷宮の底に神様がいるっでいうだかー?」

「コランドも俺のことは呼び捨てでいいよ。後カミラもね」

「わかった。カーマ!」

「エッカルト!おめーはだめだ!」

「そうだよ…エル君と私は…呼び捨てはまずいよ…」


なんでだよー、と叫ぶエッカルトを無視する。

理由は単純『調子に乗るから』なんだが、それを理解する日が来るかどうか謎である。


「話を戻すけど、現段階では、神が存在するという可能性が高い。いや、そうであってほしいという希望的観測かな…正直なところ予想ができない。しかし、少なくとも、迷宮の謎を紐解くカギは、迷宮の底にあるのは確かだろう。そのためには、俺の…このパーティは、迷宮踏破を目指す。適当な階層での金稼ぎで終わるつもりはない。もし、それでもいいというなら、この契約書を呼んで、サインをしてくれ」


徹はそう言い放ち、全員に契約書を配った。


おっと、3人ほど自己紹介してない…だとう…

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