NO! 楽?
上演中に一番安らかに眠れるのはやはり能楽であろう。楽しくない、だからNO楽というのだ。というのはまあ私が今考えた与太であるが。
歴史ものの話題ばかり続いて恐縮だが、今回は能楽について。と言っても初心者もいいところで、師匠がご覧になったら噴き出してしまわれるやもしれぬが。でも好きなんだ、師匠、お許しを。と言うか、あなた様の所為でもあるのです、責任をお取りくださいませな。
能楽の何がつまらないかというと、動きが少ない、何を喋っているか解らん、ギャグがない、単調、だから子守唄になってしまうのだ。と、興味のない人は言う。
阿呆めが。あ、いやいや、ご無礼を。ぺーぺーもいいところのわたくしめが少し説明をしよう。初心者だからこそ理解できる面もあろうよ。
まず、動きが少ないのはそう意図して可能な限り削りに削ったから。なーんで? その方が美しいから。派手な動きは楽しくはあるが少々下品である。無駄な動きを削ぎ落として抑えた表現をする事で逆に豊かな世界が広がるのである。
何を喋っているか解らん。うん、解らんよ。言葉を理解しようとするんじゃないんだ、その雰囲気を感じろ! ギャグは狂言の担当だ、同時上演されるから一緒に食え! 単調なものか、観た時の演者が悪かったのかもしれん。――どさくさに紛れて暴言。
だがしかし、観客が寝る時の上演は巧く行ったのだとも聞く。あまりに心地良い空間は上質な眠りを誘うのかもなー。
お囃子も実に楽しい。笛と小鼓と大鼓と、時々おとん……じゃなくて、太鼓。だれだ、こづつみ、おおづつみと読んだのは。つ・づ・み、じゃい。黒ネコさんやペリカンさんがお届け物かい。
で、何回か聞いていると囃子方がいかに重要かがよく理解できる。笛の伸びやかな旋律、小鼓の深み、大鼓のよく通る音色、太鼓の華やかさ。しかし、演者によって驚くほど奏法や音色が違うのだ。わかりやすいのはやはり笛だろうか。節回しが流派によってかなり異なるし、同じ流派でも色っぽかったり、いぶし銀だったり、わびさびだったり。小鼓もつやがある照り焼きなのか、あっさり淡白塩味なのか……じゃないわ、腹が減っているとろくな例えをしない奴だ。
役者の動作にも決まりごとがたくさんある。知っていると、あ、あれだー! と嬉しくなる。ともかく、足を踏み入れると身動きが取れなくなるほどはまり込む底なし沼なのだ、という事だけお伝えしたかった。伝わっただろうか。
む、少々字数に余裕がある。まだわたくしの鞄には若干の余裕があります! って違うか。こん平師匠、あなたの弟子で笑点の後釜のたい平師匠は立派にアニータとニワトリと花火やってます、ご心配なく。
(2011年1月26日)
次こそ小説論を書きましょう。ええ、やりますとも。




