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第114話 連続する崩れ

最初の崩壊から、半日も経っていなかった。


 倉庫の再構築が落ち着き、流れが戻り始めたその直後——。


 別の場所で、同じ兆候が現れる。


   ◇ ◇ ◇


「……またか」


 エドワードが低く呟く。


   ◇ ◇ ◇


 今度は運搬経路の中継地点。


 荷の受け渡しが滞り、人の流れが詰まり始めている。


   ◇ ◇ ◇


 レオは即座に状況を見た。


   ◇ ◇ ◇


 同じだ。


   ◇ ◇ ◇


 だが——。


   ◇ ◇ ◇


 違う。


   ◇ ◇ ◇


 最初の崩壊は“集めた歪み”だった。


 今回のは——。


   ◇ ◇ ◇


「外から入ってるな」


   ◇ ◇ ◇


 自然発生ではない。


   ◇ ◇ ◇


 意図的に、次を起こしている。


   ◇ ◇ ◇


「連続で来るつもりか」


   ◇ ◇ ◇


 エドワードが頷く。


「はい。間を与えません」


   ◇ ◇ ◇


 回復する前に、次を壊す。


   ◇ ◇ ◇


 それが狙いだった。


   ◇ ◇ ◇


 レオは一瞬だけ考えた。


   ◇ ◇ ◇


 前回と同じ対応では——。


   ◇ ◇ ◇


 間に合わない。


   ◇ ◇ ◇


「分ける」


   ◇ ◇ ◇


 短く言う。


   ◇ ◇ ◇


 エドワードがすぐに理解する。


「同時処理ですか」


   ◇ ◇ ◇


 レオは頷いた。


   ◇ ◇ ◇


「一つずつじゃなく、同時に処理する」


   ◇ ◇ ◇


 負荷を分散する。


   ◇ ◇ ◇


 それが次の段階だった。


   ◇ ◇ ◇


 現場に指示が飛ぶ。


 再構築班を分割し、複数の地点に配置する。崩壊の兆候を見つけ次第、即座に局所処理に入る。


   ◇ ◇ ◇


 全体で支えるのではなく——。


   ◇ ◇ ◇


 各所で受け止める。


   ◇ ◇ ◇


 最初は混乱が出る。


 だが、すぐに形が見えてくる。


   ◇ ◇ ◇


 一箇所が崩れる。


   ◇ ◇ ◇


 別の場所は、保つ。


   ◇ ◇ ◇


 同時に、別の地点で小さな歪みが発生する。


   ◇ ◇ ◇


 そこも処理される。


   ◇ ◇ ◇


 連鎖しない。


   ◇ ◇ ◇


 崩壊は“点”で止まる。


   ◇ ◇ ◇


「……耐えてる」


 現場の誰かが呟く。


   ◇ ◇ ◇


 以前なら、全体が崩れていた。


   ◇ ◇ ◇


 だが今は違う。


   ◇ ◇ ◇


 壊れても、繋がっている。


   ◇ ◇ ◇


 一方、裏側。


 この結果は明確だった。


   ◇ ◇ ◇


「……止まらないか」


   ◇ ◇ ◇


 男が低く言う。


   ◇ ◇ ◇


 連続で壊している。


   ◇ ◇ ◇


 だが——。


   ◇ ◇ ◇


 全体は崩れない。


   ◇ ◇ ◇


「構造が変わっている」


   ◇ ◇ ◇


 単発ではない。


   ◇ ◇ ◇


 連続でも耐える。


   ◇ ◇ ◇


 それは、これまでの街にはなかった形だった。


   ◇ ◇ ◇


「……面白い」


   ◇ ◇ ◇


 男は小さく笑う。


   ◇ ◇ ◇


「なら——もっとだ」


   ◇ ◇ ◇


 次の一手を考える。


   ◇ ◇ ◇


 崩壊では足りない。


   ◇ ◇ ◇


 “別の手”が必要になる。


   ◇ ◇ ◇


 一方、現場。


 夕方には、複数の崩壊が処理されていた。


   ◇ ◇ ◇


 完全ではない。


   ◇ ◇ ◇


 だが——。


   ◇ ◇ ◇


 機能している。


   ◇ ◇ ◇


 レオはその流れを見ていた。


   ◇ ◇ ◇


「……持つな」


   ◇ ◇ ◇


 小さく呟く。


   ◇ ◇ ◇


 単発ではなく。


   ◇ ◇ ◇


 連続でも。


   ◇ ◇ ◇


 崩れない構造。


   ◇ ◇ ◇


 それが、ここに出来つつあった。


   ◇ ◇ ◇


 だが——。


   ◇ ◇ ◇


 まだ終わらない。


   ◇ ◇ ◇


 次に来るのは、もっと直接的な干渉。


   ◇ ◇ ◇


 人か、情報か、あるいは——。


   ◇ ◇ ◇


 均衡そのものへの攻撃。


   ◇ ◇ ◇


 物語は、さらに深い対立へと進んでいく

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