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大山商事探検隊?

作者: 宇佐山彩葉
掲載日:2025/12/26

この記録は、大山商事の社長である大山正二郎の恐竜ヒッシ―を巡る愛と危険に満ちた大スぺクタル巨編である。


その日もアジシナ湖は、青空でした。アジシナ湖は、大きなおわん型の湖です。

 そんなアジシナ湖のほとりに、車が一台止まりました。

 車から降りたのは、大山商事と言う会社の社長と、平社員の二人です。

 三人は最近アジシナ湖で、もくげきされたヒッシーと言う恐竜を捕まえに来たのでした。

「やっとついたか。」

「飛行機と車を乗りついで、長かったですね。」

「なっなにか食べたいのです。このままではオナラが止まらなくなるのです。」

「おなら?なぜオナラが止まらなくなるんだい?」

「そっそれは……」

「社長!ちょっと来てください!」

「こっこれは!?」

 このとき、三人が見たのは、ヒッシーグッズを売った出店の姿でした。

 すでにアジシナ湖は、現地の住民によって観光地化されていたのです。

 アジシナ湖の周りには出店がたくさん立ち、幻の恐竜ヒッシー観覧ショーなんて言うのもありました。

これじゃあ探検する事も、ヒッシーを捕まえることは出来ません。

「なっなんて。」

社長がへこんでいると、出店で買った料理やおもちゃを持った社員がやってきて言いました。

「あっちゃー、先越されちゃいましたね。そもそも車で来れるまでになっている時点で、だめだったのでは?」

「ケバブ美味しいです。」

「けばぶ!?けばぶなんてどこで売っているんだい?あーあそこか♪お兄さん。僕にも一つ……って食べている場合じゃないよ!何を楽しんでいるんだい君達は!?」

「ずいぶん長いのりつっこみで。」

「行くよ!西島君、池山君」

「えっどこへ?」

「やつらの秘密をみつけだしてやる。」

 村民の後を付けた探検隊は洞くつに着きました。

「ここか。」

 社長はそっと洞くつに開いた穴から、中のようすを盗み見しました。

 すると、村人達が、ゴムで出来た恐竜のおもちゃに、空気入れで、空気をいれているではありませんか。

「思った通りだ!」

「うわあ、ひどい。インチキだ。」

「ケバブうまうまです。」

「けばぶ、まだ食べてたんかい!!」

 とその時です。予想以上に大きかった社長の声が大きかったからでしょうか?

「ダニーはとってもトイレに行きたいよ。今、直ぐに」

と、中にいた住民が洞窟の外に出てこようとしているではありませんか!

「まっまずい!」

慌てた探検隊ご一行は、その場を後にしました。

「さてどうしたもんか。」

 とほうにくれる探検家ご一行の前を、食べ物を持った現地の子供が通り過ぎました。

「ん?あれは。」

 少年が持っていた食べ物の量は、子供が食べる分にしては多すぎるくらいです。

「後を追うぞ!西島君。池山君。」

「えっまたですか?」

「ケバブ……」

 こっそり少年の後を追いかけた探検隊は、湖の反対側までつきました。そこで小さな恐竜にエサをやっている、少年の姿を目撃したのです。

「こっこいつは『ひっしい』なのか?イメージと違うような・・・」

「小さいですね。もっと大きいのを、想像していました。」

「確かに。」

「こいつはこれ以上、大きくならないんだ。」

「そんな、期待外れだ!西島君、池山君。すぐ帰国の準備を」

「待てよ。こいつが小さいからって、かってに怒って帰るなよ。」

「冗談だよ。」

「そうかい。そうかい。大人は直ぐにからかうんだ。」

「それにしても、勿体ないですね。」

「あーあ、そうだね。」

「もったいないって、なんだよ。」

「いやーいくら小さいからって。こいつも恐竜だ。世界でただ一匹、生きている恐竜として売り出せば村の人達もあんないんちきしなくて良いんじゃないかなって思ってね。」

「そんなの簡単だよ。」

少年は恐竜の顔に手を置き、悲しそうに語り出しました。

「だってみんなこいつが恐竜だって、知らないから。恐竜だっていい始めたのは観光客で。それまでデカイとかげだって見向きもしなかったんだ。」

「そうかい。じゃあ君は何がしたいんだい?」

「えっ?」

「まあ、やり方は間違っているけども。『ひっしい』のお陰で観光客が増えれば、村がうるおう。雇用が、生まれるんだよ。そうすれば、もう若者が都会に行かなくてもよくなる。君は、お兄さんにここに残って欲しくはないのかい?」

「残っては欲しいさ。けど、こいつには今まで通り静かに、くらしてほしいんだ。大人たちのお金もうけの為なんかに利用されたくない。」

「よし。わかった。大山正二郎、一世一代の大すぺくたるしょうを開催しようじゃないか!」

「社長、相変わらず。横文字に弱いんですね。」

「今はそんなこと気にしないでくれたまえ。」 

「よし、そうと決まったら。」

 社長は、衛星で通信出来る電話機を取り出すと、どこかに電話をかけました。

 数時間後、アジシナのほとりに、大だんまくが立ちました。   大だんまくに使われたのは、都会にある高級寝具店のシーツじゃないと、眠れない社長の持ってきたシーツです。

 その両端には、密林にはふつりあいな大きなライトが置かれます。このライトは、無事にヒッシーを捕まえた時に、テレビ局に取材される時用のライトで、社長が特別に持ち込んだライトでした。

 それを見た人々は、皆「これはなにごとか」といい始め、シーツの前に集まり始めました。

 人だかりをみた社長は、無線機越しに少年に言います。

「いよいよだね。みんなを見返すちゃんすだ。頑張りたまえ。我々が出来るのは、ここまでだ。後は君と恐竜……えっと、」

「イサ…おれはこいつの事イサって呼んでいるんだ。」

「君とイサが頑張る番だ。幸運を祈るよ。」

「ありがとう。」

 ライトの光が当たる木箱で作った台の上に一人の人物が、立ち言いました。

『これからショーを始めるよ。ケバブはやっぱり美味しいよ。実は五つ目だよ。』

「そんなに食べていたんだね。可笑しいと思っていたんだ。ケバブ一つ食べるのにあんなに……」

「そんなこと言っている場合じゃないですよ。これからショーが始まるんですから。」

 相変わらずケバブを食べながら、開会の言葉を言った社員にあきれている社長を横目に、別な社員がマイクを持ち司会を始めます。

『さぁ、大山商事プレゼンツス大スペクタルショーが始まりました。司会は、社内素敵眼鏡ランキング一位!本当は視力2.0!眼鏡をかけているのはモテたいから、西島がお送りします。今回ご紹介するのは、皆様ご損じのアジシナ湖のみに生息するヒ……』

 マイクを持った社員は近くにいた社長にそっと聞きました。

「流石にヒッシーじゃだめでしょうね。」

「いいさ。ちゃんと村長にはヒッシーをお借りしますと、書き置きしてきたんだ。大丈夫。」

『皆様もご存じ。アジシナ湖の名物竜、ヒッシーをお借りしてご披露いたしたいと思言います。』

「オーオーオー、ピューピュー」

「そんなわしゃそんな事聞いとらんぞ。」

 幕が開いて、姿を現した恐竜を見て人々は文句を言いました。

「そいつは、デカイだけの、とかげ!」

「ダニーも知ってるよ!

丸焼きにして食っちゃうよ!」

 それから数分間は、夢のような時間でした。

 恐竜イサは少年から投げられたボールを打ち返したり、口から水を吹き出してみたり、人をのせたりとショーは大盛況の内に幕を閉じました。

 ショーが終わった後、みんなは口々に言いました。

「凄い!こんなことが出来るなんて!」

「これは、うん。」

「うん。」

「うん。」

 うなずきあった村の人々は、やりを手に取り、少年に詰め寄ります。

「さぁその恐竜を、渡すんだ。」

「悪いようには、しないよ。本当だよ。ダニー約束するよ。」

「嫌だよ。さっきまでみんな見向きもしなかったのに、イサがすごいって判ったとたんいるなんておかしいよ。」

「ちょっと待った!」

 少年と住民達の間に入ったのは、社長でした。

「少々気が焦りすぎではありませんかね。先程も言ったようにそもそもこいつは、お借りした恐竜ですよ!」

「えっ!っと、ダニーは驚くよ。」

「なんだって!」

 突然周囲から煙が、吹き出し始めました。

 煙がきえたかと思うと、恐竜がいた場所にあったのは、洞くつにあった恐竜の人形の姿でした。

「これは……」 

「だからお伝えしたでしょう!あなた方の恐竜をお借りしたと。」

「もう少しでケバブを食べ終わっちゃうよ。

 翌朝、三人と少年は秘密の洞くつにいました。

「本当にこれで良かったのかい?みんなに認めてもらわなくて。」

「いいんです。だってイサには、静かにくらしてほしいから。」

それから大山商事ご一行は、日本に帰りました。

 社長がこっそりと衛星で、通信が出来る電話を置いてきたのは社員にはないしょです。





読んでいただきありがとうございます。この作品は何年も前に書いた作品です。

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