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第九話 5年前(8) 祠、再起動——バ〇ス!……は言わないッ!!←ええっ!?

【あらすじ】

5年前の回想で、本来の力を取り戻したムイカリは、ラ◯ュタ……じゃなく祠の最奥へ向かう。


________________



狐塚の祠。その最奥部。


かつてご神体が安置されていた神殿の台座は、今や朽ち。


木の根や蜘蛛の巣に覆われ、静かに眠っていた。



「ここに…この石を戻せば……」


ムイカリは、ギンジと共に台座を見上げた。


祠の機能を再び目覚めさせるためには、ご神体を元の位置へ戻す必要がある。


だが——。


「はあっはっはっはっッ!!」


後方から、例のスーツ姿のゴブリン大佐が猛スピードで突っ込んできた。


「くっ、しつこいねっ!」


「今度は3分も待ってくれそうにないっすね!」


警戒して身構えるムイカリとギンジ——が、しかし。


ゴブリン大佐は二人を素通りし、そのまま台座へダイブ!



「何だこれはっ!木の根がこんなところまで。

……一段落したら焼き払ってやる!」


そう言いながら、ホコリ、木の根、蜘蛛の巣を次々と丁寧に払い落とす。



「あった、黒い石だ!伝承のとおりだ!

読める…読めるぞっ!」


そう言って、なぜか陶酔しながら台にすがり、ブツブツと謎のセリフをつぶやく。


「……いや、それ木製の台だし、石じゃないし。」


明らかに邪魔である。



「私も……古い秘密の名を持っているんだよ……。私の名前は、ロムスカ・パロ・ウル・ラピュ……」


「邪魔ッ!!」

——バコォッ!!


ムイカリの平手裏拳が炸裂し、ゴブリン大佐は祠の壁へ吹き飛ばされた。


「……身も蓋もない……」

ギンジが小声でつぶやく。


「気にしない!行くよ、ギンジ」

ムイカリが青い石をギンジに手渡す。


「あっ、はい……」

やや戸惑いながらも、ギンジは台座の上に石をそっと置いた。


——ピカァァァァッ!


青い石が光を放ち、祠全体が震えるように共鳴する。


狐塚が……目を覚ましたのだ。


「なにっ!? バ◯スはっ!? 言わないのかぁッ!?」


床に突っ伏していたゴブリン大佐が突如として跳ね起きる。


「目がっ……目がぁぁぁッ!!」


その身体から黒い瘴気が噴き出し、浄化されるように煙となって消えていく。


——さらば、ゴブリン大佐。君の名(迷)演は、我々の胸に刻まれた……。


***


一方その頃。


祠の外では、継とムガイがまだ打ち合っていた。


両者ともに満身創痍。肩で荒く息をつき、ボロボロの姿。


(……次が、最後か)


「時間もねぇ!これで終わりだッ!!」

ムガイの腕に邪気が渦を巻く。


「いいだろう……白龍ッ!」


継も、警棒を高く構えた。警棒の光が一層増す。


示し合わすかのように、二人は駆ける。



「——式神・白龍!雷光纏身らいこうてんしん!!」


バチバチバチッ!!

雷鳴のような光が継の警棒に走る。



黒砂錐衝こくさすいしょう!!」

ムガイも禍々しい黒い気をドリルのように収束させる。


両者、同時に踏み込み——


——ズドォォォン!!!


雷光と邪気が激突!


閃光と爆風が巻き起こり、周囲の木々を吹き飛ばす。


「ぐぅぅぅっ……!!」


地面が割れ、両者が踏ん張る。

均衡するエネルギーの中、徐々にムガイの力が上回り始める。


(勝った……!)


ムガイが確信する。だが、その瞬間——


——ビカッ!!


祠の方角から光が差し込み、その光がムガイの腕を照らすと、邪気が一瞬にして霧散した。


「なっ……!?」


次の瞬間、継の警棒がムガイの右腕を粉砕する。


「グァアアアア!!」


ムガイは呻きながら後退。右腕は完全に砕けた。


「クソッ!あんなの作らずに戦ってればよかったぜっ!!」


僕もそう思う。



「終わったな……その腕では、もう戦えない」


継がそう告げると、ムガイはふらりと胸元から小さな装置を取り出す。


「悪いが、俺は捕まるわけにはいかねぇんだよっ!」


装置を起動させると、ムガイの背後に空間の裂け目が出現。


そのまま、光の裂け目に消えていこうとする。


「逃げるなっ!」


継が駆け出す——が、


——ズキンッ!!


「っ……!?」


頭に鋭い痛みが走る。


視界が霞み、耳が遠くなっていく。


「ちょっ!? アンタ、大丈夫かい!? ……だいじょ……」

ムイカリの声が、どんどん遠ざかっていく。


(まずい……意識が……)


バタン。


継はそのまま、地面に崩れ落ちた——


──つづく。


---


次回

決着、夜明け。


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