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第十五話 もぅむりの熊さん、本領発揮と。獄鬼衆、再び。

【あらすじ】


熊さんの相棒・バターコがピンチ!? 葉子さんが大奮闘した後、アオハル気絶。そこへマントを羽織った熊さんが元気100倍で登場! 今、おとこの本領が爆発する──!



---


バターコを抱きかかえた熊さんは、遊撃車の近くにそっと彼女を降ろす。


「バターコ、ここは危ない。君は車で待っていてくれ。ジョー、彼女を頼む」


「任されたよ。彼女のことは気にせず、ほどほどに暴れておいで。……ほどほどにな」


二度言った(笑)。


熊さんはニッと笑い、親指を立てて応える。 二度言った意味を理解してるかは……定かではない。



---


その間も、僕はデナイが召喚したゴブリンとゴブリンキング相手に奮闘していた。


ガキンッ! ザンッ! ザザンッ!


流水剣武を発動中で消耗が激しい。正直、もうかなりキツい……。


「待たせたなっ、少年ッ! ヒーロースーツ100%! 元気100倍の私が来たぞぉッ!!」


なんか色々混ざってるセリフと共に、マントをはためかせ熊さん登場!


「助かった……」


僕は警棒を一本、ホルダーに戻す。


「デナイと言ったなっ! お前は三つの罪を犯したッ!!」


熊さんがビシィッ!と指を突きつける。


「一つッ! バターコに襲いかかったッ!!」

「二つッ! バターコを怖がらせたッ!!」

「そして三つッ! ……これが最も許しがたいッ!!」


「それは……! バターコを傷つけたことだああああッ!!」


バターコを見ると……うん、膝小僧すりむいてる? 転んだだけ?


「全部同じじゃない?! しかも最後のヤツ。私、関係ないじゃない?!」


と、デナイが歌うのも忘れて突っ込む。うん、ご愁傷さま。


ズンッ!ズンッ! 熊さんが迫る。


「そうはいかないわよ〜♪」


ゴブリンキングが立ちはだかる!


バキャッ!!


無造作な裏拳一発。ゴブリンキングは霧と化す。


「なっ……!ならばこれよっ! ラララ♪ラーラーラーラー〜♪」


デナイの超音波が大地を裂く! 地面に亀裂が走り、空気が震える!


「うわああっ!」


全員が耳をふさぐ中、ただ一人。熊さんだけが……歩を止めない!


ズンズンッ!


「バ、バカな〜?! 音波攻撃は……苦手なはずぅ〜?♪」


「わかってないな」


「本気を出した私は──ッ!」


バッ! ダブルバイセップス!


「鼓膜の強度も──ッ!」


バッ! サイドチェスト!


「超人的なのだァァァッ!!」


ズバァッ! ラッドスプレッド・フロント!


……え、なんで見事なポージングしてるの??


対するデナイも……


「なっ……!」 クルッ! ターン! 「なんだってぇ〜?♪」 スタンッ! ステップ!


なぜか、二人は通じ合ったようにニヤリと笑う。


……僕たちは何を見せられているんだ。



---


「なにやってんだテメェはぁああ!!」


突然、怒声が響いた!


「あなたはっ!……だれぇ?♪」


デナイが首をかしげると、彼女の横に立っていたのは……!


「ムガイだッ!!」「クラメよっ☆」


「なんで忘れてんだっ!」


革ジャンのムガイ、あの5年前の戦いで見た、獄鬼衆!


派手なキャバ嬢風なクラメと呼ばれた女性の手には空間の裂け目。

……あの能力は、彼女のものらしい。


「久しぶりだなガキ……あの時のこと、忘れてねぇよな?」


「……ああ。僕もだ」


構える僕。だが、この消耗状態じゃ……!


「決着をつける、って言いたいとこだが。今回はそれが目的じゃねぇ」


ムガイがクラメに合図を送る。


「OK☆」


クラメは裂け目に手を突っ込み、ガサゴソと何かを探る。


「なにっ!? いきなり手がっ!? 」


遊撃車からムイカリさんの声が! 空間の向こうと繋がってる!?


「……ちょ、離しなさいよ☆ いったたたっ☆ふんっ!☆」


クラメが取り出したのは、封印の石が入った瓶! ……に、ムイカリさんの手までついてきた!?


「このっ、やってくれたわね! お返しよっ! ぺっぺっ☆」


ぺちぺちしっぺを食らい、ムイカリさんが瓶から手を離す。


急いでムイカリさんも車から降りてきた。


「悪い、ボウヤ。石、取られちまったよ……」


そりゃ思わないよな、空間を越えるとか!


「じゃあな、ガキィ!」


ムガイたちは裂け目の中へ逃げ込もうとする……が!


「許すと思うかぁああッ!!」


熊さんが間合いを詰め、拳を振るう!


ドッカーーーン!!!


大地が揺れ、森が吹き飛び、巨大なクレーターが出現!


気づけば、僕は巨大な白狐──ムイカリさんの背中に乗っていた。 遊撃車ごと空中避難していたのだ。


地面にはぽっかりクレーター……ただのパンチだったよね?


助っさんはムイカリさんに咥えられ、熊さんはバターコを抱えつつジャンプで空中避難している。


「……すまん、加減を間違えた」


熊さんがボソッとつぶやいた。


そりゃ、周りも[もぅむり]って言うわ……。


あの獄鬼衆の三人、無事かな? ……いや、跡形もなさそう。


「石も消し飛んだかな? ……調べてもらおうか、あの人に」


助っさんがぽつりと呟く。


「……あの人?」


「滅多に僕たちの前には出てこないんだけどね。五鬼ごき じょうさんだよ」



---


つづく

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