第十三話 迫りくる…恐怖!!←主に暴走の…
【あらすじ】
謎の黒い石を運ぶ警察車両を止めた妖異を召喚した敵、デナイは歌う。
「ある日♪森の中♪熊さんに♪出会った♪」
______________
止められた遊撃車の近く、熊さんがデナイを追いかけて行った後。
僕達は残りのゴブリン型妖異達の掃討にかかっていた。
なにせ、熊さんに轢かれたゴブリンたちも、結局は起き上がってきて。遊撃車を襲ってきてる。
僕も、次々と一刀に仕留めてはいるけど、なにせ数が多い。
助さんは、警棒と拳銃を片手に応戦しているけど、なにせ気をまとわせて無いので決定打に欠ける。
葉子さんは、ムイカリさんの力で放たれる狐火と。いつも持っている芯を抜いたボールペンに入れている管狐を二匹だして応戦していた。
いま出ている管狐は[クロ][シロ]。ほかにも[アカ][アオ][キイ]がいる。わかりやすいように、それぞれの色のボールペンに入れている。
ちなみに、ムイカリさんが出て来ないのは。出てきてしまうと、いざという時に葉子さんの周りで狐火をだせないからだそうだ。
つまり、ムイカリさんがキツネのお面にいる限り。葉子さんはムイカリさんが任意に出せる狐火バリアーに守られている事になる。
熊さんにコスチュームを届けにきたバターコという女性は、いつの間にやらいなくなっていた。避難してくれているといいけど。
ともあれ、このままでは時間がかかる。一人で突っ込んでった熊さんも気にかかるし。
………まあ、絶対大丈夫だろうけど。
「継さんっ! 大変なんですっ!」
葉子さんが慌てた様子で言ってきた。
「どうしたの、慌てて?」
「さっきのバターコさんっ! 熊さんを追いかけていったかもしれません!」
「なんだってっ!? なんで?!」
こんな状況で単独行動なんて、危険すぎるっ!
「ムイカリさんが、“ベアー、忘れ物してる”って呟いていたのを聞いていたみたいで……その直後に、いなくなっていたみたいです!」
「それ……まずいなぁ……」
と、助っさん。
「どうしたんですか?」
「いやね、熊さん。バターコさんのことになると、感情的になるから……暴走しなきゃいいけど……」
………げっ!! 暴走!? あの山も素手で割るパワーが、もし暴走したら………
「それって……どれくらいヤバいの?」
「僕でも……もう無理……! このままだと森が崩れて、街まで被害が出るかも……!」
マジかっ! 時間をかけていられない!
僕は新技を出すことにする。
ジャキンッ!
もう一本特殊警棒を降り出す、そしてそのグリップエンド部分同士を繋げる。
「憑依!同調!」
というと、白龍の光がもう一本にも移る。
「白龍二刀流――《流水剣武》っ!」
これは僕が、五年の修行で会得した連撃の剣技。
「――六連っ!!」
ザンッ! ザザッ、ザザザザザンッ!!
水の流れのような、止まらぬ連撃。
一瞬で六体の妖異を斬り伏せる!
――消耗は激しいが、短期決戦にはもってこいの技だ。
「一気に片付けるっ!!」
◆◆◆
森の中に、少し開けた場所。
そこで、五鬼 熊こと熊さんと、デナイが対峙していた。
「ふふふ〜♪しつこいわねぇー♪」
と、デナイが言う。いちいち歌わないとしゃべれないのか?
「ふんっ…忘れ物だぞ」
と、ゴブリンキングの王冠をデナイの足元になげた。王冠だけ残ってたのか。
「あら熊さん♪ありがとう♪お礼に♪歌いましょ♪」
そうして音波の壁を作り出す。
「ラララ♪ラーラーラーラーラーー♪」
さらに音波の出力を上げる。身動きが取れなくなる熊さん。
「グッ………」
「ふふふ…アナタがあの場で一番厄介だった、だからここへ誘き寄せたのよぉ〜♪」
「ここはアナタを中心に音が響きやすくなってるの♪さあ、くたばりなさいっ!ラーラーラー♪」
「グッ………がぁ…」
「ふふふぅ♪報告の通りね、アナタは身体能力が超人的な分、聴覚や視覚、嗅覚も超人的。それだけに、私との相性は最悪なのよぅ♪」
崩れ落ちるか……?そのとき…
ガサッ……
何者かの足音?
「バターコっ!!」
いつの間にか、バターコが追いかけて来てた?
「女っ!アナタも聞いているわよっ!熊さんの弱点っ!!」
と、言いながらデナイは三匹のゴブリンを召喚し、バターコを襲わせる!?
「………バターコォォッ!!」
バターコの無事は!? そして熊さん、暴走の危機か……!?
つづく!
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