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人外の狂涛  作者: 江華
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アダムズの家の作戦会議 2


耳障りな砂嵐と聞き取れない声のようなものが流れる。


「...動くのか?」


「動くさ。ただのコレクションじゃないからね」


まずは情報収集からだとアダムズは突然ベットの下に手を突っ込みラジカセを取り出す。不安はあるもののアダムズはガチャガチャと慣れた手つきでそれをいじっていく。


『...〜ッ〜ガガッ〜...南地区にある人外収容所。昨夜、何らかのトラブルか住民が...』


「ほらついた」


いくら動いたからと言ってムカつくドヤ顔を向けられては蹴りのひとつも入れたくなる。


「テレビがあればこんな時間は食わなかったぞ」


「分かってないなぁ。ロマンが」


「お前の趣味など理解したくも無い」


『これにより、1匹の人外を逃がし2人の看守が死にました。看守であるウィル ・ アダムズと.....』


「あぁ、やっぱり死んだことになったんだね」


聞いた事のある名前がよぎる。アダムズは姓だった。

当のアダムズはあの状況じゃしょうがないと、小さく呟き心做しか寂しそうだった。


「それでも濡れ衣だぞ。私は殺してなどいない」


中に取り込んだ様子が食べたように見えたのか。確かにあの場にいた全員がサッと青ざめた顔になった。


「...本当に殺してないの?あの時、上官を...」


明らかに緊張した顔つきになる。だが、銃を突きつけたものの最終的には武器を放棄する羽目になったわけであの場で殺しは一切していない。

それでもアダムズやラジカセが言ったように私が犯人扱いされているのは1番の加害者であるから。上官とやらに1番近かった。

でもアダムズが殺したと断言しないのは


「お前も見てないのか」


あの時、上官を撃った犯人を私は見ていない。

アダムズの肩がピクりと動いた。


「分からない..ただ、押し寄せてきた看守の中から銃弾が飛んでくるのが見えた。でも仲間を殺すなんて...」


何やらブツブツと呟きひとりの世界に入ってしまう。やはり犯人は見ていないようだ。

エオローを陥れた人間に興味など無いがあのどさくさに殺るやり方、気持ち悪いほどに引っかかる。何かを隠蔽したのかも。それを知るためにもこの事件が風化しないうちに乗り込んでしまいたい。危険ばかりだが弱点を知れば多少容易になるはず。

ローガンはラジカセに近ずき音量を上げた。それによりアダムズが現実に引き戻される。


『責任者は深い詫びの言葉と警備の見直しがされており早くも近隣住民から応援の言葉や落ち着かないなどの意見が...』


「侵入は簡単そうじゃないね」


アダムズが言う。


「ねえ、やっぱり...」


訴えるような顔を向けてくる。


『逃げ出した人外の見た目は...』


「あ〜、これで簡単に出歩けないね」


「人間に見た目を変えても駄目か?」


「無理だと思うよ。収容所で知り得た君の情報は全て報告してしまったから」


『この特徴の人外を見つけたら直ちに逃げてください』


そしてラジカセはニュース放送をし終えば今日の天気の様子を予報し始めた。

聞き終えたアダムズは急に立ち上がり、


「そうだ。バレない程度に収容所の様子を見てくるよ」


と、家を飛び出して行った。

私も着いて行こうと思ったが、人間用の顔もバレているとなれば大人しく待つのが最善だろう。

だが、こうも1人静かな場所にいると嫌な事ばかり思い出してしまう。密かに思っていたことが徐々に溢れ出していく。あいつ(アダムズ)はきっと知らないのだろう。知っていたらどう思うのか。想像するのは容易い。

私は収容所へ乗り込めば人殺しなど簡単に行うことを


ローガンはエオローのことを想い全身に力が入った。既に爪痕が残っている拳をさらに強く握りしめ、血が数滴滴った。

こんな張り詰めた空気の中、1時間ほど経ったとき、アダムズが帰ってきた。何やら全体的に雰囲気が暗かった。

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