其之百漆話 粗筋(あらすじ)
【第弐章まで……】
古の惡童鬼、鬼弥呼の力を我が物にせんと御魂となって生き永らえた、邪な念を持った宮司、神酒剛健。
鬼弥呼のみならず最恐最惡の鬼、蛇鬼の力をも我身に取り込み、邪悪な鬼『黒鬼』と化した。その惡力は蛇鬼をも凌駕する程最悪最恐。黒鬼はその惡力で蛇鬼の悲願『日ノ本を滅ぼし惡の巣窟にする』その業をその手で成就しようと企んでいた。
しかし、その企みに立ちはだかったのが、且つて、日ノ本を恐怖に落とし陥れた蛇鬼を完膚なきまで打ち祓った東城舞美の孫娘、青井優。そして幾百年の昔、数多の妖者を祓い、名だたる神守り達と共に、蛇鬼に立ち向かい之を封じた強力な神氣の持ち主、氷と雷を操る宮司の御魂、嫗めぐみこと嫗千里乃守。そして青井優の血縁、火焔の纏を纏う井桁舞。この三人の活躍により見事、黒鬼を打ち祓った。
【そして物語は第参章へ……】
時は流れ、舞台は某県榊市。この街にある道場『神武館』の館長の名は神舞。その旧姓は、黑鬼を祓った三人衆のひとり、井桁舞だった。そしてその一人娘の神一縷は、小学五年生。母親の舞は、自分の神氣の弱さに引け目を感じていたが娘、一縷の力は、東城舞美に匹敵する程の強い神氣を受け継いでいた。
一縷は、五年生になったある日、神棚にある門外不出の神器『櫻嘩の指輪』を指に興味を示し、指に通すと内に秘めていた神氣が目覚め、その日から母親に内緒でこっそり指輪を持ち出し、その神氣を使い下級妖者を祓う人助けを始めた。
最初の内は、その力の未熟さを心配して激しく叱責した母親だったが、一縷が六年生になった時、その進化する神氣に希望を見出した母親は、一縷に指輪を託した。
そして中学生となったある日、事が起きる。
学校から帰宅すると、母親が猿面を付けた妖しき者と激しく争っていた。
『一縷、逃げて!』
その言葉に、戸惑いながらも背を向け走り出した。だが妖しき者は、非情にも逃げる一縷の背中を目掛け、巨大な剱を投げつけた。
だが、剱が一縷の背中を捕らえる寸前、母親が後ろから庇い、舞の背中に深々と突き刺さった。
致命傷を受けた舞……
『行くのよ……一縷………………火焔壁っ!』
一縷を逃がした後、最後の力を振り絞り剣技を振れば、激しい炎の壁が立ち上り、妖しい者の行く手を阻む。逃げる娘の後姿を見ながら舞の命は尽き果てた。
しかし一縷が逃げる先は、道場の中しかなかった。物陰に隠れるもすぐに見つかり、刀を突きつけられ問われる。
『娘……月下の半刀……何処に隠している?』
『知らないっ!そんなの知らないっお母さんを返してっ!』
『ふん……ならば死ね……』
そう言いながら刀を振り上げる妖しき者。そこへ絶命したはずの舞が現れる。
『親友の仇……』
そう呟いた舞は、凄まじい剣術を駆使し、妖しき者を一瞬で消し去った。この時、舞のその身体には、眠っていた嫗めぐみの御魂が目覚め、宿っていた事を一縷は、まだ知る由もなかった。
自分の目の前で絶命した母親が突然、目の前に現れ、その姿に呆然とし座り込む一縷。舞がゆっくりと歩み寄り何かお伝えようとした……その時、暗闇の中に今度は、鶏面を付けた妖しき者が現れる。
力が抜け立つ事が出来ない一縷を庇いながら抱き寄せ、怪しき者に向かって剱を突きつける舞。しかし鶏面の妖しき者は一礼をし……
『月姫を……月下の刀…で……どうか……お守りくださいませ……』
そう言い残し再び頭を垂れながら暗闇の中に消えていった。
突如現れた妖しい者達。その正体は、この国の名だたる神社に仕える神守り、その名を神面衆。その者達の目的は、月姫なる者の力を手中に収め、その力と月下の刀で闇の神、月読尊を亡き者にし、闇を統べる王になる事だった。
この危機に、一縷は、東城家、先祖の御魂、五珠の力と半刀が復活した刀『真真月下の刀』を携え謎の対者、神面衆を迎え撃つ。
次々と現れる神面衆。そして月よりの使者、神の使いと言われる月姫とはいったい何者なのか。三度迫りくる日ノ本を危機から守る為、一縷達の闘いが今、始まる。
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現在室温39度、クーラーなし、扇風機2台、しかし体に当たる風は、温温温温熱温風。iPhoneの充電が高温で止まった……逃げようがないこの状況……皆さんは無理しないで下さいね。