おまけ 長野の海についての会話
リビングでアイスコーヒーを飲みながら、いつものように話す三人。
桜子が覚えた言葉を喜び勇んで使った。
「楽しかったね。長野の海」
雅が首を傾げる。
「あそこ、長野の海って言っていいのかなぁ」
茉莉花は気だるそうに答える。
「いいんじゃない?北の方の長野県民は新潟県の海ならどこでも行くもん。長野から近い上越あたりが多くなるのは確かだけど」
「上越なら松本へ行くより近いもんね」
「夏はなんだかんだ行きたくなるよね。長野県民なら」
「夏だけじゃないでしょ。茉莉花たちが行った鮮魚マーケットみたいな所も調べるとあちらこちらにあるし」
「色々と魚介の美味しい冬あたりに一回行きたいね」
「新鮮なイカを手に入れて塩辛が作りたいな」
驚く桜子。
「雅ちゃん。塩辛なんて作れるの?」
答える雅。
「鮮度のいいイカがあればね」
「食べた~い」
「あたしはお刺身も食べたいけどね。茉莉花、海鮮丼を食べたんでしょ?」
茉莉花が答える。
「うん。美味しかったよ。あの日、雅と大輝くんは何を食べたの?」
雅も答える。
「へぎそばっていうの?食べたよ」
「ああ。布海苔がつなぎで入ってるヤツね」
「好みで言うと、あたしは信州そばの方がすきだけど、これはこれで美味しかったよ」
「ふ~ん。食べたこと無いや」
「あとね。ちょこっとだけど、一緒に付いてたお寿司が美味しかった。やっぱり海が近いと違うね」
「自慢の長野の海だからね」
「あはは…」
桜子が間の抜けた声を出した。
「いいなぁ~」
茉莉花が素早くティッシュを取って、桜子の顎に押し当てた。
「桜子。よだれ、よだれ」
「なんか、お腹すいたな~」
せつなげな桜子の顔を見て笑う雅。
「じゃあ今日は夕食を早めにしようか」
雅は立ち上がった。
おまけ 長野の海についての会話
――終わり――
次回「第九話 会いたい人 その1 エッチなお姉さん」は3/21(金)に投稿する予定です。




