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霊能力美少女の家 ―逝かせてあげる♡―  作者: 如月るん
第四話 幽霊の住む家
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おまけ 長野あるあるについての会話1

 リビングで、桜子が茉莉花に訊いた。


「サンドリヨンって、元ペンションでしょ?」


 茉莉花が頷く。


「そうね」


「あの近くにもペンションとかあるの?」


「けっこうあるんじゃないかな。サンドリヨンのとこ最初に建てたオーナーが近くで新しいペンションやってるって聞いたし」


「観光客なんて来るの?」


「来るからやってるんでしょ?」


「何が目当てで来るの?」


「そりゃ、長野市周辺は観光地も多いから」


「でも、サンドリヨンの周りって木しか無いよ。なら街中とか、観光地の近くに泊まった方がよくない?」


「あの辺のエリアも観光地と言えば観光地よ。それに、自然を求めて来る人もいるでしょ?」


「だって、ホントに木とか鳥とか動物だけだよ」


 茉莉花は苦笑いした。


「桜子はそういうとこで育ったから珍しくないのかもしれないけど、都会の人たちには価値があるのよ」


「そういうものなの?」


「それに高原だから涼しいでしょ?避暑にもなるから」


「まあ、それはわかるけど」


「長野県はペンションやホテルだけじゃなくて、別荘も多いのよ。夏に暑さから逃げてくるんじゃない?」


「夏しか来ないの?」


「いや、まあ、紅葉の時期とか他の時期も来るだろうけど。スキー場あるから冬に来る人も少なくないんじゃない?」


 そこで桜子は思い出したように言った。


「わたし、一応スキーできるよ。上手くないけど」


「あら、意外」


「学校でスキー教室とかあったもん」


「山に囲まれた地域の定番よね」


「うん」


「じゃあさ、春とか夏に登山とかあった?」


「あった。あった」


「定番よね」


「よね」


 雅が運んできたコーヒーを並べながら言った。


「あたしの入れない話をしてる」


 桜子はコーヒーを置かれると「ありがと」と小声で言ってから、雅に訊いた。


「雅ちゃんの学校はそういうの無かったの?」


 雅はいつものソファに座りながら答えた。


「無かったなぁ。小学生のとき校外学習みたいなのはあったけど」


「どんなとこ行くの?」


「覚えてないわよ。なんか交通公園みたいなとこ行った気がする」


「へえ」


「あ、あと、アニメの博物館に行ったよ。あれ校外学習だったかなぁ。覚えてないけど」


「あ、いいなあ」


 コーヒーを一口飲んでから茉莉花は言った。


「校外学習なら長野にもあるよ。川中島の博物館とか行った記憶がある」


 桜子は思い出して言った。


「長野に博物館、多いんだもんね」


 茉莉花は中空を見つめて思い出しながら付け足した。


「何のだか忘れたけど、工場見学とかも行ったよ」


「工場見学、楽しいよね」


「そお?わたしは別に。最後にもらえるお土産は嬉しいけど」


「うん。何かもらえるよね」


「あと学校行事じゃないんだけど、小学生の頃に親と一緒に農業体験したことある。あれは楽しかったな」


「へえ…」


「桜子はしたこと無いの?桜子の所って、そういうイベントが多そうなイメージあるんだけど」


「多くないよ。だって農業が家業って子が多いもん。わざわざ体験とかしないよ」


「あーなるほど」


「農業体験ってどんな事するの?」


「普通よ。ほら、耕平くんの話をおばさま方に聞きに行ったじゃない?ああいう所に行って、収穫の手伝いとかすんの。お土産ももらったよ」


 桜子が急に思い出して話題を変える。


「あのおばさま方、おしゃれだったよね」


 話題が変わった事に抵抗感も無く、茉莉花は乗っかる。


「メイクまでしてたけど、農作業の時もするのかな」


「どうなのかな」


「汗とかかいたら落ちちゃいそうよね」


「うん。――でも、あの野沢菜おいしかったな」


 また急に話題が変わった。桜子の会話には脈絡が無い。ただ、茉莉花もそれに違和感を覚えない。マンチカンに言わせると、女の子の話には一貫性が無くて理解できないらしいのだが、茉莉花たちにとっては成立しているので何が理解できないのかがわからない。

 茉莉花は当たり前のように受け答える。


「あれ、長野のあるあるよね。自分とこで漬けた野沢菜自慢」


「そうなんだ」


「タッパー三つあったでしょ?」


「うん」


「おばさま三人が、それぞれ持ってきてるのよ。自分ちのが一番って思ってるから、人に食べさせたいの」


「あー、そういう事だったんだ。なんで三つあるのかと思ってた」


「わたしは公平に三種類とも食べてたよ」


「えー、言ってよぉ。わたし一種類しか食べてない。他の二人、気分悪くしたんじゃないかな」


「言えないじゃん。ご本人たちの前で。まあ、大丈夫だとは思うけど」


「でも、なんで爪楊枝だったんだろうね。あの公民館、お箸なかったのかな?」


「違う、違う。なんでなのかは知らないけど、野沢菜をお茶うけで食べる時は家でも爪楊枝だよ。なんか、それが長野の定番というか」


 雅が考察する。


「ああやって持ち寄って食べたりするから爪楊枝が便利なのかな?家でもお箸を洗わなくていいし」


 茉莉花が頷く。


「かもね」


 雅はついでに思い出した。


「あと、あれも長野あるあるよね。お茶の継ぎ足し」


「あーねー」


 桜子が首を傾げる。


「なにそれ」


 茉莉花が解説する。


「お茶、飲み終わってないのに、減ってくると継ぎ足されてたでしょ?おばさまに」


 桜子は四回頷く。


「そういえば」


「飲んでも飲んでも継ぎ足されるから、いつも湯飲みはいっぱいなのよ」


「わたし、早く飲めって言われてるのかと思って飲んでたから、お腹たぽたぽだった」


「あはは。自分のペースで飲めばいいのよ」


 雅が提案してみた。


「ウチでもたまにはティータイム、日本茶にする?野沢菜は市販のだけど、長野はスーパーで売ってるのも美味しいのよね」


 茉莉花はコーヒーを一口飲んでから言った。


「わたしはコーヒーでいいかなぁ。日本茶は食事のとき飲むし、野沢菜はご飯の時にたまに出してくれるし」


 桜子も同意する。


「わたしも」


 雅はため息をついた。


「あっそ」


 話が盛り上がっていたので気を利かせて張りきって提案した自分がバカみたいに思えた雅だった。



おまけ 長野あるあるについての会話1

――終わり――


次回「第五話 家族の残照 その1 デパ地下とうらら系」は9/24(火)に投稿する予定です。

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