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西堀の隠居のはなし《小分け版》  作者: ぽすしち


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もどかしく つらく



「だ、だから、じいさん ――」


「まあ、強く、当たったのかもしれませんねえ。牽制の意味をこめて。それに、周りの者へも、『自分は気付いてるぞ』ってわかるように」




 気付いていなかったのは、ヒコイチと、若旦那だけ。




「 それでも、お嫁さんの習慣は治らなかったようです。 で、しかたなく、セイベイさんが、直に話すことになった」


     





    『 若奥様が亡くなったのは、大旦那様のせいですよ 』



 だからといって、セイベイが悪いわけではないと言った女の顔がよみがえる。


 人との接し方が下手だともくわえ、もどかしげに声を震わせたサネは、すべて、知っていたのだ。

 

 だが、自分では何も出来ない。



 相手は、なんといっても、お店の奥様である。





「セイベイさんに、諭されたとき、フキコさんは、それはそれは、ひどく驚いた顔をされたそうです。 そして、怒鳴って飛び出したのを、サネさんが見ていた。 きっと、ひどい侮辱だと取ったでしょうね。自分が信じてきた普通のことを、ひどくきつく言い表されて・・・」



「・・・じじいは・・言葉を、選びませんから・・」



 薄い色のお茶をのぞき、自害した娘の顔を思い浮かべようとしたけれど、もう、はっきりとは、思い出せなかった。





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