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西堀の隠居のはなし《小分け版》  作者: ぽすしち


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34/52

おればっか わからねえ


 のぞきこむガラス玉の眼を見返し、変におそってきた寒気を気にしながら頼んだ。


「 ノブさん、今度のはなし、馬鹿なおれにも、わかるように説明してくれよ。 なんだか、まったくわからねえ。 ―― 結局、じいさんはボケてんのかい?なんで元気になっちゃまずいのか、おれにはさっぱりだ。 サネババアは、一条のお坊ちゃまに教えてもらえの一点張りで、あのおしゃべりが嘘みてえにしゃべらねえ。 しかも、若旦那は人が変わったみてえにこっちに気を遣って、帰りも見送るしまつだ。 一緒に見させてもらった祠の中は、なんだかいう有名なのに彫ってもらったっていう、観音様が入ってて、それが『地蔵さん』だとか言うんですぜ?」



「へえ」



「ほら、やっぱりおどろかねえ。 おればっか驚いて、首傾げて、わかってなくて、他のやつらはみんな『まるくおさまった』みてえな顔してやがって」



 ぶつぶつというよりは、責めるように段々と声が高くなり、せんべい布団から這い出すように詰め寄ってきたヒコイチの肩を、お坊ちゃまは、どうどう、とおさえると、指を立てて説明を始めた。




「ええっと。 ―― じゃあ、まず、ご隠居さんは、ボケてなどいらっしゃいません」


「はああ? だって、いくらなんでも、毒団子食っちまったんじゃ」


「わざとです」


「・・・え?」



 お坊ちゃまは近くの火鉢の上から鉄瓶をとりあげ、急須に湯を注いだ。




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