スピアの気持ち3
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スピアが来たのは、プレイヤーメイドのお店だった。
「すみません。指輪を作って頂きたいのですが、今大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「おいくらになりますか?」
「宝石を拝見してからで良いですか?」
「はい、これです」
スピアは赤い宝石を見せる。
「レッドダイヤモンドですね。これなら、3000ゴールドで出来ます」
「分かりました。先払いでお願いします」
「はい、ありがとうございます」
どんな指輪になるのかな?とスピアは思う。少し形が変わるのかな?それとも丸型のまま?考えるだけでワクワクする。
すると、
「出来上がりました」
と声がかかった。
「どんなのだろう?うわぁ、素敵!」
そこにあったのは、ハートシェイブカットされたレッドダイヤモンドだった。
「赤色なので、ハート型が似合うと思いまして。満足頂けたようで、良かったです」
「はい!この指輪大事に使います!」
「ふふふ、ありがとうございます」
これで今日の予定は終わった。後は二人と相談して決めよう。
「二人は何か用事ない?っていうか、ケンのそのネックレスどうしたの?」
「これか?このネックレスは自作したんだ」
「それもだけど、中心割れてない?」
「よく気づいたな。アクセサリー職人で作った時、メーターを振り切って作ったらこうなった。ちなみに威力は上がってる」
「指輪には、威力が関係あるんですね」
「それ初耳」
「スピアのレッドダイヤモンドは炎の力が操られるはずだぞ」
「どれどれ?」
「お客様、店内での魔法の行使は禁止されています」
「おっと、すみません。外に出ますね」
「確かスピアは火属性魔法を習得してきたな。その指輪を介して、火属性魔法を使ってみてくれ」
「よっし、それじゃいくよ」
正直魔法の効果が上がるのは、どうでも良かった。あんまり期待もしていない。けど、
「爆炎!」
何も起こらない。
なになに。この魔法は強大過ぎるため、街中で使用することが出来ません。なるほど。そういうことか。
「ファイヤー」
指先から炎が出てくる。炎を全身に纏えるような気がする。やってみると、ケンとユミから驚きの言葉が発せられる。
「なんだそれは!?」
「ビックリです」
「大丈夫か?スピア。おーい」
あたしは一呼吸おいて、
「大丈夫だよ。炎が熱くない。レッドダイヤモンドの効果かも」
「それなら良かった。こっちが熱いから、そろそろ技を止めてくれないか」
「りょーかい」
ファイヤーを止めた。同時にパチパチと拍手が、周囲から聞こえてきた。
「どうも、どうも」
あたしは頭をペコペコさせながら、拍手に応えた。どうも人気者になったらしい。
だけど、
「街中で魔法は控えて下さいね」
と優しく諭されてしまった。
「はい、すみませんでした」
素直に頭を下げる。あんな強い火魔法になるとは思っていなかったからだ。
もう街中では魔法の行使はしない方が良いかもしれない、そう考えていると、
「すまん。スピア。俺が火属性魔法を使ってみてくれ、なんて言ったから」
「ううん、大丈夫。誰にも被害がなかったし、次からは街の外で試すって決めたから」
てきぱきと思考をして、今回の失敗は次に生かすことに決めた。
次はこの宝石の力を存分に発揮したいな、と考える。また、PvPこないかな?
そんなことを考えるくらいレッドダイヤモンドの効果は素晴らしかった。ケンと折半して買った宝石なのだから、大切にしようと心に決めた。もっとグレードの高い宝石が欲しいのも嘘じゃないけどね。今はこの宝石を大事にしたい。
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