ハンバーガーショップのお手伝い
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リンがハンバーガーショップをやっている間、俺達はお酒をかわすのだった。
「見ろ!一日目にして、この収益だぞ」
細かい利益は酔っていてよく見ていないが、相当販売数が多かったのだろう。
「良かったですね。リンさん」
「うむ、明日は口コミで、もっと多くの客が来るぞ。パンズ作りを手伝ってくれ」
「仕方ねぇな」
夜までパンズを焼き続けて、その日は解散となった。
ホテルで眠る。太陽の人達の夢を見た。金髪に黄色の目をしたその人達は、黄金色をした小麦を栽培していた。
・・・なんで敵対しちゃったんだろうな。そうか、月の人達が多くなってきたから、牽制したんだった。と思い出す。
でも今は、太陽の人達も月の人達も少なくなってしまった。代わりに冒険者が増えたな、と思う。それにしてもレイアの金髪が気になる。太陽の人達のハーフなんじゃないだろうか?
夢から覚める。チャットにはスピアから、マグナスの広場に集合と書いてあった。
「儂はパス」
とアックスからの書き込みがあった。
俺は
「了解」
と短く伝えると、マグナスの広場へ駆け出した。
広場へ着くと、既にスピアとユミが揃っていた。
「待たせちゃったかな?」
「いえ、私も今来たところです」
「うん、待ってないよー」
「そりゃ、良かった」
「ところで、今日は何をするんだ?」
「まずはハンバーガーショップに行って、ハンバーガーを食べるでしょ。そしたらその後アクセサリー店に行って、指輪を作ってもらうの。とっても素敵でしょ?」
俺とユミはハンバーガーショップの話を聞いて、思わず吹き出してしまった。
「なに!?今の話に笑うとこあった!?」
ちょっとスピアは怒っている。だがしかし仕方ないだろう。昨日の今日でこれなんだから。
「悪い、悪い。そのハンバーガーショップは俺達が立ち上げたものなんだよ」
発想は俺とユミなんだから、これくらいは言って良いよな。
「そうなんだ。じゃあ行ってみようよ」
スピアに先導されて、曲芸師ギルドの前に行く。
ハンバーガーショップは大変賑わっていた。
「猫の手も借りたい」
そうリンが呟きながら、ハンバーガーを作っていた。
「俺達はお店を手伝ってくるよ」
「では、いってきます」
俺とユミはハンバーガーショップに駆け寄る。
「大丈夫か?手伝うぞ!」
「私もお力になれたら」
「おお、ケンにユミ。手伝ってくれるのは嬉しいぞ」
てきぱきとお客さんをさばいていく。ついにスピアの番になった。
「ハンバーガーを三つ下さい」
と言って俺とユミにウインクしてきた。
「はい、ハンバーガー三つ、お待ちどう」
「ありがとうございます」
そう言って、スピアは広場へ戻っていく。
「じゃあ俺達はそろそろ抜けさせてもらうな」
「ああ、大いに助かったぞ」
並んでいるのはあと三人だけだった。その三人を済ませてから俺達は抜けた。
広場へ急いでいくと、袋にハンバーガーを持っているスピアを見つけた。
「お待たせ」
「お待たせしました」
「お疲れ様。さあ、みんなで食べましょう」
スピアはハンバーガーを食べれるとあって、上機嫌だった。
「では」
「「「いただきます」」」
「このハンバーガー美味しい!」
スピアが喜んでいた。
「なんてったって、中に挟んでるハンバーグが本格的だからな」
「本当ね」
「そうですねー」
こうして、朝食を済ませた一行はアクセサリー店へ向かうのだった。