アクセサリー自慢
ブックマークありがとうございます。
「あの、良ければプラチナを売ってくれませんか?」
俺はシャインにそう言っていた。
「良いですが、値が張りますよ?」
「ええと、おいくらですか?」
「100グラム10000ゴールドです」
「じゃあ100グラム下さい」
「100グラムと言うと、結構な量だぞ。良いのか、ケン?」
「ああ、いくらでも使い道はあるからな」
「それなら良いが・・・」
「では、交渉成立ですね。プラチナ100グラムどうぞ」
「ありがとうございます。10000ゴールドです」
「確かに頂きました」
「それじゃあ、またな」
というタメ口のリンに対して、笑顔を向けるシャイン。一体どういうパワーバランスになっているんだ?いっそのこと聞いてしまおう。
「なんでリンはシャインに対して、タメ口なんだ?シャインは敬語なのに」
「それ私も気になってました」
「簡単に言うと、星星の人達の序列だな」
「星星の人達の序列・・・?」
「序列ですかー」
「あれ?ユミ聞こえたのか!?」
「ええ、簡単に言うと・・・序列だな。と聞こえました。序列・・・?もです」
なるほどな、星星の人達についての情報はブロックされているのか。
「そういうことだ。年齢は関係なく、序列で判断される。ケンはなって間もないのだから、序列は最低ということになるな」
「それだとリンに敬語で話さなきゃいけないのか?」
「かっかっか。友達同士に敬語など不要であろう?まあ、序列を優先するなら話は別だが」
「なんだ。リンは俺のこと友達だと思ってくれていたのか?素直に嬉しいぜ」
「ああ、お主もだろう?ケンそしてユミ?」
「おう。リンは友達だぜ」
「はい。私もリンさんの友達です。敬語は癖で抜けませんけど」
「十分だ。ケン、ユミ仲良くしてくれてありがとうな」
太陽のような笑顔を見せるリン。星星の人達なのに、太陽のような笑顔か、それもまた良いだろう。いつものアンニュイなリンも良いが。
「こちらこそ仲良くしてくれてありがとうございます」
「そうそう。ありがとな」
「俺は広場でアクセサリーを作ろうと思うんだが、二人はどうする?」
「なんだアクセサリー作りなら、曲芸師ギルドで行えば良い」
「良いのか?じゃあお邪魔させてもらおうかな?」
「私はお二人に着いていきます」
「じゃあ、曲芸師ギルドへ行こう」
「おっと、その前にこのアクセサリーを自慢させてくれ」
「良いけど、どうするんだ?」
「決まっている。各ギルドを回るのだ」
「ええー!?」
と同時に声が出てしまう俺とユミ。
「案ずるな。序列は私が一番上だ」
そういうとギルド巡りを始めるリン。とりあえずついていく俺とユミ。
「どうだ?凄いだろう?」
と子供のように自慢するリン。
「はい、羨ましいです」
と答える、剣士ギルド長。
俺が入れなかった剣士ギルドは、あのギルド長が運営しているのか。端正な顔つきで、髭など一切ない顔だった。
次々とギルドを回って行き、いよいよ次は弓士ギルドである。
「ちょっと恥ずかしいので、影に隠れさせて下さい」
と言うユミだったが、
「おーいユミ。こっちに来てくれ」
とリンに呼ばれて、しぶしぶ行くことになった。
なにやら三人で楽しそうに話している。ユミの顔は真っ赤だ。
しばらくして二人は帰って来た。
「ユミの顔が真っ赤だが、なにか言ったのか?」
「なあに、ユミは立派な曲芸師ギルドの一員だ、と言ってきたまでだ」
そりゃ照れるわな、と思う俺。
「そうだったのか」
と返事だけはしておく。