表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/134

ケン、ダガー使いになる

ブックマークありがとうございます。

ケンとアックスの二人で鍛え始めて一時間が経過した。

「そろそろ二人でパーティーを組んで、森にでも行かないか?」

とアックスから誘いがかかる。

「良いね。賛成。だけどその前に商店に寄っても良いか?」

「おうよ」


目的の商品を探し、商店を巡る二人。立派なお店には興味がなく、ブルーシートを敷いて営業している人を中心に探す。噴水から離れれば離れるほど、ブルーシートのお店が増えていくようだ。


「あった。あった。ダガー、一本おいくらですか?」

「はい、一本50ゴールドになります」

「じゃあ、十本下さい」

「500ゴールドになります」

「はい、どうぞ」

「ちょうど、まいどあり」


「そんなにダガー買い込んでどうするんだ?」

アックスの疑問は当然である。

「なあに、ちょっとジャグリングするだけさ。それと指でバランスを取ってDEX(器用値)も上げたいだけさ」


「ところで森に行ったことがないんだが、どんなモンスターが出るんだ」

初心者の鎧を装備しながら、ケンが聞く。

「実は儂も行ったことがないんだ。パーティーを組めばなんとかなるかと思って誘ったんだ。モンスターはホーンラビットと、ワイルドボーア、ボスにグレズリーがいるらしいぞ」

「じゃあ、今日は様子見ってことでホーンラビットと、ワイルドボーア狙いで良いのかな?」

「うむ、それが良いだろう」


途中の草原でスライム相手に火吹きを見せた時は、アックスに大層驚かれた。ダガーのジャグリングといい、一体何者なんだと聞かれた。答えは秘密でも良かったんだが、せっかくパーティーも組んでいるのだから教えることにした。

「曲芸師をやっているんだよ」

「曲芸師って難易度ベリーハードの職業か?」

「おそらくそれで間違いない」

「まともに歩けすら出来ないって聞いたぞ?」

「まあ、最初の頃はそうだったね」

「それに加えてアクロバットか。なかなかピーキーな構成じゃないか」

「ああ、使える場面は限られてくるよ」


そんな話をしているうちに、辺りはうっそうとした森林になってきた。木々の間からキラキラと太陽の日差しが入ってくる。


ホーンラビットが現れたのは、そうして木漏れ日に見とれている時だった。

「敵視」

アックスがターゲットを取ってくれる。おかげで楽にダガーをホーンラビットに投げられる。前足二本を串刺しにしたので移動しにくそうである。しかも、移動するたびに追加ダメージが入っている。なんと追加ダメージの方が多い。初心者の鎧に攻撃力-15が付いているので、そのせいだろう。タガーをジャグリングしながら、今度は後ろ足を狙う。移動力のないホーンラビットだったので、簡単に当てられた。


「よし、後は任せろ」

アックスはそう言って、剣を装備しながらホーンラビットへ向かって行く。近づくと剣でホーンラビットを一刀両断にした。

「ナイスだ。アックス」

「儂もまだまだ捨てたもんじゃないだろう」

「ああ」

ドロップ品は100ゴールドとホーンラビットの角一本と肉一切れだった。ダガーは回収している。


木陰に身を隠すとひんやりとして、気持ちが良い。

「少し休んでから狩りをしよう」

とケンが提案する。

「それもそうだな」

アックスも同意する。


こうして森林の中にいると、木陰でうたた寝してしまいそうだ。よく聞くとチチチと、小鳥の鳴く声が聞こえる。すぐそばに小鳥が来たので、ダガーで倒す。ピンキーバードを倒した、と表示される。250ゴールドと鶏肉一切れをドロップした。

「おいおい、今の小鳥もこの森のモンスターなのかよ?情報を更新しないとな」

「名前はピンキーバードだってよ」

名前の通り、ピンク色の小鳥だった。


休んでいる間、俺はダガーをジャグリングしていた。

「そろそろ出発しないか?」

アックスに促され俺も重い腰を上げた。一時間ほど休んだだろうか?今度はワイルドボーアに会う。ワイルドボーアは一直線に向かってきた。前足と後ろ足が短いので、狙うのは難しい。鼻目掛けてダガーを投げた。見事にヒットする。それでも止まらないっ。

「敵視」

アックスがターゲットを取ってくれた。ワイルドボーアがアックス目指して駆け出す。そのおかげで、後ろ足にダガーを命中させることが出来た。

若干突進が遅くなるワイルドボーア。ワイルドボーアの突進に、剣を真っ直ぐ突き立てるアックス。

「ピギャアアア」

とワイルドボーアが鳴いている。そのままアックスに突撃しそうだったので俺もスキルを使う。

「敵視」

すると、ワイルドボーアはターゲットを俺に切り替えた。これでよしと。


ダガーを両手に持って相手を迎え撃つ。突進してきたところを、前宙しながら切り裂く。ポーンと頭の中で音がなった。その後大ジャンプをして、ワイルドボーアの背中にダガーを指し続ける。大ジャンプは今のところ、6メートル程度だ。馬乗りになったままワイルドボーアの背中をつくのは、大変だった。何せ振り落とされるといけない。平衡感覚が鍛えられまくりだった。ポーンとまた頭の中で音がなる。


ワイルドボーアを倒せたのは何十回かダガーを刺してからだった。ドロップ品はワイルドボーアの肉と200ゴールドだった。

「えらく時間がかかったな?」

「すまん。それには理由があるんだ。今の俺は攻撃力-15なんだ」

「なんだってそんなことになっているんだ?深くは詮索しないがな」

「そうしてもらえるとありがたい」


その後はポーンラビットを九体、ワイルドボーアを四体倒して、ドロップ品はポーンラビットの角と肉四本と九切れと400ゴールド、ワイルドボーアの牙と肉二本と四切れと800ゴールドを入手した。


ここで俺達は一度街へ戻ることに決めた。

ステータス画面を見ると曲芸師がレベル12、アクロバットがレベル10になっていた。

評価よろしくお願いします。

ブックマークも忘れず、お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ