太陽の人達
「ふむ。そんなものがあるのか。勉強になった。だがしかし、なぜそれで星星の人達の間に一般人の子が産まれるのか?」
「簡単な話さ。両親からどちらも一般人の染色体をもらえば、一般人として産まれる。それだけさ」
「星星の人達にも一般人の染色体があるのか!」
「ああ、おそらくは。それと星星の人達と、一般人が結婚して子供が産まれると、必ず星星の人達になるって話。おそらくガセネタだぞ」
「なんと!じゃあ星星の人達は侵略など、していなかったのだな」
「ああ、誰かが嘘の情報を流したんだ。星星の人達が生きにくくするために」
ここまで、ユミが会話に入ってくることはなかった。リンは続ける。
「実は心当たりがある。太陽の人達と呼ばれる人のことだ」
「太陽の人達?誰だそれは?」
「見た目は金髪に目の色が黄色の人達だ。星星の人達がこの地に来てから、激減したと言われている」
一瞬、レイアのことが頭をよぎったが、レイアは黒目だ。
「太陽の人達ね。覚えておくよ」
「そうしてくれ」
「星星の人達はどこから来たんだ?」
「隣の大陸からだと言われている」
「とても大きな国だ。戦争になれば勝てないほどに」
「そんな国があるのか」
「他にも国はあるのですか?」
ユミが会話に入ってきた。
「ああ、他にもう一国、中くらいの国がある」
「行ってみたいです」
「やめておけ。貧困であえいでいるらしいからな。何をされるか分からん」
「お待たせしました。ネックレスが出来ました」
「あら、あなたも星星の人達なのですか?」
俺はここの女主に声をかけられる。
「はい、最近星星の人達になりました。冒険者のケンです」
「よろしくお願いします。私はここのオーナーをしています。シャインと申し上げます」
「これはご丁寧にどうも。それにしても、素敵な雑貨店ですね」
「ありがとうございます。もう何代も続く老舗なんです」
シャインを近くで見ると、首のあたりにシワがあり、年齢不詳のリンより年上に見える。しかし、リンはそんなことを気にしない口振りだった。もしかすると、リンの方が年上なのかもしれない。それはそれで、ビックリだけど。
出来上がったネックレスはキラキラと輝き、リンの胸元にある。装飾もしてあるようで、プラチナが使われている。
「ちょっと見せてくれ」
「私も見たいです」
リンは首からネックレスを外し、見せてくれた。アクセサリーを本業とする人の作品は初めて見たが、素晴らしいものだ。プラチナの部分がまるで雪の結晶のようになっていた。
「良い作品だな」
「ええ、そうですね」
「そうだろう、そうだろう」
リンは自慢気だ。
「これで星星の人達の力を活用することが出来る」
「それも一級品のですね」
シャインが言う。
「そうだ。星魔法だ。私だけこんな良いものを貰って悪いが、譲る気もない」
「ありがとう、ケン。これでまた強くなることが出来た」
「そりゃ、どういたしまして。つっても、リンは前から強いけどな」
アクセサリーを返して言う。
再びアクセサリーを着けたリンは不敵に笑うのだった。
「ふふふ、今なら、誰が相手でも負ける気がしないぞ。争いはないに越したことはないがな」
「そうですね。争いはない方が良いです」
ユミが同調する。
「さてとそれじゃあ俺達はお暇しますか」
「今日はありがとうな、シャイン」
そう言いながら、10000ゴールド渡しているリンを見てしまった。
「加工料そんなにかかるんだな」
「なに、安いものよ」
リンは大して気にしていない。
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