飲み会
フレンド交換した俺達は、一時解散となった。ピコに、なんでもう第五の街ベルセイユにいるのか聞くと、
「宝石を買いたかったんです」
と胸を張って言われた。
「でも資金力不足で、全然買えなかったんですけどね」
と残念そうに言う。
「ピコは水魔法が使えたろう?ブラックアリゲーター狩りは、効率が良いぞ」
「情報提供ありがとうございます。魔法に弱いって認識で合ってますか?」
「ああ、それで合ってるぞ」
今の情報を聞いて、ピコ、ピオ、角龍の三人は元来た道を戻ることに決めたようだ。
「あ、おーい。この街には転送装置があるぞー。って行っちまったか」
ピコ達はもったいないことをした。
「私達はどうしましょうか?」
「俺は第一の街に戻ろうと思う。ユミも着いてきてくれると嬉しい」
「はい、私は大丈夫ですが・・・」
スピアがこっちを見ている。
「スピアとアックスも第一の街へ帰らないか?」
「あたしも行く」
「儂はギッシュに戻って筋トレするわい」
「了解した。アックスは道中気をつけて」
「ああ、心配には及ばんよ」
ベルセイユからは転送装置があり、第一の街マグナスへと帰ることが出来るのだ。転送装置に俺。ユミ、スピアが続々と入っていく。
するとそこは、第一の街の転送装置の中だった。以前から気になっていたんだよな、これ。やっと謎が解けた。
「ユミ、曲芸師ギルドへ行こう」
「はい」
「スピアはじゃあな」
「うん。あたしは槍使いギルドに行ってくるよ」
ということでやってきた、曲芸師ギルド。相変わらず格式だけは高そうな造りしてんなー、と思いながら中に入る。
「リン、いるか?」
「おお、ここにいるぞ」
奥からひょっこり顔を出すリン。
「ジャグリングの報酬が必要だな。ほれ、100ゴールドだ」
「ユミにも、それ」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
「うむ、感謝は大事だな。それにしても久しぶりだな。孤独で辛かったぞ」
「それは悪かったな。でもお土産があるから、楽しみにしていてくれ」
「私もお土産があります。先に私から渡しますね」
「なんだろうな?」
「はい、ギッシュで購入したお野菜です」
「おお、ありがとう。嬉しいぞ」
「えへへ、ありがとうございます」
「して今日はなにしに来た?」
「おう、今日はリンとお酒を呑みながらお喋りしにきたぞ」
「ほう。じゃあ適当にカクテルを作ってくるぞ。ユミは呑みすぎないようにな」
「はい、すみません」
この古びた机も丁寧に磨きあげられていて、リンの几帳面さが伝わってくる。大雑把な性格に見えて、案外繊細なんだよなぁ。
リンは
「これだ」
と言って、モヒートを出してきた。
「俺これ苦手なんだよなぁ」
と言うと、
「苦手なだけで、呑めないわけではないのだろう?」
と返されてしまった。
「私はこのお酒初めてです」
とユミ。
「さっぱりしていて美味しいぞ」
とはリン談。
「あ、美味しいです」
という言葉につられて、俺も一口。
「旨い」
意外にもミントの味は抑えられていて、呑みやすい一品になっていた。
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