フレンド登録
ブックマークありがとうございます。
ピピー。
「そこまでだぜ。試合終了だ」
そうゲームマスターが言ってきた。
「勝利者のケンには、10万ゴールドと栄誉の盾が贈呈されるぜ」
これで懐が暖かい。栄誉の盾は飾り物かと思ったが、実用性のある盾だった。ひし形の、下が長いバージョンだと思ってくれれば良い。縦も横も尖っていて、攻撃力もありそうだ。変わりに下からの攻撃には弱そうだったが。
「ケンさーん」
ユミが呼ぶ声が聞こえる。そちらを振り返ると、今回の参加者であろう人達が向かって来ていた。そして、
「わーっしょい、わーっしょい」
と俺の胴上げが始まってしまった。
俺は
「嬉しいけど、みんなそろそろ寝る時間だから」
と言って、解散させた。
ホテルに泊まって、休息を取る。今日は一泊500ゴールドもするホテルに泊まった。シャワーも浴びて就寝する。
朝早く起きると、この一泊500ゴールドのホテルを堪能した。普段のホテルにはない、ソファーに寝っ転がる。そしてテレビをつけてみた。テレビは、リアルの放送の何時間遅れかの番組をやっていた。著作権の都合だろう。LGにテレビがあることを初めて知った。そして和菓子とインスタントコーヒーを頂く。俺は十分に満足した。
朝九時に表に出た。
「昨日ぶりですね」
そこにはジュンジさんがいた。
「フレンド登録しましょう」
「良いですね」
ジュンジをフレンドに加えますか?
はい いいえ
はいを選択する。
「これでやり取り出来ますね」
「ええ、そうですね」
「良ければ、俺のフレンドとも登録していきませんか?」
「良いんですか!嬉しいです」
広場に行くと、アックス、ユミ、スピアとその他諸々が一緒にいた。
「あ、ケンさん。遅いですよ」
「すまん。せっかくだからホテルを堪能していたんだ」
「みんな、こちらはジュンジさんだ。二位になった人だぜ。フレンド登録してやってくれ」
「あたしは知り合いだよー」
「儂も戦ったので、ジュンジのことは知っている」
「あ、私は初めましてですね。ユミと言います」
ピコ、ピオ、角龍もいた。そしてコウもいた。みんなでフレンド交換した。
コウをフレンドに加えますか?
はい いいえ
はいを選ぶ。
「これでフレンドになれたね。ケンお兄ちゃん」
「ああ、そうだな」
一人の美女が、アックスと楽しそうに話していた。会話に割って入って良いものかと思っていたら、
「ケン、こちらはフブキだ」
「フブキ、こっちは優勝者のケンだ」
と紹介してくれた。
「せっかくだから、フレンド登録しましょう」
「フブキが言うなら是非」
フブキをフレンドに加えますか?
はい いいえ
当然はいを選択する。
「お強いんでしょう?一度手合わせ願いたいわ」
その時、スピアがこっちを睨んでいるのが見えた。
「あはは、今度時間のある時にでもまた」
「そう。残念ね」
スピアの方に駆け寄っていく俺。
「どうしたんだよ?おっかない顔して」
「ふん、フブキと楽しそうに会話してたからって、やきもちを妬いたりしてないんだから」
これは完全にやきもちを妬いているな。そう思った俺は、
「スピアは転送先で嫌なことなかったか?」
と機嫌を取ることにした。
「なかったわよ。それぞれ別室だったし」
「それは良かった」
スピアの機嫌が直った気がした。