PvP 夜の部 準決勝1
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PvP夜の部はホテル街の方は俺が制圧した。大したことない相手ばかりで、ダガーを投擲するだけで倒せていけた。
俺は、アイテム作成所の通りに来ていた。
んで、事実上の準決勝と思われる戦いが今、始まろうとしていた。相手は爪使いの少年。
「お兄ちゃん名前を聞いても良い?さっきのお姉ちゃんには、聞けなかったからさ」
「さっきのお姉ちゃんって、ユミを倒したのか?」
「へえ、さっきのお姉ちゃんはユミって言うんだ。それで?お兄ちゃんの名前は何?僕はコウって言うんだ」
「俺の名前はケン。ユミのようにはいかないから覚悟するんだな」
「自信があるんだね。良いよ、僕が勝つから」
少年も自信をのぞかせる。ここまで生き残ったんだ、ただ者ではないだろう。
だが俺も、ピコと戦って以来、月の剣は温存してきている。月の剣無しでも勝てる自信があった。
さっさと戦闘準備を始める。初心者の鎧を取り出して構える。まずは様子見といったところか。
「何それ?それがお兄ちゃんの武器?」
「ああ、とっておきだ」
「なめられてるみたいでなんかムカつくなぁ」
「そう言うなって、戦ってみればこの初心者の鎧の強さが分かるから」
「初心者の鎧!?それが?形が全く違うんだけど。それにやっぱり馬鹿にしてるよね」
「してない。してない」
ここで怒らせるのはマズイ。穏便にいこう。
「俺を困らせたら、もっととっておきがあるからさ」
「最初っからとっておきが良いんだけど、まあいいか。すぐに音を上げさせてあげるからね」
そう言うが早いが、速攻を仕掛けてきた。爪と初心者の鎧がぶつかり合って、ガキン、ガキンと金属音を上げる。火花も飛び散って、ちょっとした溶接所みたいだ。
筋トレの効果か、はたまた俺が年上だからなのか、力負けはしていない。
少年も渋い顔をしている。
「初心者の鎧をホントに武器にして戦ってるんだね。今の数撃で分かったよ」
「だろう?壊れることがないから、案外便利なんだこれ。取り回しもしやすいし」
「うん。そうだね。僕の爪だけ耐久値が減っていくのが、分かるよ」
さあて、そろそろサービスしてダガーでも出しちゃおっかなー?なんて考えていたら、少年が青く光出した。
「なんだ!?」
「お兄ちゃんは知らないの?宝石の力だよ?」
「僕のは青の宝石。水の力を使用出来るんだ」
そう言うと、先ほどよりも早く、爪を振るってきた。今度は火花が出ない。水の力のおかげだろう。仕方がない。ダガーを出そう。
ダガーを両目に投げつける。片方は防いだ少年だったが、左目はダガーが刺さったのだった。
「くそう、これがとっておき?」
「まあな。まだやるか?」
「当然」
そこで俺はアップルマンゴーの木刀の存在を思い出した。
よし、やるか。
「今度は、この木刀が相手だ。かかってこい」
「木刀なんかへし折ってあげるよ」
左目が見えないのにも関わらず、果敢に立ち向かうコウ。その意気や良し。
だけど残念ながら、
「木刀が斬れない!?」
そう。アップルマンゴーの木刀は斬撃無効なのだ。
「いくぞ、おらぁ」
コウの左目が見えないことをいいことに、左側から攻める。当然対応出来ないコウ。アップルマンゴーの木刀が脳天を直撃する。頭も鎧で守っていたコウだったが、その衝撃は凄かったようだ。
「頭がクラクラする」
「そんなお喋りしている暇はないぜ」
「その話し方、ゲームマスターの真似じゃん」
防具のない首もとを、アップルマンゴーの木刀で打ち抜く。
「強かったよ。お兄ちゃん」
そうして、コウはリスポーン地点へと転送されていった。
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