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PvP 夜の部 スピア視点

やってきました。PvP夜の部です。あたしスピア。始まった瞬間に距離を取るあたし。みんなも同じ考えだったようで、距離を取っていた。


さて、あたしは料理店の通りに行こっかな。後ろを確認したけど、誰もついてきていないようだった。ラッキー。


少し進むと、青年とおじさんの争う音が聞こえてきた。


「俺が倒して、絶対一位を取ってやる」

「それは私の台詞だ」


思わず、路地裏に隠れちゃった。


青年は剣使い、おじさんは私と同じ槍使いだ。そういえばギルドで顔を何度か見たことがある。


「せやああああ」

青年が剣を振るう。それをかわして

「隙あり!」

おじさんの槍が青年の胸元を突く。だが胸元は強固な鎧で守られている。ダメージはほとんど入っていないようだった。


「まだまだぁ」

青年が攻める。剣の間合いに入って、今度こそ一撃入れられたか!?


「な!?」

おじさんはいつの間にか剣の間合いから離れ、自分の槍の間合いにしていた。


「覚悟!」

今度は、防具のない首もとに槍がヒットした。

「ちっ」

青年が舌打ちしながら下がる。


「さっきのはどういう芸当だ?」

「それは教えられん。まだ客人もいるようだしな」

「それはどういうことだ?」

「隠れていないで出てきたらどうかね?」


「ど、どうもー」

あたしはしぶしぶ姿を見せた。


「観客がいたのか!」

「気配探知で余裕ですよ」

「バレバレでしたか」


「お二人の戦い、見学させていただきますよ」

「よっしゃー!女子が応援してくれるならやる気が出るってもんだ」

「君を応援するとは、彼女は言っていないがね」

「お二人とも頑張ってー」


「俺の応援だけじゃなくて、おっさんの応援もするのかよ!」

「だから言ったろう?君を応援するとは、言ってないとね」

「アハハ・・・」


自分だけ応援してもらえると思ってるなんて、自意識過剰だなぁ。あたしはどちらかと言えば、同じ槍使いのおじさんを応援したいんだけどなぁ。まあ、二人とも応援ってことでいっか。なんだか、あの青年が可哀想だし。


「なら俺も奥の手を使わせてもらうぜ。スラッシュソード!」

剣から斬撃が飛んでいく。おじさんは、まともにくらってしまい、万事休すか!?


「やりますねぇ。それでこそ倒しがいがある」

そう呟くと、おじさんは目にも止まらぬ速さで青年の首もとを何度も突いた。


勝敗はあっという間についた。おじさんの勝ちだ。

「ちくしょー」

「君もなかなか惜しかったですよ」

リスポーン地点へと転送される青年。


正直、おじさんに勝てる気しないんだけどなぁ。

「こうしてお話しするのは、初めましてですね。私の名前はジュンジと言います」

「ご丁寧にどうも。あたしはスピアと言います」


「何度か槍使いギルドで会ってますよね?」

「ええ、貴女の言うとおりです」


「では、いきますよ?」

「はい」


槍使い同士、距離を取って戦うのかと思ったが、ジュンジさんは、一気に距離を詰めてきた。あたしも青年のようにあっさり負けるわけにはいかない。対応して、こちらも距離を詰めて戦う。なぜ前に出たのかと言うと、バックステップしながらの攻撃とは威力の乗り方が違うからである。今回のように前へ進めば、強い一撃が放てる。相手が手負いならば、尚更だ。


しかし、勝敗は二十突きもしない間に決まってしまった。あたしの敗けだ。最初の三突きは互角。それから先はジュンジさんに押されっぱなしだった。

「負けました」

転送される直前、あたしは敗北を認めた。


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