PvP 夜の部
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それからスピアが料理を振る舞ってくれることになった。アックスとユミにもチャットで声をかけて、呼び込み済みだ。
「おう。待たせたな」
「料理の良い匂いがします」
アックスとユミと合流した。
「二人とも宝石は買ったか?」
ユミはちょっと困った顔をして
「実はまだなんです」
と言った。
一方アックスは
「儂は買ったよ。ほれ、これがそうだ。」
青と言うよりは水色に近い宝石を見せてきた。
「ほう。これは良い買い物をしたな。アックス」
「うむ。満足じゃ」
「俺の買った宝石も見てくれ」
そう言って、先ほど購入した灰色の宝石を見せる。
「おお、凄い光沢だな」
「星のマークも入っているんですね」
「二人とも良いところに目を付けたな。これは灰色の宝石の中でも最高級品なんだ」
「ひえー、そうなんですね」
「結構値段がするんじゃないのか?」
「それが一つ、10000ゴールドなんだ。お買い得だろう?」
「そんなに安いのか!儂のは2万ゴールドもしたのに。詐欺じゃないだろうな」
「灰色の宝石は売れないから安いんだってさ」
「なるほどです。それなら納得しました」
「儂も納得したぞ」
「おーい、みんな。料理が出来たよ」
スピアが鍋を持ってくる。
お肉と野菜のスープだった。スピアがみんなによそってくれる。
「ありがとう」
「感謝する」
「ありがとうございます」
三人それぞれに礼を言い、スープを飲む。
美味しい。肉汁がたっぷりと出たスープになっている。野菜も新鮮で美味しい。声に出すのを忘れていたほどだ。
アックスは
「美味いぞ」
と頬張り。
ユミは
「美味しいです」
と笑顔を見せている。
俺も慌てて、
「肉汁が効いていて美味しい」
と言った。
スピアは満足そうに、こちらを見ている。スピアは食べないのかな?と思っていたら、箸を伸ばしてスープをすすり始めた。
今回の料理も、以前と全く同じバフがかかっていて、HP回復(小)だった。
料理を食べ終わってのんびりしている時に、それは始まった。
「ようこそ、皆さん。PvP夜の部へ」
「各街で、PvP最強を決める時間がやってきたぜー」
「ルールは簡単。PvPで一番最後まで生き残れば勝ちだ!パーティーは一時的に解散されるぜ。やられた人は、リスポーン地点で待機となる。なお、勝敗によってデバフは付かないものとするぜ。さらにチーミングは禁止とする」
「なお、勝利者には10万ゴールドと栄誉の盾が進呈されるぜ」
「さあ、のんびりしている暇はないぜ。各自スタートだぜ」
こうして急に始まったイベント、PvP夜の部。どうなってしまうのだろうか?
一斉に距離を取る四人。なるべくなら序盤での潰し合いは避けたいところだが・・・アックスが遠くへ行ってしまった。
それを見た俺達三人もバラバラに行動していくことになる。
俺はホテル街へ向かった。既に戦闘が始まっているようだ!