山登り
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ログインすると、スピアの他に、ユミとアックスもログインしていた。チャットで呼ぶ。
「第五の街へ行きたいと思うんだけど、一緒にどう?」
「私も行きます!」
「儂も行くぞ」
という事で、スピアを加えた四人でパーティーを組み、第五の街を目指すのだった。
農業が盛んなギッシュの田んぼや畑の反対側に第五の街へ向かう道がある。
そこは険しい山道だった。
「また山道かぁ。嫌になるよ、ホント」
愚痴をこぼすスピアに
「なあに、健康的になるだけさ」
と、あっけらかんと言うアックス。
事実、アックスはいつも通り余裕綽々といった感じで登って行く。そのアックスに引っ張られるように、三人もついていく。だが先にユミの体力が底をついたようだ。
「休憩しましょう」
真顔でユミはそう言った。
「ユミ、疲れすぎて、顔が真顔に、なってるぞ」
俺も呼吸を乱しながら言う。
「そうですか。笑顔が、素敵って、よく、言われるんですけどね」
「ああ、確かに、ユミには、笑顔が似合う」
「あたしも、ユミちゃんには、笑顔の、イメージが、あるかな」
スピアも息も絶え絶えに言う。
「儂もそう思うぞ」
アックスだけが、元気満タンだった。
休憩して、水筒から水を飲んで、ようやく元気を取り戻した三人は、また歩き始めた。先頭はやはりアックスだ。
頂上に着き、また一息入れる。後は下りと分かると、三人は急に元気になった。
「後は下るだけですよ!」
「そうだな。ここまで頑張って来て良かった」
「皆の衆、景色も楽しもうぜ」
アックスの一言に、三人は頂上から見下ろした。
そこには絶景が広がっていた。初夏の若々しい木々の並ぶ山道。それとギッシュの田園風景。ここまで歩いてきて良かったと思った。
気づかせてくれてありがとう、アックス。三人で山登りしていたら、絶対気づけなかったよ。
そして行く先を見ると、第五の街ベルセイユが見えた。荘厳な雰囲気が感じられる。今までで一番お金持ちそうな街だ。
「何あれ、すっごーい!」
「ああ、立派だな」
スピアとアックスが話している。
それに割り込んで、俺も
「お金持ちの街だな」
と言った。
ユミも
「ええ、そうですね」
と同意してくれる。
なんだかワクワクさせてくれる街だな、とも思った。どんな豪商がいるのだろうか?それには、宝石が関係あるのだろうか?
「宝石が産出されるらしいんだけど、関係あるかな?」
「絶対それだろ」
「うんうん、間違いないよ」
「でしょうね」
三人に全力で同意されてしまった。いや、この場合は三人に全力で同意してもらった、が正しいだろうか。ひとまずみんなの価値観が一致して、ホッと一安心である。だってこの風景を見て「普通ですね」なんて言われたら、この先一緒にやっていけるか不安になるだろう。まあ、たとえお金持ちでも仲間だから、一緒にいるんだろうけどさ。
後は山道を下るだけだ。上りと違って、下りはらくらく気分で下っていく。
「楽チンですね」
「ああ、そうだな」
「楽チン、楽チン」
先頭は相変わらずアックスだが、三人組も元気に下っていく。
そして第五の街ベルセイユに着いた。
「やっと着いたな」
アックスの一言に
「下りが、意外と長かったですね。足がパンパンです」
「ホントだよねー。疲れちゃった」
「俺も筋肉痛になりそうだ」
と三人組。
「まだまだ鍛練が足りないな」
とアックスが行った。
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