パスタ屋さんでデート
いいねありがとうございます。
食事が終わった後は、寝るだけなのだが、
「この料理バフがついてるじゃないか」
と俺は驚いた。
HP小回復一時間。勿体ないと思いながらも、ホテルへ向かう三人。
「ごめん。今度からはログインしてから料理を作ることにするよ」
スピアは反省しているようだった。
「そうそう。反省は次から活かせば良いって」
そんなスピアに声をかける。
「そういえば、ケンって髪色と目の色が変わったよね?」
「儂も気になっていたところだ」
二人に問い詰められる。
「ああ、これはな内緒だ」
「えーズルい。ヒントくらい教えてよ」
「分かった。これはLGのストーリーにまつわる現象だ」
「ほー。そんなものがあるのか」
「ああ、図書館で調べると色々出てくるよ」
「しかし、スキルは十個全部取得しているしな。諦めるしかないだろう」
「あたしもー」
「まあ、今日はこのくらいにして、ホテルで落ちよう」
「「賛成」」
ホテルに泊まり、100ゴールド支払う。シャワーを浴びると、どっと疲れがやってきた。それだけアップルマンゴーとの戦いに集中していたということだろう。
ベッドに横になると、ログアウトした。
「おーい、奈央。昼飯どうする?」
「さっき料理したばっかりだから、外で食べるのがいいかな」
「よし、それじゃラーメ」
「ラーメン屋さん以外で、お願いね」
むむむ、奈央に先手を打たれてしまった。
「じゃあ、新しく出来たパスタ屋さんはどうだ?」
「良いね。行ってみよう」
新店舗なだけあって、店内は混雑していた。
「お客様、二名様でよろしかったでしょうか?」
「はい、お願いします」
「奥の席へどうぞ」
そこはちょっとだけ、隠れ家感のある席だった。やんわり暗く、こじんまりとしている。
「なかなか良い雰囲気じゃないか」
「ねー。ちょっと暗いところも素敵」
「ご注文お決まりでしょうか?」
「はい、ペペロンチーノの大盛を一つ」
「それとボンゴレ・ビアンコを一つお願いします」
パスタが来るまでの間、健二と奈央はお互いの足を蹴りあって遊んでいた。
「いたっ!脛を蹴るのは卑怯だぞ」
「たまたまだから許してよ」
こういった、じゃれあいの場合、加減するのはいつも健二の方だった。
「えいっ」
「いたっ!だからそこは脛だって」
健二に手加減されているのを分かっている奈央は、自身も加減をしていた。当然、自分の彼氏に怪我なんてして欲しくないからだ。
「こちらペペロンチーノの大盛とボンゴレ・ビアンコになります。ごゆっくりどうぞ」
パスタが届いたおかげで、一時休戦となった。健二にとっては、案外嬉しかったりする。
パスタはちょっと固めで、具と良く混ざりあっていた。
「美味い」
「美味しいね」
「一口もらいっ!」
「あー!じゃああたしも」
「うんボンゴレ・ビアンコもなかなか美味しいじゃないか」
「ふむふむ。ペペロンチーノもちょっと辛くて美味しいね」
フフフ、と笑い合う二人。いつまでもこうやって笑い合えたら良いな、と思う。
「俺にはちょっと辛みが足りないな」
そう言って、テーブルの端にあるタバスコを手に取る。
「ほどほどにしときなよ」
「分かってるって」
五滴タバスコを加えて、再び食べ始める。
「これこれ、この辛みがちょうど良いんだよな」
「辛そうー」
これ以降、奈央がペペロンチーノに手を伸ばすことはなかった。
「すまんな。食べれなくしてしまって」
「別に。ペペロンチーノを注文したのは健二だから、好きに食べて良いよ」
落ち着く店内で、おしゃべりしながら食べる二人だった。
評価よろしくお願いします。
ブックマークも忘れず、お願いします。