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縛りプレイ始めました 星星の人達と太陽の人達  作者: 朔
アップルマンゴーの木
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アップルマンゴーの木

アップルマンゴーの木は、自身の根を使って攻撃してくるタイプだった。


「こんなことになるなんて聞いたことないんだけどっ!」


スピアが若干怒りながら言う。


「俺も知らなかったよ。箝口令が敷かれているんだろう。このボスについては口に出せないとか」

「そういうこと?だから街では熱帯雨林は何もなかったって話しか出てこなかったんだ」

「おそらく俺達が戦闘状態になっているのも他のパーティーには見えてないぜ。見てみろよ、俺達を取り囲んでいるサークルを」


ケンの言うように、バリアのようなもので周りを取り囲まれていた。


「じゃあ逃げられないってことだね。せっかく稼いだゴールドをここで無駄に出来るかっての!」

スピアは気合い十分だ。


襲ってくる木の根を初心者の鎧で蹴散らしていたが、辺りが暗くなってきた。


これはもしかして、いける?

「こと座の力を借りる」

具現化した。ポロン、ポロンと音色を奏でる。


音符が木の根を打ち破って、本体まで届いた。

「ゴゴゴゴゴ」


だが、まだ元気そうだ。


「何それ!?すっごく強いね!」

「ああ多くは語れないが、月の剣の効果だ」

「ああ、グラーシャへ行った時のかー」

「その通りだ。スピアの炎の槍が強いように、俺の月の剣も強いんだ」

「比べ物にならないくらい、月の剣の方が強そうだけどね」


ハハハ、と乾いた笑い声がスピアから出る。


「こんなに強いのは夜だけだぞ」

「えっ!?今はお昼じゃん」

「辺りが暗いから、夜認定されているんだと思う」

「なるほどね」


木の根をあらかたこと座の力で片付けたら、次はわし座の出番だ。


「わし座の力を借りる」


わしの形を模した斬撃が、アップルマンゴーの木に突っ込んでいく。うまくいったようで、わしの斬撃は、アップルマンゴーの木の三分の二を削り取った。


そこからは、アップルマンゴーの木が、根元から折れて、俺達の勝利となった。


ポーンと頭の中で音がした。星魔法レベル12に上がった。


ドロップ品はアップルマンゴーの幹だった。だいぶ立派なものなので、好きなように加工してもらえそうだ。


アップルマンゴーを倒すと、昼間に戻っていた。夕方も近い。


「そろそろ帰ろうか」

「そうね。一度ギッシュに帰りましょう」


ギッシュへ戻って、アップルマンゴーの効果を確認する。ほほう、疲労回復と魔力回復か、良いものを手に入れた。


一個食べてみる。うん、マンゴーの味だ。普通に美味しい。


スピアの方を見ると、スピアもアップルマンゴーを食べていた。

「美味しいね」

「ああ、美味いな」


結構疲れがたまっていたようで、アップルマンゴーを食べると、体の力が抜けていくのを感じる。さらに魔力回復もするのだから、優秀だ。


「ねえ、これ疲れた時のスポーツドリンクに似てない?ホッとするの」

「似てるなぁ、体が喜んでいるのが分かってるよ」


「アックスは今日も筋トレをしているのかな?」

「ああ、だと思うぜ」


アックスのSTR(筋力値)がどうなっているのか、知りたいところだ。


「今日はユミがログインしていないな」

「リアルでの都合でしょ。あたし達もリアルの都合で丸一日ログインしていなかったわけだし」

「おう、そういう日があっても仕方ないよな」

「ねえ、アップルマンゴーの木について言えないんでしょ?」

「ああ、おそらくは」

「じゃあ冒険者ギルドに行って討伐報告も出来ないのかな?」

「それは考えてなかった。行ってみようぜ」


俺とスピアは冒険者ギルドに向かうのだった。


冒険者ギルドへ来たは良いものの、仕方ないというかなんというか、アップルマンゴーの木の討伐報酬はなかった。

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