瞑想の効果
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健二も奈央も、久しぶりに普通に就寝した。丸一日、LGをしていなかったので気がかりだが、まあ何とかなるだろう。
朝食(奈央の手作り)を食べてから、早速LGをすることにした。奈央も同時にである。
ヒトミがいた。
「はーい、今日は参加出来なかったクエストの報酬があるよ。クエスト 泥棒から守れ の報酬10000ゴールドを支給します」
「どうもありがとう」
「それじゃあ、LGの世界へいってらっしゃい」
目を覚ますと、ホテルのベッドの上だった。丸一日LGをしていなかったので、こちらでは五日経過していることになる。何泊しても100ゴールドで済むのは、便利で良いと思った。
シャワーを浴びて街中に出る。
「スピアはまだか」
瞑想しよう、そうしよう。
なんだか最近は短い瞑想でも効果が実感出来るようになっていた。始めた当初は、こんなにも集中力が増すものだと思っていなかった。それが、どうだ?周りの音が聞こえないくらいに集中したり、誰かの会話だけを拾ったり。今なんて俯瞰して自分が見えているような気がする。
誰かが近づいて来た。おそらく、スピアだろう。
「よっ、お待たせ」
「やはりスピアだったか」
「やはりってことは予想していたの?」
「ああ、足音と、こちらに近づいてくるスピードで分かった」
「それだけで分かるなんて・・・だんだんケンが超人化してきてる気がするよ」
ああ、やっぱりそう思う?と言うのは胸の内にしまいこんだ。だって、本当に超人化を認めてしまう気がしたから。
リアルでの影響はどうなのだろう?筋トレは当然体の面では、影響はない。しかし、筋トレをした記憶と自信が、つく。そうすると、自分の限界に近い筋トレが出来るのではないか。
瞑想の場合はどうだろうか?これはゲーム内にとどまらないのではないか?無心になり、意識を集中するだけだ。これが現実世界で使えるとなると、達人と言われる人に該当しそうだ。
俺もリアルに戻ったら、今の事を検証してみなければいけないな、と思った。
「さて今日はどうしよっか?」
「金策の心配はないから、熱帯雨林に進んでみないか?」
「そだね。今日10000ゴールド貰ったし、そうしよう」
熱帯雨林へと足を踏み入れた二人。だがモンスターに遭遇せず、はや三時間が経過していた。
「ねえ、熱帯雨林にモンスターはいないのかな?」
「そんなはずは・・・」
ここで俺は最近の記憶を思い出す。熱帯雨林に行ってきた、と言う青年の話を小耳に挟んだことがあった。
「熱帯雨林は特にめぼしいものはなかったよ」
「モンスターが湧かないんだっけ?」
「そうそう、だから早めに切り上げてきた」
そんな会話をしていた。
「熱帯雨林にモンスターはいない。確かにそういう会話を聞いたことがある」
「やっぱりね。変だと思った」
「じゃあ何があると思う?」
「えーと、アイテムかな」
俺はスピアとの会話で活路を見いだそうとしていた。結果、それは最高の形で実現する。
「そうだ!収穫出来るものがないか、探してみよう」
「そうだね。それが良いと思う」
しばらく辺りを散策する。
「見つけたよ。アップルマンゴーだって」
「木になっていたのか。オーケー、それさえ分かれば話が早い」
どんどんアップルマンゴーを収穫する二人。そして
「ゴゴゴゴゴッ!!!」
「なんだ!?」
「いったい何!?」
アップルマンゴーの木が襲ってくるのだった。
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