星の剣の威力
熱い夜を過ごした翌日。お昼の十二時まで寝ていた健二と奈央は身支度を整えると、例のラーメン屋さんに来ていた。
「チャーシュー麺大盛で」
「あたしはラーメンの並みをお願いします」
「はいよー」
ここが健二のお気に入りのラーメン屋さんだと、奈央は知っていた。なぜなら何度か一緒に来たことがありからだ。
「ホント、健二はここのチャーシュー麺が好きだよね。飽きないの?」
「おう。チャーシューが溶けていくような感覚はこのお店だけだぜ。飽きることなんてないさ」
そうしてお昼ごはんを食べた俺達はそれぞれの家に帰って行った。
俺は日課の筋トレを行った。腕立て伏せ百回、腹筋五十回だ。
筋トレが終わるとLGにログインした。
「ちゃんと寝たみたいだね。感心、感心」
ヒトミが話しかけてくる。
「昼過ぎまで寝てたからな。バッチリだぜ」
「みんなが、もう待っているみたいだよ。それじゃあLGの世界へいってらっしゃい」
ホテルで目を覚ます。シャワーを浴びて、外へ出た。すると広場の方から
「あ、やっと来ましたよ。ケンさん」
「彼女を待たせるとは、まだまだだな」
早速、ユミとアックスに情報が広まっているらしい。
「仕方ないだろ。リアルで筋トレしてたんだから」
「ケンがいない間に、ユミちゃんとアックスに私達が付き合うことになったこと言っちゃった」
「そうだろうな。反応からして気づいたよ」
「怒らないで」
「怒ってねーよ。つーわけで、俺とスピアは交際することになった」
「うんうん。二人の仲は邪魔しませんよ」
「うっかりリアルの名前を口に出さぬよう、気を付けるんだな」
「おう」
「はーい」
「今日は修行がてら、竹林に行こうと思うんだが、みんなはどうだ?」
「儂は遠慮する。スポーツジムで、筋トレの予定だからな」
「私は竹林について行きます」
「あたしも!」
この三人だとトゲトゲイノシシが出た時に少々不安が残るな。と思ったが、実際やってみるまでは、分からない。
「じゃあ出発だ。アックスまた後でな」
「ああ、朗報を待っているぞ」
「そういえばアックスさんがいないのにトゲトゲイノシシはどうするんですか?」
「出たとこ勝負で何とかなるさ」
「ケンが近接戦闘を挑むから、安心して良いよ」
「やっぱりそうなるよな・・・」
竹林の奥からガサゴソと音がする。予想通りというかなんと言うか、そこにいたのは、トゲトゲイノシシだった。
反射神経の使いどころとばかりに、トゲトゲイノシシに立ち向かっていく俺。そして中距離からちまちまとトゲを斬っていくスピア。俺はダガーを使ってトゲを斬っていたのだが、
「だー!ギザギザと返しのついたダガーじゃいつまでたっても斬れん」
とトゲを五本斬り終わったところで、初心者の剣に持ち帰る。
一瞬、ここがどこだか分からなくなるが、すぐにトゲトゲイノシシを見つけ、すべきことを思い出す。
初心者の剣を振り回し、トゲを切り取っていく。しかしそのペースは決して早くない。初心者の剣であるがために、切れ味が今一つなのである。
「仕方ない。奥の手を出すか」
星の剣に手をかける。そのまま星の剣を引き抜くと、トゲを切り裂こうとする。だが、
「ガキン」
と鳴って、星の剣は弾かれてしまった。
おかしい。何か条件が必要なのか?そうだ!星魔法だ。
「星魔法」
と星の剣へ流し込んでいく。
すると、星の剣が光だした。選択画面が出てくる。
星座を選択してください。
はくちょう座
こと座
わし座
とりあえず強そうなわし座を選ぶ。わしの鉤爪のような格好に変化する。一気にトゲトゲイノシシを切り裂いていく。
「なんて強さだ」
一撃でトゲトゲイノシシを倒してしまった。
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