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スライムキングに玉乗り

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順調に火吹きでスライムを倒していくケンとユミ。一升瓶がなくなる頃にはスライムを二十体も倒していた。

「そろそろ玉乗りに挑戦してみないか?」

「良いですね。スライムキングを探しましょう」

俺達は、曲芸師ギルドの依頼書を思い出していた。そこにはモンスターに玉乗り五分間、というのが張り出されてあったはずだ。それじゃあ、とスライムキングを探すがなかなか見当たらない。

「今日はスライムキングに出会うの諦めますか?」

「うーん。そうするか」

と言っていた時に、遂にスライムキングに出会った。

「大当たりだ。行くぞ!」

ケンはアクロバットも使って、一気にスライムキングに騎乗する。そのまま立ってスライムキングの上で玉乗りする。


スライムキングから、赤、黄、青のスライムが出てくる。

「そっちは任せたぞ、ユミ」

「はい、任されました」


すっかり火吹きを覚えたユミは、火吹きでスライムを倒していく。しかし、青のスライムは水属性なので、火吹きの効果は低いようだ。

「ユミ青いスライムには、剣で戦え!」

「了解です」

すかさず、初心者の剣で青いスライムを倒してしまうユミ。


一方ケンはスライムキングの上に乗り続けるのは楽勝ムードだった。はじめの頃の曲芸師の揺れに比べればなんてことはない。ユミが不利にならないように、上から指示を出す余裕まで出てきた。

「周りの草むらに引火しないようにな」

「分かりました」


頭の中でポーンと音がなる。おそらく曲芸師のレベルが上がったのだろう。次にどんなスキルを取るか楽しみだ。そうこうしているうちに、玉乗り五分が終わったようだ。ユミとチェンジする。

「ユミ。チェンジだ」

「はい」

ところがユミはスライムキングに乗るのに苦戦していた。アクロバットを持っているケンとは状況が違うのだ。仕方なくケンは、ユミの脇を抱き抱えるとアクロバットを使って、一気にスライムキングの上に乗った。

「じゃ、後は頑張れよ」

「うん、ありがとう」

そうして俺はスライムキングと対峙する。


スライムキングが体を震わせると、赤、黄、青のスライムが出てくる。すかさず、初心者の剣で倒してしまおう、と思っていたのだが、これには誤算があった。初心者の剣を取り出すと、今自分がどこにいるのか分からなくなってしまったのだ。そうして混乱しているうちに赤色のスライムから攻撃を受けてしまった。体力が一割五分減っている。初心者の剣をしまい、初心者の鎧を身につける。これでしばらく攻撃は耐えられる。


「なにやってるんですか?ケンさん。もー」

スライムキングの上からユミの声が届く。

「悪い、初心者の剣に混乱のデバフが付いてるの忘れてたわ」

「えっ、一体なんでそんなことに?おっとと」

「それは追々話すから、今は玉乗りに集中して」

黄色と青色のスライムにもタックルされたが、初心者の鎧のおかげで、二体のタックル合わせて、体力の一割しかもっていかれなかった。初心者の鎧様様だ。


とりあえず赤色と黄色のスライムは火吹きで対応することにした。スライムキングのいる場所は、草原がぺったんこになっていて、専用の闘技場のようになっているので、余程端で戦わない限り、引火のおそれはない。問題は青色のスライムだが、近くにあった石で殴り付けることにした。プシュウウと消滅する青いスライム。それも三回ほど見たところで、ユミの玉乗りが終わった。


「後はスライムキングを倒すだけですね」

ユミが張り切っている。

「それもそうなんだがジャグリング100回を満たしたいんだよな」

「じゃあ、隅の方でスライム三体をジャグリングしていてください。私がスライムキングを倒します」

「了解、くれぐれも気をつけてな」

エールを送ると、グッドポーズが返ってきた。


それから俺は赤、黄、黄のスライムをジャグリングするのだった。50回はジャグリングしただろう時に、三体まとめて持ち、アクロバットで高く舞い上がると、そこから三体を地面に投げつけた。それで倒せたまでは良かったが、着地を上手く決められず、側頭部を打ってしまった。丁度空腹で50%移動が遅くなったのも関係しているのだろう。HPはほんの少し減っていた。


「大丈夫ですか!?」

すぐさまユミが近寄ってきた。

「大丈夫だ。ちょっと空腹でミスっただけだ」

「空腹って、それも縛りプレイの一つですか?」

おっと、ユミに縛りプレイしているのがばれてしまった。

「うん。そう。だけどこのタイミングで空腹になるとは思わなかった」

「食糧はありますか?私結構スライムゼリー持ってますよ」

「いや、大丈夫。俺も結構持ってる。それにせっかくの空腹状態でスライムと戦えるんだ。ラッキーとしか言いようがない」

「ええ!?空腹を回復させないんですか?」

「ああ強敵と出会えば別だが、スライム相手には十分だろ」

そう言ってスライムを五匹倒した時だった。ジリリリリと目覚まし時計のような音がしたと思ったらクエストが始まった。


クエスト 城壁を守れ!

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