住人をゾンビから守れ
ピコ、角龍、ピオの活躍もあり、ガラントへは意外と早く着けた。
「これからピコ達はどうするんだ?」
「しばらくはガラントを観光してみたいと思います。ウルフマンとの戦闘疲れましたし」
「そっかー。じゃあお別れだね。ピコちゃん、ピオちゃん、角龍」
「はーい、またね」
「じゃあ元気でな。ケン、スピア」
上から順にケン、ピコ、スピア、ピオ、角龍の会話である。
「じゃあ俺達は夜まで寝ていようか?」
「そうだね。そうしよう。待ち合わせ時間は22時でどう?」
「良い、俺はビッグヌマエビと戦うのは二度目だから、そんなに当てにしないでくれよな」
「分かった。でもいるといないとじゃ、安心感が違うから、よろしくね」
そう言ってスピアはホテルに入っていった。
俺も早めに休んでおかないとな、と思っているとクエストが始まった。
クエスト それぞれの街で住人をゾンビから守れ
スピアが慌ててホテルから出てきた。
「ビッグヌマエビはいつでも挑戦出来るから、今はクエストに集中しよう」
とのことだった。
「おう。賛成」
と、同意し街中に目をやる。急に街の中にゾンビが発生するわけじゃなさそうだ。
「城門の方へ行ってみようぜ」
スピアを促す。
「ええ、そうね」
城門に着くと、人で溢れていた。
何しろ一つしかない城門だ。こうなるに決まっている。後ろの方から眺めていた。
すると
「住人の冒険者達は後ろに下がってくださーい」
という冒険者ギルドのお姉さんの声がする。
一本道が出来たので俺達もそれにならう。その道の中を住人の冒険者達が帰ってくる。
「城壁にゾンビが張り付いたぞー。急いでみんなで落とすんだ!」
城壁の上に登っていく冒険者達。
「俺達も城壁の上に登るか?」
「いいえ、正面を押さえよう」
スピアの言葉通りにする。
城壁の正面もだいぶスッキリしてきた。
「俺達も正面を出るぞ」
スピアから、パーティー申請が来る。オッケーして、返す。
城壁の正面を出ると、ゾンビがウヨウヨしていた。よくイメージされる一般的なゾンビと同じように、ダラダラと動いて攻撃の際だけ素早く動くというものだった。
運営からメッセージが入る。
「今回のクエストはゾンビにやられてしまった場合、終了まで復帰出来ません」
なるほど。ゾンビアタックを防ぐつもりだな。対ゾンビなだけに。ゾンビアタックとは、何度も死に戻りして、攻撃し続けることだ。ゾンビアタックが出来ないと、慎重にならざるを得ない。現に自信のない人達は、城壁の上で手持ち無沙汰にしている。弓を使う人、魔法を使う人は別だが。
ゾンビは耐久力があるようだ。ダガー二本を投げて、両目を潰し、逆刃刀で首を打ったが、まだ倒れない。仕方なく逆刃刀の内側を使って、ゾンビの首を切り落とす。流石にここまですると、無力化される。
スピアの方を見てみたが、首もとに槍を一突き、二突きして倒していた。もしかしてゾンビの耐久力が強いのは打撃技にだけ?
そんなことを考えて、次は逆刃刀の内側で斬りかかってみる。肩から腰まで斜めに斬ってやった。一撃だった。
「おーい!ゾンビは斬撃には弱いみたいだぞ!」
みんなに聞こえるように大声で話す。
「了解」
「分かったわ」
逆刃刀を逆向きに持って、ゾンビを斬り倒していく。剣士が一番多いので、ばったばったとゾンビが倒れていく。
ついにゾンビが一掃された。クエストクリアの文字が出ている。
ゾンビは腐敗していて、臭かったが、クエストクリアと共に消えた。
「じゃあホテルに戻るか」
「待って、今回のクエストの報酬を、見てからにしましょ」
そう言われれば待つしかない。
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