図書館にて5
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リアルに戻った健二こと俺は、朝食を作っていた。トーストにベーコンエッグを乗せて完成だ。
「美味い」
やはりリアルのご飯は良い。腹にたまっていく感覚がナイスだ。
朝食を食べ終わり、食器を洗って、歯磨きする。洗濯物も干して準備万端だ。ちなみに前の洗濯物は今取り込んだ。
いざLGの世界へ。
「遂に逆刃刀まで作っちゃったね」
ヒトミがいた。
「ああ、俺としても驚いた」
「星の剣があるけど、どっちをメインに使うつもりなの?」
「せっかくだから、逆刃刀をメインに使っていこうと思うんだ。星の剣はレアだしな」
「なるほどー」
「じゃあ、攻略の方はどうするつもり?」
「出来ることなら、第四の街を目指すつもり」
「応援してるよ」
「それじゃあLGの世界へ行ってらっしゃい」
ホテルで目覚める。シャワーを浴びて外へ出る。まだ誰もログインしてないな。筋トレでもするか。そう考えて、腕立て伏せを始める。少し前までは瞑想していたよな、と思うと、じゃあ瞑想していた時の隠しパラメーターはどうなるんだ?という考えを思いついた。そのままなのか、それとも徐々に下がっていくのか。どちらなのだろう。
気になった時は図書館へ行ってみよう!筋トレもそこそこに、俺は図書館へ向かうのだった。
隠しパラメーターの本はどこだろうなっと。とりあえず児童書から探そう。あった。かくしパラメーターについて。
かくしパラメーターについて
LGのせかいには、かくされたさいのうがあるよ
みんなは、どんなさいのうがあるかな?
ひとつ、きんにくむきむきSTR
ふたつ、なんでもものしりINT
みっつ、こまかいさぎょうもらくらくDEX
よっつ、だれよりもはやいAGI
いつつ、つかれないVIT
むっつ、こころがまどわされないMNO
ここで児童書は終わっている。やはり専門書を探すべきだ。見当たらなかったので、司書さんに聞いてみる。
「あのー、すみません。隠しパラメーターの本はありますか?」
「はい、少々お待ち下さい」
奥からバタバタと出てくる司書さん。
「こちらになります」
新訳、隠しパラメーターについて、と書かれている一冊の本が運ばれてきた。
隠しパラメーターは、上げたい項目を意識して読むと、効果的である。
STR、AGI、VITは主に体を動かすことで上がりやすい。INT、DEX、MNOは精神を集中することで上がりやすい。
鍛えたパラメーターは、一定のラインを越えると下がらなくなる。一定のラインを越えるまでは、休んでいると徐々に下がっていく。でもそれがどこまでなのかは秘密。
意識していなくとも、上がりやすい隠しパラメーターがある。それはVITだ。みんな体を動かすから、自然と上がりやすい。
こんなことが書かれていた。VITで思いつくのは、やはりアックスの疲れにくさである。長時間筋トレをしているので、疲れにくくなっているのだろう。うらやましい。だが、俺も鉄の鎧を外せば、それなりに疲れにくくなっているはずだ。
今まで、ダガーでバランスをとったり、瞑想したり、筋トレをしたりしていたが、どちらかといえば俺は、精神を集中させることで上がるINT、DEX、MNOを鍛えていることが多かったようだ。
それでも今は筋トレに力を入れている。せっかくなので、一定のラインまでは筋トレを続けたい。
それに筋トレでも種目別にすることで、STR、AGI、VITと分けてトレーニングするのが、効果的だと思った。
純粋に力を上げたいなら、腕立て伏せでSTRを上げ、素早く動きたいなら、反復横跳びでAGIを上げ、体力をつけたかったら、ランニングでVITを上げる。それが好ましいと思った。
今やっているのは、腕立て伏せとスクワットだが、いずれ反復横跳びに変えていかなきゃいけないな、と思った。
それと、DEXとMNOは一定のラインまで達していると判断した。なぜなら、指が震えていても的確に相手の急所を狙えたり、筋トレ中でも集中することが出来るからである。