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ユミと曲芸師ギルドへ

ブックマークありがとうございます。

ログアウトしたケンは、伊原健二として生活する。まずは夕食を食べた。そして風呂に入り、勉強する。勉強が終わった後は寝てしまった。


LGは時間加速がなされており、現実世界の五倍の時間で稼働している。だから、いつも朝ログインしか出来ないといったことが起きにくい。


それはさておき、LGの体感はケンにとっても、非常に驚きがあったはずだ。例えば香りを感じたり、NPCとの会話であったりだ。いちいち驚いていられないというのもあるだろうが、ケンもしっかりと驚いたはずだ。


朝、朝食をとり、歯磨きをすると、すぐに健二はLGにログインした。昨日が稼働日初日というのもあって、人でごった返していたが、今日も同じ予想が出来る。


ログインするとヒトミがいる空間に出て、話しかけられる。

「曲芸師もアクロバットも良い感じじゃん。これじゃチュートリアルしなかったことが有利に働いてるみたいじゃない?」

「そうか?たまたまだぞ」

「うん、うん。謙虚なのは高評価だよ」

「今日は何かあるのか?」

「剣職人がマイナス値になったから、忠告しにきたよ。あまりにマイナス値が大きくなると、いざプラス評価をつけたい時につけれなくなるよ」

「なんだ、そんなことか。それについては考えがある」

「なに、なに?」

「どうしてもプラス評価の武器が欲しくなったら、外注すれば良い」

「自分で作るって判断はないのね。なるほど、それも良いかもしれない」

「だろ?あくまで俺はマイナス値でいくぜ!」

「今日伝えたかったのは、それだけ。それじゃあLGの世界へ行ってらっしゃい」


気づくと、マグナスの噴水の前にいた。真ん中のギルドが軒を連ねている道を、仮にギルド通りとすると、反対側、つまり噴水を越えた向こう側にお城が建っている。王族なのか貴族なのかは分からないが、とにかく立派なお城が建っている。いつかは足を踏み入れることが出来るのかな?と思うとワクワクしてくる。


「あ、ケンさんお久しぶりです」

ユミが声をかけてきた。

「ユミさんお久しぶりです」


ユミが恥ずかしそうにモジモジしている。

「実はお願いがあって、敬語をやめて欲しいのです」

「お、それは有難い。いつもの俺らしくなるしな。ユミさんも敬語やめてくれると嬉しいな」

「はい、大歓迎ですよ」

周囲はざわついているが、ユミの声はしっかりと聞こえる。たしかカクテルパーティー効果だったか?大勢の人が話していても、目的の人の声が聞き取れるってやつ。


「ところでユミさんは曲芸師ギルドへ行った?」

「いえ、まだです」

「それじゃ一緒に行こうか」

街の喧騒の中、二人は歩き出す。曲芸師ギルドは城壁の近くだ。


曲芸師ギルドへ顔を見せると、リンが出迎えてくれた。

「その子がユミちゃんかい?」

「ああ、そうだ」

「初めまして、ユミです。よろしくお願いします」

「初めまして、リンだ。よろしく。あと、敬語は結構だ」

「分かりました。じゃあ普通に話すね」


ユミとリンが打ち解けてくれたようで、何よりだ。ユミは茶髪のロング。リンは黒髪のショートボブ。髪型の趣味は違ってもすぐに仲良くなれるもんだなぁ、なんて考えていた。


ユミは早くも曲芸師のギルド証を作ったようで、今は依頼書を見ている。すると、

「この火を吹くってどうやってやるの?」

とユミがリンに聞いている。


俺とリンはおかしくて笑ってしまった。

「あの・・・どうかされましたか?」

心配そうなユミにリンが説明する。

「実はこの前ケンが来たとき、その依頼書を見て、ユミが何も言わなくてもアイテムを出して欲しいって言ってたんだよ。結局杞憂に終わったけどね。ほら酒五本とライター二本だ」

「えーとこれでどうするんですか?」

「サーカスとか見に行ったことはないかい。ユミさん。口に酒を含んでライターをつけた後、勢い良く口から酒を吹き出すのさ。火炎放射器みたいになるんだぜ」

得意気にケンが説明する。


「気を付けなきゃいけないのは、口から勢い良く酒を吹き出すこと。ゆっくりだと口の中に引火して大変なことになるよ」

リンがちょっと怖いことを言う。LGでは痛覚設定がされているから、失敗してもそこまで大変なことにはならないと思うが、気を付けた方が良いのはたしかだ。


「じゃあ火吹きは結構勇気のいることになりますね」

「そうだな。気をつけよう」


曲芸師ギルドを出ると、一緒に火吹きをしよう、とユミが誘ってきた。ちょうど良い機会なので、俺もオッケーする。


城門を出る時、憲兵さんに止められそうになったが、以前相手をしてくれた憲兵さんがいたので事なきを得た。

「裸プレイしていると、色々大変そうですね」

とユミには言われてしまった。

「まあ、問題ないさ。それよりもスライムを探そう」

そうするとすぐに、スライムに遭遇した。

「ユミさんからどうぞ」

と譲ってみたのだが、

「いえ、お手本を見せて下さい」

とやんわり断られてしまった。それならそれで良いかと、口に酒を含む。スライムが近づいてきたのを狙って、ライターに火をつけ、一気に口から酒を放出する。


ボウウウと音が鳴り、スライムは消滅した。後に残ったのはスライムゼリーのみ。いや草むらに引火している!慌てて草むらを足で叩いて、火を消した。

「危なかったですね。主に事後処理が」

ユミの言うとおりだった。


またスライムに遭遇したので今度は、ユミが火吹きをやってみることにした。ボウウウと音が鳴り、ユミも成功したようだった。

「やった。やりました!」

ユミが興奮しながら言う。

「おお、やったな。おめでとう。それじゃ事後処理しなくちゃね」

と言いながら、周囲火を消すケン。

「ありがとう!」

とユミも火を消すのだった。

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