ブラックアリゲーター狩り2
ブラックアリゲーター、一体倒して勢いに乗る俺は、次なる獲物を狙っていた。もちろんブラックアリゲーターである。
見つけた。次はブラックアリゲーター二体だ。一体ずつ処理していこう。遠投を使って、ブラックアリゲーター、一体を引き寄せる。攻撃する時に、ブラックアリゲーターは口を大きく開ける。それを利用して、
「星魔法」
を行使する。
あっけないほど、簡単に倒せた。これってもしかして
「これが一番早いと思います」
ってやつじゃないだろうか?
次のブラックアリゲーターも同じ方法で倒す。ドロップ品は600ゴールドとブラックアリゲーターの皮と肉、一枚と四切れだった。
頭の中でポーンと音が鳴る。遠投がレベル19に、星魔法がレベル6に上がっていた。
この日はこれでもかというほど、ブラックアリゲーターを倒した。合計でブラックアリゲーター二十体倒した。ドロップ品は先ほどまでのと合わせて、6000ゴールドとブラックアリゲーターの皮と肉、十枚と四十切れだった。
ジャグリングも相当したので、リンからゴールドを貰える確率が高くなった。だがちょっとした問題が起きていて、痛覚麻痺のアクセサリーが仕事をして、全く痛くないのは良いのだが、おかげで火傷状態のダガーを持ち続けて、体力が減るということになっている。
それと指の震えだが、一切影響がない、と言っていい。始めのうちは気にしていたが、もうすっかり気にならなくなっている。
ガラントへ着くと、靴を洗って街の中へ入る。冒険者ギルドへ顔を出した。
「54番でお待ち下さい」
と言われ大人しく待つ。
この時俺は、指輪について考えていた。まだまだ装備出来る指は残っている。何かしら指輪を作ってはめた方が良いんじゃないか?そう考えるようになっていた。
「54番の方」
「はい」
「今日はどのようなご用件で?」
「ブラックアリゲーターを二十体倒しました」
「では6000ゴールドお支払いします」
MPはどうしたんだ?という疑問もあるだろうが、休憩しながら狩ったので、MP切れは起こさなかった。それと今回の、MP検証により、一分で、一回復することが分かった。
ということで、冒険者ギルドに着くまでに、すっかり夜になってしまったのだが、食事をしなくてはならない。例の小料理屋まで足を運んだ。
小料理屋は繁盛していた。俺はギリギリカウンターに座ることが出来た。
「あら、昨日の方ね」
「どうもお邪魔してます」
「注文は決まったかしら?」
「おすすめを適当に二、三品頂けますか?」
「おすすめね。分かったわ。ゆっくりしていってね」
「あ、それとビールを下さい」
「かしこまりました」
グラスに注がれたビールが出てくる。瓶ビールもついてくる。グイッと一口呑む。旨いっ!周りのおっちゃん達も瓶ビールを呑んでいる。
グラスを空けて二杯目。瓶からビールを注ぐ。溢れるギリギリで止める。
「はい、お通しです」
キュウリの漬け物が出てくる。シャキシャキして美味い。今日のお通しはキュウリの漬け物なんだな。
グラスの二杯目を空けてから、三杯目を注ぐ。
「はい、お待たせいたしました。煮物とサンマの塩焼き、ご飯、味噌汁です」
「ありがとうございます」
煮物は味が染みている。ホカホカで美味しい。サンマの塩焼きはどうだろう?油が乗っていて美味い。ご飯も味噌汁も文句なしだ。
ビールもすすむ。これで四杯目だ。酔ってはいない。普段からリンのお酒で鍛えられているからな。もしかして酔いにも隠しパラメーターがあるのか?いやまさかな?と思いつつグラスを空ける。
「美味しかったです。ごちそうさまでした」
「はい、500ゴールドになります」
お代を払い、お店を後にする。
ホテルにチェックインして、シャワーを浴びる。そしてそのまま寝落ちした。